感想:旅猫リポート

2018-10-28 21:59:31 | 映画


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観てきました!!

ねこ大好きで福士蒼汰(フォーゼ)大好きとしては
この映画は鑑賞必須だよな!!


飼い猫であるナナのモノローグを高畑充希が担当していて
なかなか味があっていい!!
でも、猫が人間の気持ちを忖度したり
人間の社会生活における知識をもってたりするのは
なんか違う気がするんだよなー。

「猫は自分の気持ちを全部わかってくれる!」という
エゴイスティックな思考の飼い主なら共感できるのかもしれん。


そして、事情により飼い続けることができなくなってしまった
ナナの飼い主を探す旅。

ていうか、引き取ってくれそうな友達のところを回るだけで
実際は旅でもなんでもないんだよな…。
前半はずっと過去の回想シーンで糞みたいな恋愛話を延々見せられるし、
しかも「男はこんなセリフ言わねーよ」と文句をつけたくなるスイーツ脳全開の内容。

主人公の思考回路や行動理念がまるで理解できない。
自分で車の外に猫を出しておきながら
数秒間見失っただけで発狂して喚き散らす異常性。

お涙頂戴のためだけに不遇な設定を次から次へと上乗せさせてばかりだし
あまつさえ「病気で余命わずか」とか
これ典型的な糞ケータイ小説ってやつじゃないのか?


猫が見たくて来たのにほとんど猫ほったらかしで
ゴミみたいな恋愛話や家族のゴタゴタを見せられてイライラMAX。
猫との思い出をろくに描写しないくせに
別れるときだけ大仰な音楽で泣かせにくる安直さ。

旅でもないし猫でもないしリポートでもない。
子供騙しにすらなってない、バカしか騙せないクソ映画。
なんで有川浩ほどの実績がある作家が原作・脚本を担当していながら
こんな駄作が出来るんだ?


いわゆるF1層狙いなんだろうけれど
それなら最初からそういう売り方をして欲しい。

後ろの席が孫を連れて観に来た老夫婦だったのだが
ガキが俺の席をガンガン蹴りながら「つまらないから帰りたい!!」と騒ぎまくってて
結局途中退席してたし
肝心のターゲットである若い女子は上映後に「途中で寝ようかと思った」なんて話してたし、
観た人が誰も幸せになれない。

自分はどんな作品であれ映画を鑑賞した以上、その対価は払うべきだと思っているが
数年ぶりに「金返せ!!」と言いたくなる映画だった。



福士蒼汰ってフォーゼであれだけの実力を身に着けたにも関わらず
映画やドラマにまるっきり恵まれてないよね…。
どんどん使い減りだけさせられて人気がなくなったら捨てられるのかな…。

TVでの宣伝にえらく力を入れていて
「猫好きな人もそうでない人も~」なんて謳ってるが
少なくとも猫好きな人は観るのをやめておけ、と忠告しておきます。

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感想:いつも月夜に米の飯

2018-09-30 11:21:54 | 映画


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観てきました!!

観てきましたって言っても、この映画の感想を書くべきかどうか
結構迷ったんだよな…。
ミニシアターの単館上映だから、今後全国のどこで観れるのかもわからないし
一般の人が観れない作品の感想を書く意味があるのかという葛藤。

まあ映像作品という形に残るものに触れたのだから
そこは割り切って誰かが感想を書かないといかんよな。



母親の失踪を知らされた千代里は通っている東京の高校を休み
実家である新潟の居酒屋に戻る。
そこには店の雇われ料理人であるアサダがいた。
店主の母が不在ながら、アサダと二人三脚で居酒屋を切り盛りしていく。

人生経験皆無の千代里と人生経験豊富に見えて
実はそうでもないアサダが、酸いも甘いも辛いも苦いも織り交ぜて
数々の居酒屋料理とともに時をめぐらせるヒューマンドラマ。



なんにせよ、主演の山田愛奈が超可愛い。

モデル出身だから可愛いのは当たり前として、
喜怒哀楽の表情をきっちり演技として出せているのが実に魅力的。

居酒屋をめぐる人々との関わりで少しずつ人生を悟っていく変化を
色々な場面で対比しているのだけれど
その微妙な変化を抜群の説得力で演じ切る。

そして素の演技がツンデレのツン成分高めのなので
自由奔放な母親を嫌う女子高生役としてピッタリすぎる。
女優としてメチャクチャ有望株だな!!


