(アブヤネのドアには形の違った取っ手が二つついている。
鍵のように縦に長いものは男性、空間を認められる方は女性を表わしているという。
こういったドアは中国でも見たような気がする。確か雲南省で見たとは思うのだが、記憶は厳しい^^;;)
『真夏の夜の夢』 (バレエ映画)
1983・84年 スペイン・イギリス合作
製作総指揮 セレスティーノ・コロナード
デヴィッド・メイヤー
監督・脚本 セレスティーノ・コロナード
原作 ウェイリアム・シェイクスピア
舞台製作・セットデザイン・衣裳 リンゼイ・ケンプ、デヴィッド・ホートン
美術監督 カルロス・ドレモケア
音楽 カルロス・ミランダ
出演 リンゼイ・ケンプ
マヌエル・ヴァルガス
インクレディブル・オーランド 他
この映画はかってデビッド・ボウイなども影響を受けたという。
これは観ないわけにはいかない・・・というわけで、シアターTVで バレエ映画の『真夏の夜の夢』を観た。
なるほど。パックは はじめ蜘蛛の巣の中からうごめいて出てくる。
その様子は、ユーライア・ヒープの『ソールズ・べりー』のアルバムジャケットのデザインを思い浮かべる。
森の様子なども、彼らグループのジャケットに取り入れられていたことに間違いなさそうであった。
或いは アルバムジャケットが先なのだろうか・・・。
出だしの中世当時の描き方もパロディ的で楽しい。
化粧といい仕草や衣装といい、なかなかのものである。
品良き音楽の調べにあわせてのコメディ的にもとれる演出の対比によって、おかしさは倍増する。
シェークスピアらしくて、ほくそ笑んでしまう。
観ていると1970代のブリティッシュロックやグラムロックを臭わせる舞台設定。
この映画はそうとう彼らに影響を与えていたらしい。
小・中学の頃の思い出が、私の目の前に
pa!
っと よみがえる懐かしさ。
舞台美術や衣装、振り付けだけではない。
流れる音楽の変調の部分はクイーンなどを思い浮かべる。
「個々の変調の部分は、ロックみたいね。」
と言うと、息子曰く、
「普通のロックは 変調は少ないですから・・・。」
互いに顔を見合わせ、おお笑いである。
横で夫は、
『それはどういうことなんだ?』
と 苦笑い。
狐につままれた様子の彼はロックを知らない・・・。
フィレディ・マーキュリーによく似た踊り手。
しかしながら、手足はフィレディの方が長く、顔も小さい。
しかしながら 歌う姿と踊りが、フィレディのイメージと重なる。
なにげに男前に見えてくるから、不思議。
フェンシングのシーン。
ありゃりゃ、小島よしおさんにそっくりの踊り手。
顔と動き!があまりにも似ているので、まともに映画に入り込めない私。
内心
『映画はまじめにみましょう・・・。』
と、反省。
ひく息子。
「映画は静かにみましょう・・・。」
とでも言いたげだ。
妖精たちが輪になって・・・・・・のシーンも品良く抽象的で、それでいて的確に表現されていた。
いつぞやに松竹座で観た『真夏の夜の夢』とは大違い。
ただしこの演出は花組芝居の加納さんが担当していたので、悪くは書くまい。だがな・・・。
当たり前のことがが、同じシェークスピア作品の『真夏の夜の夢』を作品化しても、こんなに違うものかと思うと、面白い。
今月はシアターTVでは『真夏の夜の夢』特集が組まれており、7作品が見られる予定だ。
私は藪用があり 10日までしか観ることができないので、折をみて録画しておこうと思う。
今は朝の5時30分。
なにげに少し開いたドアから静かに漏れて流れてくる 息子の部屋からの心地の良い音楽。
寝付かれないのだろうか・・・。
彼は今日、一人でトルコに向かう。
旅行前日という忙しさの中で、彼の長旅の無事を願いつつ、親子三人でテレビ映画を観られたという小さな幸せ感にひたっていた。
シアターTVの作品説明 ↓
ケンプ演じる妖精パックの魔法の花の媚薬に操られて、恋人たちが、男は男同士!女は女同士!のカップルに収まってしまうという倒錯的な内容と、妖しく幻惑的なビジュアルで世界のアート界やファッション界に衝撃を与えた、ケンプの伝説的傑作の映画版。