2日目。
地下鉄国際会館駅から、地下鉄にとりあえず乗り込んだ。
またもや行き先は決めてなかった。
この列車が竹田駅終着ではなく、近鉄と連結バージョンで近鉄奈良駅直通であることに気づく。
「奈良まで行ったりして」「まさか~」などと言いつつ。
四条か京都駅くらいで下車して本屋巡りを、と思っていたのだが、
途中でふたりとも居眠りをし、行きがかり上、本当に奈良へ行くことになった。
鹿に頭突きをくらう。
何度も何度もくらう。
囲まれたりもする。
どさくさにまぎれて人のジーンズで顔を拭いている者アリ。
なんてワガママで自由なヤツらなんだ。
鹿に小突かれながら思ふ。
今頃四条の本屋にいるはずやったのに、
人生なにが起こるか全くわからナイ。
今は伏見区に住んでいるが、左京区の、とくに一乗寺という地をこよなく愛している。
連休は祇園祭の喧騒をあっさり避け、
特に予定も決めず、思いつきで左京区をブラブラしていた。
休みの日に予定をビッシリ決めるの苦痛。
以前友達と南国に旅行へ行った時、友達が几帳面な性格で、
観光地を次々と巡る現地でのスケジュールを組み、
バスの乗り継ぎ時間まで分刻みのスケジュールを立ててくれたのだが、
あまりの効率のよさに息苦しくて卒倒しかけた。
二日目の朝「べ、別行動を・・・」と息絶え絶えに申し出、あやうく険悪になりかけたりもしたものだ。
というわけで、とってもゆる~く左京区のあちこちでブラブラしていたのだが、
どうぶつ園、けいぶん社、エスニック料理、北白川バッティングセンター(通称キタバチ)・・・。
そしたら、とっても良いお店を発見した。
京都会館のそばにある「58DINER」というハワイアンなカフェ。
ハワイのロコ御用達のダイナー!という感じのメニュー。
んでコーヒーが結構おいしい。
メグはシュリンプとアボガドのハンバーガーにマスタードたっぷりかけていただく。
南国のインテリアで、ギターやSPAMの空き缶で作ったウクレレなど有り。
腹ペコで駆け込み、スグどっか行くつもりだったのに、
あまりの居心地のよさに、長い時間滞在してしまった。
その理由のひとつが、本棚に並んだいろんな書籍。
店長の私物と思われる。
そのラインナップから、ここの店長はマイク真木みたいなアロハの似合うオヤジに違いないと推測。
なかでも「Lightning」という雑誌にハマる。
男の休日、っちゅうか、
男の美学、っちゅうか、
男の隠れ家、みたいな雑誌で、
皮ジャン・アメ車、ヴィンテージジーンズ、バイク、銃、トレーラーハウスにヴィンテージアロハシャツなどなど。
号ごとにひとつのことを延々マニアックにウンチクを述べている雑誌で、
40~50代の、マイク真木みたいなオヤジ読者がつぎつぎ登場する。
んで、出てくるシブいオヤジ達は
「趣味が昂じてカミさんに怒られてるよ」的なことを嬉しそうに言う。
「奥さん」とか「嫁」とは言わないのね、「カミさん」【笑】。
男の雑誌っていいよなぁおもしろい。
女の雑誌の特集なんて、「モテコーディネート」とか「愛され夏髪」とか「このマスカラで目ヂカラ2倍アップ!」とかそんなんばっか、つまんない。
現在マルチエフィクターを使用しているわたしは
作ったギターの音を保存する際に、
すきな場所にランダムに保存しまくっていた。
そんなに何種類もの音を使い分けたりはしない。
でも「あの曲のあそこにはアレ!」と
ピンポイントで必要なヤツがあるだけ。
しかし最近、
スタジオでメンバーに
「ひさびさにあの曲やらへん?」と突然振られると
必要な音をすぐに呼び出せない始末。
今日、めんどくさいけど観念してエフェクターのメモリを整理。
そしたら、
「なんやこの悪い音! 作ったの誰?!」な古い音が出てきて
即消去。
作った音に名前をつけて保存できるのだが、
わたしのエフェクター内には
「ガンジス・リバー」
「ナマステ」
「サンセット・ドライブ」
「ナカジマ(中島)」
「Shooting Star」
「O・YA・JI」
「YO-SUKO(揚子江)」
などという名前の音が存在する。
以前は「ドライブ1」「ドライブ2」「ソロ1」などと簡単な名前をつけていたのだが、
それだと自分でどの音だったか忘れてしまうのだ。
今回、新しい曲用に新しい音を作った。
私の機材には、まったく不必要な複雑な機能がたくさんついていて、
「こんな人工的なの使う人いるの?」と普段は無視しているのだが。
今回どうしてもハモりたくなって(ウチはツインギターではない)、
初めて「ハーモニスト」という自動ハモリ機能を使ってみた。
その音の名前をメンバーから募集したところ
「おすぎとピーコ」「マナ・カナ」「ザ・たっち」という候補が出て競っていたのだが、
結局「ザ・たっち」と入力してメモリーボタンを押す。
そういえば。
口紅って、ピンク系なら「PK-154」オレンジ系なら「OR-289」
ローズ系なら「RS-276」みたいに事務的な品番をつけてるメーカーが多い。
今はどうか知らないけど、
昔クリニークとか資生堂の口紅には、
「SWEET HEART」「サンセット・オレンジ」など、とっても可愛い名前がついていた。
名前に惹かれてよく衝動買いしてたなぁ、微妙に色合いが違うだけの似たような色を幾つも。
でも、名前があると愛着が湧くのは事実なのだ。
今日はスタジオでおもしろいこともあった。
ウチのボーカル・アキラ君がお手洗いに行った。
戻ってきて「おまたせ~、次なにやろっか」と
私の背後でおもむろにマイクをつかんだのは、
振り向くとアキラ君ではなくディースクラッチのボーカル・jyun君だった。
ほんとうに驚いた。
ディースクラッチ様と時々スタジオで遭遇している。
土禁のスタジオなんだけど、
前回スタジオで彼らに遭遇した日、
脱ぎ揃えられていた彼らの靴の中にイタズラをしかけて知らんぷりしていたのだが、
今日はナニを仕掛けよう?と思っていた矢先、
先に我々の靴の中に似顔絵が投入されていた(画像)。
裏面がゴキブリ駆除のチラシだった。
休憩中にロビーで会ってムダ口を叩き
「休憩ばっかりしてんとさっさとはよ練習してこいやー」と怒られる。