シナリオもいくつかのパートごとにテーマとなる料理が提示されて
新潟の米の旨さを今一度ありがたく再確認できて嬉しい。
内容に関しては極力触れないでおくけれど
安心のオサレ料理映画かと思っていると、結構な不意打ちがくる。

しかし、監督・脚本の加藤綾佳って
若いのに山田洋次みたいな映画を作るんだなw
抑圧された感情を一気に爆発させて
悲哀のこもったドタバタで盛り上げるのは、いかにも昔ながらの日本映画。

隣のおっさんが号泣してたので
俺はこの映画で泣くにはまだまだ人生経験が足りないのかもしれぬ。
なんにせよ、観客の胸を打つ作品を作れる人は素晴らしいな。


実はこの映画の舞台になったのがめっちゃ地元なので
毎日が聖地巡礼みたいなわけで。
居酒屋の常連を演じる役者たちも「飲み屋の常連の馴れ馴れしさ」を
絶妙に演じ切っていて素晴らしい。
でも地元民としては方言のアクセントがちと微妙w

舞台となった居酒屋も作中と同じ店名で営業しているようなので
暇ができたら飲みに行ってくる。


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感想:カメラを止めるな!

2018-09-19 07:21:00 | 映画



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遅ればせながら観てきました!!


もはや旬を逃しまくってる以上、ある程度のネタバレありで書くけど



「生放送のゾンビドラマという無茶な企画」が設定として面白すぎる。
純粋なゾンビ物という先入観を逆手に取ってわざと違和感を作り
それをそのまま伏線として後半の舞台裏で明かす構成。


最初の30分以上のワンカットが本当にすごい。
舞台であれば何時間もぶっ通しということもあるけれど
映画だとカメラワークまで計算しての動きだから
ちょっとしくじっただけでやり直しだもんな。

役者の演技もみんな素晴らしいし、主演である監督役のおっさんが好きすぎるw
一人ひとりのキャラ設定もシンプルで覚えやすいので
前半の内容と後半の内容それぞれを比較するという作品の構成にマッチしてる。


「低予算での映像作品」「実験的・挑戦的なネタ」というのが
作中のネタとしても実際の映画作品としてもリンクしてるのが面白いし
エンドロールでさらなる仕掛けも見せてくれるので
スクリーンが閉まるまで席を立つ客はいなかった!!



なんというか、あらゆる面で出来が良すぎる。

こういう半ばインディーの作品は大抵がどこかこじらせた内容だけど
ひたすらポジティブの方向に振り切った娯楽作品。
それでいてサブカル的なパロディやお遊びもたくさん入っているから
映画マニアゾンビマニアもたぶん優越感バリバリで鑑賞できたはずw



映画ならではの爽快感。
観る前のハードルが上がりまくっていたにもかかわらず大満足。

これは2回3回と観たくなる。
最初の映像の時点でリピーターが笑いまくってたのが結構なネタバレだったので
リピーター専用のシアターを用意できないもんかねw


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感想:万引き家族

2018-06-10 11:28:25 | 映画


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観てきました!!

ご存知パルムドール受賞作。


日々の労働によるわずかな収入と祖母のわずかな年金では
生活をまかないきれずに万引きと窃盗を繰り返す家族。
ある日、虐待で家から締め出されている女の子を連れ帰り一緒に暮らし始める。



万引きだけではなく、
クリーニングのパートでポケットの中身を横領、
パチンコ屋で他の客の出玉を盗んで遊ぶ、
自分の元旦那の家族への強請り。

やはり悪いことを見せられるのは気分が良くないが
大掛かりな犯罪のロマンではなく
こすい犯罪をリアルに見せられるとたまらなく苦しい。
ましてや子供を使っての万引きというクズっぷりには
誰もが反感を覚えるところ。

貧しさに起因するあらゆるネガティブな要素が
これでもかと押し寄せてきて本当につらい。
共感できないししたくもない。


しかし、その中でも絆を深めていく家族が妙に幸せそうに見える。
展開が進むにつれて、連れ去った女の子だけではなく
全員に血の繋がりがないことが明らかになっていき
それでも本当の家族そのものの距離感に不思議な羨ましさを覚える。



できるだけ社会と交わらずに生きていく家族ながら、
人間が社会の中で生きていくために必要な善悪の判断は
人格が形成されていない子供ほど純粋に働く。

そこから生じたひずみで展開が大きく動き
終盤、永遠に思えた家族たちの絆が
正義・常識・権力に押し潰されていく流れは圧巻。



口下手な日本人が言葉が足りずに誤解されたままになり
観る側にまでモヤモヤを残して終わらせるという
「いかにも邦画!」って感じの映画だった。


テーマや構成の繊細さ、俳優たちの演技が本当に見事で、
まさに賞をもらってもおかしくはない内容だったし、
気力さえあればもう一度じっくり観てみたい気持ちもあるが
「面白かった!」「観てよかった!」となる映画ではないので
事前にそれなりの覚悟が必要だなー。

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感想:モリのいる場所

2018-05-20 12:38:35 | 映画



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観てきました!!



