ベニシア・スタンレー・スミスさんが
72歳でお亡くなりになったと、
今日ニュースで知りました。
日々の暮らしに心が擦り切れた時に
ベニシアさんの番組を見て、安らいだ人は多いのではないでしょうか。
13年前
自分が最も大変だった時期に
たまたまNHKで
ベニシアさんの番組をみました。
ベニシアさんは
イギリス出身のハーブ研究家です。
自然を愛し、家族を愛し、地域の人々を大切にし
京都・大原の里山の古民家で
暮らしておられました。
ハーブや季節の花々が咲く
ベニシアさんの手で整えられた庭。
自然素材の手作りの食事
インディアンのようなな孤高の精神。
その頃わたしは、こどもを産んだばかりでした。
実家・自分の家族、両方に大きな問題がたてつづきに起き
ベニシアさんの静かなる精神とはほど遠い日々を送っていたのですが
ベニシアさんの番組を見ると
不思議と心が凪ぎました。
ファンになりました。
しかしのちに知ったのですが
ハーブに囲まれ、丁寧な暮らしをする優雅な初老のベニシアさんは
波乱万丈の人でした。
イギリスの貴族として生まれ、悩み多く。
家を捨て、単身海外を旅し、日本にたどり着く。
結婚→離婚→子づれで再婚。
娘さんには精神障害があり
年下の旦那さんは女性問題で家出。
そんな過去があったのだそうです。
私にはベニシアさんの
わすれられない言葉が、二つあります。
一つ目は
「赦しは過去との決別」
ふたつめは
「どんなに難しい状況にあったとしても
それは誰のせいでもない。
今やれることをやりましょう。
過去はもう戻らないのだし
やり直しはできないのだから」
波乱万丈な日々を経て、試練に耐え
慈愛に満ちたおばあさんになったベニシアさんは
女神さまのようで。
どんなふうに歳を重ねるか
そんなことを最近よく考えます。
写真は、2019年に訪れた大原の景色です。
ベニシアさんがたどり着き、永遠に眠った大原。