もうすぐ中学生の夏休みが終わります。
息子は、インドアな趣味に走っているのと
わざわざ親と出かけたくないお年頃です。
今年の夏
唯一ふたりで出かけたのが
大阪梅田にあるESP音楽専門学校の
オープンキャンパスです。
息子が敬愛するSuspended 4thのベーシスト
フクダヒロムさん(通称むぅさん)のベースクリニックがあり
わたしは中学生の保護者として参加です。
中高生数十人に混じって
むぅさんのセミナーを聞きました。
(生徒さん達は、みなさんむぅさんのコアなファンで、息子もそのひとりです)
むぅさんは、超絶技巧のプレイヤーさんで
中高生男子たちは、むぅさんのテクニックに
「マジか…」を小声で連発していました。
質疑応答コーナーでは
奏法に関する、マニアック質問だらけで
みんなのマジさがすごかったです。
むぅさんは、セミナー中
「お前ら、絶対にあきらめるな。
反復練習をしろ。
自分を信じて、不屈の精神でやれ。
(バンドマンになった)お前らと、ライブハウスで会おうな」
と言っていました。
不屈の精神、と何度も言っていました。
10代の頃に
こんなふうに言っていた大人がいたこと
きっとのちに思い出すんだろうな。
絶対忘れないんだろうな。
わたしにも同じような思い出があります。
19歳の頃
大阪でギャルバンをやっていて
女だけのハードロックイベントに出演しました。
梅田のアムホールで、
そのイベントのゲストは
ノーマ・ジーンというバンドでした。
イベント終了後
出演者の打ち上げがあり
ボーカルのダイナマイト・マリさんと席が近くになりました。
人生で初めてしゃべる、プロのバンドマンです。
マリさんはステージで見るより
オフステージのほうが、硬派な感じがしました。
マリさんは
「あんたら、プロになりたいか?」
と私たちに聞きました。
私たちは「ハイ、なりたいっス!!」
と答えました。
するとマリさんは
「自分がそうなっている姿を、
いま、リアルに描くことができるか?
そしたら、絶対にあきらめるな。
絶対にあきらめなかったら夢は叶う。
こんなわたしがそうだったんだから、ほんとなんだ」
という内容のことを言いました。
あきらめなければ絶対に叶う夢ばかりではないことは
19歳のわたしも知っています。
「絶対にあきらめない」
実にシンプルな話で、いろんなところで聞くフレーズです。
でも、実際に夢を実現させた人のことばは、重いです。
「絶対にあきらめない」
実にいろんなところで、飽きるほど目にするフレーズです。
でも、思い返せば
誰にあきらめるなと言われてきたことより
ダイナマイト・マリさんに
目を見て、ズバンとそう言われたこと
当時、相当に響きました。
だから30年経った今でも
その時の細かいことを覚えています。
今日は帰り、むぅさんに
「母です。息子がお世話になっています。
今までゲーム中毒やったのが
むぅさんに出会ったおかげでゲームほとんどしなくなりました。
なんか、おおきにです笑」
なんて言っていたら
「逆に俺がいま、ただのゲーマーになってんだけど(笑)」
ですって。
すばらしい世界を息子に見せてくださり、ありがとうございました。