*「魁!!女塾」*

THE GOOD LOVIN’sというバンドでギターを弾いています
京都市在住

実録・車中のひと

2008年07月31日 | ★Life☆
昨日、京阪バスに乗った。
乗車したら、知的障害のあると思われる陽気な青年が先に乗っていて、
同じバス停から新しく乗り込んだ人全員に、ハイタッチを求めてた。

なにゆえハイタッチ?!
このシュールな展開に目をみはりつつ、
条件反射でハイタッチに応じた。

すると、私が予想外にノリが良すぎたのか、
前方の席に戻った青年は、自分の荷物をまとめて私の隣に移動してきた。

「おぉキミなんで移動してきたん」と言うと
「アツイデスネ」とすごく無邪気な顔で言っている。

これが知的障害のない青年やオッサンだったら
「ちょっとアッチ行ってくれる」と追い払うところだけど、
チカンしようなんて気のさらさらなさげな無邪気な青年だったのでまぁいいかと思った。

青年は自分が書いた学習帳みたいなノートを広げて自慢げに見せてきた。

「今日は掃除をしました今日は味噌汁を飲みました今日は豚肉を食べました今日はしめじを食べました…」
とか子供のような字で改行なくビッシリ埋まってた。

「味噌汁の噌っていう漢字、難しいよな」と言うと
「?」と超無邪気な顔を私に見せていた。

「アツイデスネ」と言うので
「うんアツイな」と返事する、というのを20回は繰り返し。
言葉はあまりしゃべれないみたいで。

知的障害があるからといって差別しないのと同様、
迎合したり、異常に優しくしたり特別扱いしたりもしない。

あめをくれるというので見たら暑さでドロドロに溶けてたので
「溶けてんじゃんかー いらんしー」と返すとキャーっとはしゃいでた。

私の手を握って、握手、握手といって離さないので
「コラコラおんなの手を簡単に握ったらイカンぜ」と離すと

「なんで」という。

「そんなことしてたら、チャラ男やなってモテなくなる」
というと、また無邪気な顔で「?」と見てた。

「ねーさん、今、音楽聞いて妄想しようと思ってたから、そっとしといてな」
と言うと、言う通り横で静かにしてたが、ジーーーっと無邪気なまなこで私を見てる。

「もー!見すぎやねんキミは」と言うと
「水着?」とか言う。

「すき?」と聞くので
「何が?」というと自分を指差してる。

「…きらいではない」

「すき?」

「うんきらいじゃない」

「大好き?」

「・・・・まぁ、すき、くらい」

「だいすき?」

「だいすきではない」

「だいすき?」

「だから、きらいじゃないけど大好きでもない!」

とか延々繰り返していた。

こんな風に、
「俺のことすき?大好き?」ってしつこく迫られたの、何年ぶりだ?
イヤイヤそうじゃなくて…

「…まぁ一期一会だよな」
と独り言を言うと

苺?」
と超無邪気な顔をしてた。

終点で降りて「バーイ」って言ったら
子供みたいな顔で立ち尽くしてた。

17years after

2008年07月25日 | ★Music

17年前に願っていたことが
17年後の今週、唐突に実現して、
今も驚いている。

17年前、ひとりで何度も通ったライブがあった。

憧れたギタリストがいた。
その人はライブが終わると、いつも女の人に囲まれていた。

よく写真を撮られてはった気がするけど、
私は写真じゃなくて、彼の演奏の録音が欲しかった。
勝手に録音して持って帰っては、ギターを真似た。
今でも、それらの曲を弾ける(なんちゃってやけど)。

私は相手にされないくらい子供で、話しかける勇気もなかった。

でも、当時やたらナマイキで
硬派なガキだった私は思っていた。

「いつか、大人になって、
ファンとしてじゃなくて、ギタリストとしてこの人と知り合いたい」

当時私はギターを始めたばかりだった。

自然に、その機会が、訪れればいいと思った。
不自然に知り合おうとは思わなかった。

そして、
将来、
どこかで知り合い、
彼が私がライブで弾くギターを耳にしてくれる機会が来ますよぅに…

と願った。

その17年前の願いが、思いがけず叶う日が突然やって来た。

私のライブに初めてきてくれた。

10年以上姿を見ることもなかったが、
おとなになってから自然に知り合った。

ライブ後、彼は私の演奏そのものについて何も感想を言わなかった。
ただ、

ギター弾く、立ち姿がええんちゃう?
上手いとか下手とかじゃなくて
ギタリストは、まずそれやろ?
おまえがそういうギタリストで良かった

と言わはった。

デロリアン号に乗って、17年前へ行って、教えてやりたいね、
17年前の私に。


妄想

2008年07月11日 | ★I Think・・・

通勤電車は、毎日ほぼ同じ顔ぶれだ。

横並びの座席に、
すごくステキなファッションのキレイなとあるお姉ちゃんと、
ノーメイク、謎のファッション、髪ボサボサ、超絶冴えねぇオタク系お姉ちゃんが

月に一度は隣り合わせで座る。

年も同じくらいで、実に対照的な二人だ。

しかも、オタク系おねえちゃんは
ブックカバーを裏返しにした本にいつも熱中し、
周りを気にすることなくニヘラーと思いッきしニヤけているのだ。

結構シュールだ。

スゲー対極、と思いながらボーとみていると妄想が止まらない。

私には
キレイなほうのおねえちゃんではなく、
この超絶オタク系お姉ちゃんのほうを実にうらやましいと思う
ある理由があった。

女性なら誰しも、ファッションに多少の関心はあろう。
キレイなお姉さんになりたくないという人は少数派であろう。

私とて、おしゃれさんの分類にはほど遠い。
しかし、お出かけファッションには一応の最低ラインがある。

つまり、多くの女性にとって、
このお姉ちゃんのように、
「身なりを超絶に構わず
本に没頭し電車で大胆不敵に怪しくニヤけ続ける」
という行為は、
ファッションをキメるより、断然難易度が高いのであります(女を捨てたオバチャンを除く)。

