乱鳥の書きなぐり

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『カフカ小説全集 4 変身 ほか』より「変身」 池内紀訳 白水社

2025-03-02 | フランツ・カフカ/ 安部公房

 

『カフカ小説全集 4 変身 ほか』より「変身」 池内紀訳 白水社

 

『カフカ小説全集 4 変身 ほか』より「変身」 

 池内紀訳 

 白水社

 2001年

「変身」93~155頁

 2800円+税

 

 中学で読んだ『変身』

 最近映画で見て、講演を聴き、小説を読む。

 映画はかなり小説に忠実。

 講演で聞いたエピソードなどを頭に読んだ小説は、中学の頃の感じたものよりも、深く或いは浅くなっていた。

 

 グレゴールが虫に変わる。

 妹の変貌。

 父の存在。父の変身。父への恐怖。

 

 不可解なのは一見善良そうに見える生真面目そうな三人の下宿人。

 あれを持ってくる意味合いが、若干乏しいと感じ津のは、私の読みが浅いせいか。

 

 対して、重要な意味を持つ登場人物が、グレゴリーの部屋を掃除する突拍子もなく明るい年老いた掃除婦。

 グレゴリーが亡くなり、掃除婦は残された家族三人に言い放つ。

 残された三人の家族が出ていく前の 年老いた掃除人の、家族に対する皮肉めいた正論

「心配ご無用。もう片付けといたからね。」(要約)

の言葉は、強烈に私の心に入り込む。

 三人は何事もなかったかのように、晴れ晴れとした表情で、家を後に引っ越していく。

 

 

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