アカボシゴマダラが羽化しました。
アカボシゴマダラの羽化を撮るのは、2018年以来4年ぶりになります。
7時58分 羽化直後のアカボシゴマダラ ISO250 1/160 F5.6
撮影機材:OM-D E-M5 MarkⅢ + ED14-150mm F4-5.6 Ⅱ(1枚目と最後のカットのみ)
一般にはあまり馴染みの無い蝶ですが、在来種のアカボシゴマダラ(準絶滅危惧種)は奄美地方に生息しています。
ところが、1998年に神奈川県で見られて以来、関東を中心にその活動範囲をかなりの早さで広げているようです。
この関東の蝶は奄美地方の個体とは異なり、中国から人為的に持ち込まれたと言われています。
そして幼虫の食草が国蝶オオムラサキやゴマダラチョウと同じエノキなので、特定外来生物に指定されてしまいました。
10年程前、私はオオムラサキの越冬調査に参加した事があります。
エノキの下周りの枯れ葉を裏返して、越冬するオオムラサキやゴマダラチョウの数を数えるのですが、
既にかなりの数のアカボシゴマダラが一緒に冬越しをしていました。
その時、こんなのも見つかりました。(参考のための1枚です)
左の1頭がオオムラサキ、右の2頭がアカボシゴマダラです。ISO200 1/125 F/11(OLYMPUS E-5)
なんだか仲良く冬越しをしているように見えますよね。
私の住んでいる東京でも、道路端の植え込みから顔を出しているエノキにアカボシゴマダラの幼虫が見られることがあります。
この2年程はコロナの影響で撮影意欲が失せていたのですが、今年カワセミを撮った帰りに道路脇の植え込みで幼虫を見つけました。
そして私の住んでいる建物の下でも幼虫と蛹が…。
これで久しぶりに生態写真撮影のスイッチが入ってしまったようです。
ところが2年前に現在の所に引っ越してから、まだ室内撮影の場所を準備していませんでした。
狭い家の中でカミさんの協力を得て、ダイニングの片隅に撮影場所を確保。
準備が出来て直ぐの今朝、4時に目を覚まして様子を見ると、見当を付けていた蛹の色が僅かに変化しています。
これはもう朝寝は返上して、即、撮影待機です。
1枚目、前日の夕方の状態から。
撮影機材:OM-D E-M1 MarkⅢ + ED60mm F2.8 Macro + FL600R(フラッシュ)
①18時57分 綺麗な緑の蛹です。 明らかに葉に擬態していますね。 ISO200 1/60 F8 (露出は以下同じ)
因みにオオムラサキやゴマダラチョウの蛹も、殆ど同じ形です。
②5時30分 最初に見てから1時間半後、既に中が透けて見えています。
③6時20分 上部のくびれが、さらに大きくなってきました。 間もなく羽化開始の兆候です。
④6時26分 約5分後に背中が割れて、羽化開始!
⑤6時27分 頭を下にして、出てきます。
⑥6時27分 うまく身体が抜けました。
⑦6時27分 クルッと身体を反転させて…。 ここまで来ればもう羽化失敗はありません。
⑧6時29分 体液を注入して翅を伸ばします。
⑨6時31分 あと少し!
⑩6時36分 これで羽化成功です。
まだしばらく動かないので、今のうちに私の好きな複眼撮影をさせてもらいましょう。
6時41分 蝶の個眼は小さいので、撮りやすいとは言えません。
これで、羽化の連続写真は完了です。
この後一番最初の写真に戻ります。
翅が完全に乾いたところで…。
9時26分 私の手の上から、ベランダの前にあるケヤキに向かって飛び立ちました。
蝶の羽化は早朝のことが多いので、アゲハなどの時は2時起きが普通なのですが、今日は楽でした。
数年前にアカボシゴマダラの羽化を撮った時は、4頭の内3頭が起床前に羽化してくれたので打率2割5分。
今年は何とかもう一回。
スイッチが入ってしまったんですね(笑)
きれいですね!
見たことのない貴重な羽化の写真を有難うございます
感激しますね
いつもコメントをありがとうございます。
以前は毎年のように、アゲハ、モンシロチョウ、オオムラサキ等の羽化を撮っていましたが、コロナのおかげで出かけることを躊躇し、それ以来撮影する気にはなりませんでした。
しかし今回、幼虫を見つけ、アカボシゴマダラはまだ1回しか羽化が撮れていなかったので、これは良いだ機会と思って生態写真を再開しました。
やはり撮ってみると、蛹から蝶が出てくる瞬間にはいつも通り感動させられました。
とりあえずもう1頭、羽化スタンバイ状態なので、今季2度目の羽化を楽しみに待っているところです。