やってくれと言われても、
やりたくない、というのもまぁあるが、
やってくれと言われても「スマン!私には出来ない!」のであります。

しかし、このお姉ちゃんは、
通常身なり等に割り当てられる脳の領域を、
公衆の面前でキモい行動に走らないよう制御する脳の領域を、


全て違う事に使用しているのだと!

キミの脳はどれだけ知的探求領域が広いのか!
そして、キミがそんなにも大胆になれるのは何故ゆえか。
つーか、キミがそんなにもハマっているその本は何か!!!
たぶんめさめさ面白い本なのであろう。

そんなにもハマっている事があれば
世の女子は、潔く女を捨て、
電車で怪しくニヤけることも可能なのではないか!?

そんな境地に到達できるくらいハマるものがある、
という彼女を、

隣に座っているキレイなお姉ちゃんよりも、

断然うらやましく思う。

以上、全て妄想です。

帰って夫に言うと
「それは単に女としてズボラなだけちゃうのか」と言ってたけど。


スタジオ

2008年07月06日 | ★Music

ベースで参加させてもらってる「デラシネ」のスタジオだった。

新曲が2曲。
このバンドは何か新しい曲をやる時に、
ギター氏がおもむろに弾き始めてそれに他のメンバーが合わせていく。

デモもなく、紙に書いたコード進行もない。
そしてそれを録音しない。
ぜんぶ からだで覚える。

こういうプリミティブなやり方すき。
いろんな感覚がフル稼働して、
いちばん音楽に近い気がする。

合い間に
サマータイムブルース、ジャンピンジャックフラッシュ、
アナーキー・イン・ザ・UK、モナ
など殿堂ロックで遊んだ。

ウチらがスタジオに入る直前、
同じ部屋に、和風流の前にやってたバンドのベーシストが入ってた。
ベースアンプのイコライザの波形が、彼が弾いてた音のまま残ってた。
そしてそのまま使った、笑。
ベース本体が違うからアレだけど、
お、なんだか今日はいい音♪

ギター氏が作った新曲の2曲のうち
1曲は、ストレートなR&R。
2曲目は、ジミヘンドリックス的な難解なリズムの曲。

2曲目のリズムがすぐ覚えられなくて手こずっていると
ギター氏は、ウヒャヒャと

なんか、キミらが苦しんでると ちょっとだけウレシイ♪っちゅーの?
1曲目はキミらアッサリついてきたから、なんかホラ ちょっとガッカリっちゅーの?

と満面の笑みを浮かべておられた。
うーん サディスティック。


深夜、自販機にて

2008年07月01日 | ★Life☆

ハズバンドと歩いていたら、
彼が路傍でおもむろにタバコを購入した。
ピンポーンと音高く呼び鈴のようなものを鳴らしている。
taspoのいらない、顔で成人を認証する自販機なのらしい。

鏡に映るだけで、成人かどうか数秒で判断されるらしい。

私は初めてだったので、
おもしろがって、背後霊のように一緒に映ってみたり、
白目をむいてみたり、
髪をふたつにくくり、
子供らしく無邪気な顔で映ってみたりと、

買わないのに何度も実験してみたが、
全部、成人で認証された。

アカンかったのは、
横顔と、後頭部くらい。

どうやって判断しているのか。

考えてみた。

①スキャンした顔から、地図の等高線式で、頬のイチバン高い地点を求める。
加齢と共に下方に移動するその位置で、年齢を判断する


②この自販機はリアルタイム・オンラインで「判別センター」に接続されている。
そこには百戦錬磨の判定員が5人、24時間常駐しており、
協議の結果、「成人!」「非成人!」と独断と偏見の多数決で決定している。


もし本当に②だったら?
さっきから、買わないくせに深夜に何度も呼び鈴を押し、
ヘンがおで映りまくってはギャハハ~とか言っていた私たち夫婦は、
どうしよもないバカ夫婦やないの。

判定センターで
「…この二人マジで鬱陶しいんですけど」と。

なのでもっと実験してみたかったが、退散した。

しかし、ネットで正解を調べてみたところ、

「判定センター」も「百戦錬磨の判定員」も存在せず、
何のことはない、自販機の中のコンピューターでデータに基づき判断しているのだそう。


目元と口元のたるみとかで判断してるんだって。
(19とハタチの差ってどうなの)

ほんでそれは、9割の正解率を誇るんだって。

でも、ウチのバンドのボーカル・アキラ君は、残りの1割、
自販機がタバコ買わせてくれないんだって。