観てきました!! 久しぶりの邦画!!
~~~あらすじ~~~
20人以上の高校生を殺害し死刑判決を受けた榛村大和。
大学生である筧井雅也は、以前顔見知りだった榛村から手紙を受け取る。
そこに書かれた『立件された9件の事件のうち、最後の1件は冤罪である』との言葉。
その真実を探るべく、雅也は捜査を始める。
開始からいきなり残虐な殺害描写の連続。
この映画のレーティングはPG12+らしいが、PG15くらいの心構えが必要だわ。
歳とるとグロ耐性が落ちるんだよ……。
榛村役の阿部サダヲは猟奇殺人鬼という点ではこれ以上ないくらい適役だが
「高校生をたぶらかして拉致殺害する人当たりのいい魅力的なパン屋さん」は
サダヲのニチャっとしたキャラでは無理があるな……。
フレンドリーに話しかけられても若者は絶対警戒するだろw
とはいえ、もちろん演技力に関しては申し分なし。
刑務官を懐柔していく描写や面会に訪れる雅也へ向ける表情、
冷徹な殺人者としての知性の表現の数々が震えるほどマッチしていて、
この映画の魅力の半分以上は、サダヲ榛村にあると言っていいくらい。
ただの冴えない大学生である雅也が探偵役として少しずつ垢抜けていく過程も面白い。
榛村の担当弁護士の元でアルバイトという名目で次々情報を調べ上げ
自らの部屋の壁一面に被害者の情報を並べ
コミュ障ながらも事件の関係者に聞き込みを繰り返す。
ことあるごとに捜査報告として榛村の元を訪れるのも推理ゲームっぽっくて楽しい。
当然、雅也も榛村に取り込まれて闇落ちするのだろうなぁ~、と思いきや……!!
ミステリファンの習性として、「それぞれの登場人物が犯人だった場合」の
情報の整理をしながら観るのだけれど、どれだけミスリードを埋め込んでいても
「犯人こいつしかいねーじゃんw」になってしまうのが惜しい。
それでも、この真犯人を描き出すための大量の伏線の集約が終盤でガッチリ嵌まって
物語として非常に見応えがあった。
原作がそれらの伏線に対してどこまで丁寧に描写されているのかはわからないけれど、
映画として脚本をギリギリに詰め込んだ手腕も十二分に評価できる。
サイコサスペンスらしく、最後に安心した観客へワンパン決めてくれるのもナイス。
観終わったあと、立つのがきついほど全身がずっしり重くなっているのに気付いた。
それくらい心身ともに引き込まれるストーリーと演出、圧倒される俳優陣の演技。
2年半ぶりに劇場で観た邦画がこの作品で大満足。
コロナもおさまってきたので、これからガンガン映画を観に行きます!!