今年、自宅のベランダで孵化した最後のジャコウアゲハが羽化しました。
ジャコウアゲハが私の家に来てくれることを願って、二株のウマノスズクサをベランダに用意したのが3年前。
一昨年はウマノスズクサ自体があまり大きくならず、昨年はその釣り鐘のような花を見ることは出来ましたが、産卵の気配は無し。
そして3年目の今年、予定していたナナホシテントウ、ナミテントウの羽化までを撮影し終わり、今年の昆虫の生態写真はこれで終わりと思っていたら…。
来てくれちゃったんですよ、今年もダメかな?と思っていたジャコウアゲハが。
産んでくれた卵の数は1週間程の間に20個以上。
キツイ撮影になる事は解っていましたが、せっかく来てくれたのにこのチャンスを逃がすわけにはいきません。
二株のウマノスズクサではとても飼いきれないので、最終的には4頭残しで、後は食草の自生地に放しました。
でも結果的に何とか写真になったのは2頭だけ。(1頭はベランダの高い位置で蛹化、もう1頭は石垣島旅行中の羽化でした。)
おまけに蛹から出る瞬間の動画は中途半端な撮影になってしまいました。
原因はジャコウアゲハの動きが今まで撮った他の蝶に比べて、かなり動きが速かったことでしょうか。
静止画、動画の同時撮影をするためには、カメラ2台での撮影が必要になると思います。
これは次からの課題として、以前使ったカットも含め卵から羽化までを順に並べてみましょう。
機材は OLYMPUS E-M1 にレンズは3種類 A : M.ED 60mm F2.8 Macro B : LEICA MACRO ELMARIT 40mm F2.8 C : M.ED12-50mm F3.5-6.3EZ
これにフラッシュ OLYMPUS FL-600R(ディフューザー使用)で撮影しています。
露出は室内撮影については全て ISO200 1/125 F8 です。
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最初は5月に産み付けられた卵です。 LENS:B
きな粉をまぶした和菓子みたいですね。(大きさ、約1mm)
産卵からおよそ7日で孵化します。
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孵化後、初めての食事中です。(体長:約2.5mm)LENS:A
アゲハの仲間の1齢幼虫は、皆、同じ様な姿をしています。
これが2齢になると…。
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まだイボイボが丸くて可愛い2齢幼虫です。LENS:A
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3齢幼虫になりました。(体長、約15mm)LENS:A
以前にも使ったお気に入りの左右対称カットです。
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食欲旺盛な終齢幼虫です。(体長、約50mm) LENS:B
ジャコウアゲハの幼虫は、写真の様に茎を好んで食べる個体がいました。(葉の方が柔らかいのにね。)
孵化から20数日、羽化の為に気に入った場所を見つけ蛹になる準備を始めます。
この時、放っておくととんでもないところに行ってしまい撮影出来なくなるので、植木鉢の外にでて歩き回る幼虫を何度も連れ戻す事になります。
正直言ってこの作業が一番大変なんですよね。
昨年のルリタテハはほんの2分くらい目を離したすきに見えなくなってしまい、何処を探しても見つかりませんでした。(T_T)
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蛹になる前の前蛹です。LENS:B
教わりもしないのに、ゆりかごの糸を掛け、お尻の先もしっかり固定しています。
たいしたもんですね~。
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24時間後には蛹になります。LENS:B
これは、どの蝶でも同じですね。
さて、ここから今回の撮影分です。
産卵から45日目、いよいよクライマックス、羽化の瞬間です。
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羽化1時間前、翅や腹部が透けて見えていますね。LENS:C
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蛹が割れて、一気に出てきました。LENS:C
実はこうなる寸前、ちょっとカメラの前を離れていて遅れてしまったんですよね~。(^^;)ゞ
焦って戻ったのですが、お陰で動画のほうが…。
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ここから翅に体液を送って伸ばします。LENS:C
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20分後、ほぼ翅が伸びきりました。LENS:C
ここまで来れば安心です。
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5時間程経ちました。LENS:C
もう飛ぶことが出来る状態です。
今回は雌でした。
雌と雄の違いを見てもらうために、前回羽化した時の写真を比較のために上げて見ます。
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ご覧の通り、雄は全体に黒い翅を持っています。LENS:B
ちょっと見ただけでは、カラスアゲハやクロアゲハと区別がつきにくいかもしれません。
結果はともかく、とりあえず一段落です。
今回はジャコウアゲハにプラスしてアカボシゴマダラも同時進行でしたので、余計に厳しくなってしましいました。
その上、アカボシゴマダラの羽化と石垣島撮影旅行が丁度ぶつかってしまい、こちらは全く撮れず終い。(-_-;)
何とか次回のリベンジを予定しています。
この先まだ2ヶ月以上は昆虫シーズンですので、落ち着いたらまたプチ遠征でも…。(^-^)