乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

映画『あぜ道のダンディ』光石研 田口トモロヲ  2011年

2013-05-09 | 映画
(写真は「不動利益縁起」)


 『あぜ道のダンディ』

監督・脚本:石井裕也
出演:光石研 田口トモロヲ 森岡龍 吉永淳 山本ひかる 染谷将太 綾野剛 岩松了 西田尚美
2011年 
111分
カラー
見栄を張って何が悪い!石井裕也が描く、男のダンディズムの世界! 北関東、地方都市。宮田淳一と友人真田、ともに13歳。自転車であぜ道を走り、時にイジメられ、「カッコいい男になりたい」と涙をこぼす・・・イケテない中学生時代。そして、ふたりは50歳になった。配送業を営む宮田は、妻に先立たれ、ふたりの子どもと暮らす。何とかコミュニケ-ションを取ろうとするが、いつもうまくいかない。仕事を終えると、居酒屋で真田と酒を酌み交わしすのが、楽しみのひとつだ。宮田の息子と娘がそれぞれ東京の大学に合格する。ふたりの子どもたちが東京へ旅立つ日が近づいて・・・。宮田は子どもたちと最期の思い出を作れるのだろうか・・・


河田貞 編 至文堂 1974年

 この映画も夫とふたりで見る。
『あぜ道のダンディ』は淡々とした日常を現し最後は涙…みたいな。
 光石研さんと田口トモロヲさんが重厚で、良質の現代劇夘ぃ見たような後味の良さ。

 この映画ではダンディな帽子に注目したい。
 かぶり物(蓑や傘や花笠)には神が宿るという。
 この映画では父親の勝負帽子として親友から譲り受けることになり、帽子は再生(即ち 父親としてのダンディズム)する運び。監督はそれを踏まえてこの作品をつくっておられると感じる。

 静かな時の流れの中で、誰ひとりとして悪人のいない映画の中で、一個の人間同士の葛藤が絡み合っている。
 そして互いの歩みよりを見せる時、人は人として成長するのかもしれない。

 親友二人の中学生の頃の姿と現在の二人をオーバーラップさせながら丁寧に映画作品として織り込んで行く監督 石井裕也さんに拍手。

 生きるって、まんざら捨てたもんじゃない!
 劇中夢中の小ミュージカル「そそらそたそら うさぎのダンス」の家族愛が今も心に呼びかける。

 たいへん面白うございました。
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『伊勢音頭恋寝刃~油屋・奥... | トップ | 『あぜ道のダンディ』 追記... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事