それは多分、幻覚。
母が壁の方を指さして、そこに誰かいるように私に話す。
「私には見えないの」
「アラ、見えないの?」
その視線、何かが見えている。
「誰がいるの?」
母はなにやらいろいろ説明してくれる。子供がいるみたい…。
「守ってるのよ」そう言った。
誰を? なにから?
「なんていう名前?」
母が答えたその名は…
「天使ちゃん」
「守ってるのよ」
またくり返す。
守護霊さまか?!
「見えないの?そこにいるわ」
今度は窓の近くを指さした。
「男の子?女の子?」
「女の子」
その天使さまは、手のひらに載るくらいの小ささらしい。
「羽、あるの?」
「ううん。クサがある」
クサ??……なんでしょ、それ?
「お父さんの隣にいるわ」
それは死んだ父のことですか?
………思い当たるのは…
私を生む前に母が二度流産していること。
この世にうまれることなく死んでいった私の兄か姉。
いるのかな?父と一緒に。
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