山崎努。
芸歴が凄すぎるため、代表作は人によって異なるはず。
強いて挙げれば『八つ墓村』の猟奇殺人犯のインパクトが絶大。

個人的には『刑務所の中』で、逮捕された漫画家・花輪和一を演じた際の
その演技力が非常に好印象。
ややコミュ障で幼稚な部分を持つオッサン、でも天才! という漫画家の
挙動不審っぽさをしっかり理解して演技の形にできる原作へのリスペクト。

ちなみに同じ房の他のキャストが
「香川照之・田口トモロヲ・松重豊・村松利史」の4人。凄すぎる。
他にも遠藤憲一や大杉漣(追悼!)といった、今を時めくおっさん俳優が多数出演。
こういう語りができるからサブカル好きはやめられない。


いきなり脱線したけれど、そんな日本映画界の至宝である山崎が
老境の画家・熊谷守一を静かに熱く演じる。



展覧会で飾られていた「餅」の絵を
昭和天皇が「これは何歳の子供が描いた絵ですか」と聞くシーンから始まる。

おそらく実話を元にした話なのだろうけれど、
守一の絵画が持つ純粋性、そしてそれを見抜くことができた昭和天皇もまた
凄い人物だったというエピソード。



両杖をついてようやく歩ける94歳時点の守一と
それを支えるのが樹木希林演じる妻の秀子。


30年以上も外へ出ることもなく、
庭で草や虫や魚や石に語り掛けながら暮らす。

天狗か仙人かと言われながら、そのピュアでクリアな性格と生きざまに
周りの人々からはモリと呼ばれて愛され、画家を目指す者からは尊敬される。


場面ごとにカマキリや尺取虫といった、庭に生きる虫の映像が挿入されるが
そこに心理描写や暗喩はなく、ただひたすらにモリの庭の聖性を表現している。

染み入るようなBGMもいい。
庭でずっと動かずにいるモリの「無音を聴かせる」演出もさることながら、
それを引き立てるための音楽もまた、静を美しく浮き立たせる。

頭を下げて通い込み、モリの取材を続けるカメラマン藤田の存在もナイスアイデア。
レンズを通して見ることで、現実社会の中に生きる浮世離れした芸術家に
リアリティを持たせる意図。



ひっきりなしにくる仕事の依頼をマイペースにこなし、
もはや金も名声も必要なく、好きな生き方を究めた人生。

庭こそがモリのすべて。
隣に建設予定のマンションが建つと庭に陽が差さなくなってしまう。
しかし、それすらもあるがままに受け入れる達観した物の見方に
スクリーンを通して観る側すら尊敬の念を抱かずにいられない。



ところどころコミカルな脚色こそあるものの
映画としての大きな展開もなく、モリの人生を示唆するような仕掛けもない。
だからこそ、観客はモリの生き方に魅了され、秀子の強さに心打たれ
自分に到達できない領域に羨望を抱く。


「もう一度人生を繰り返せるとしたらどうする」という
モリの問いに対する秀子の答え。

自分には非常に哀しいセリフに思えたのだけれど
劇場ではあちこちで笑いが漏れていた。
観客の年齢層が相当高かったので、やはり人生観が違うのだな。
純粋な共感なのか、客観的に秀子の考えに笑いを誘われたのか。

自分ももっと歳を重ねれば笑えるようになるのだろうか。
人生においてひとつ考える課題が増えた。これは大きな収穫。
やはり他の観客の反応も含めてこそ映画。映画は映画館で観るべきだね。



モリのような超俗の生き方には誰しもが憧れるだろうけれど
単純にそれを実現するだけの先立つものがないから
人はみな日々忙しく生きるわけで。
実際の熊谷守一も若いころは相当な苦労をした人らしいのだが
この映画ではあえてそういった部分を出さないように
ある日ある日の熊谷守一を切り抜いた、ただ深く静かな映画。



うむ。とても良かった。
普段が忙しいので、こういう映画もたまに観て「静」の成分を補給しないといかん。

実は今まで樹木希林があまり好きではなかったのだが
この作品を観て考えが変わった。
相応の人生経験がないとあの演技はできない。
世界的に評価される女優になったのもうなずけますわ。


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感想:オリエント急行殺人事件

2017-12-12 01:13:52 | 映画


観てきました!!


アニメ『氷菓』で「クリスティの有名な作品を順に4つ」と言われ
『そして誰もいなくなった』『オリエント急行殺人事件』
『アクロイド殺し』『ABC殺人事件』が挙がって
自分が思いついたものとドンピシャだったのが嬉しかった。

しかしながら、「読んだことがなくてもみんな犯人を知っている」作品だと
『オリエント急行』が断トツになるはず。

犯人こそが最重要となるはずの推理小説で誰もがオチを知っているとなると
それはもう古典を超えて、落語やミュージカルのような伝統芸能のレベル。



それだけの名作を再現するには半端な演技の役者では太刀打ちできない!!
キャッチコピーの「全員名優」が表すとおり、
洋画をあまり観ない自分でも知っている俳優ばかり。

世界的な映画俳優の演技力はものすごい。
演出の力ももちろんあるのだけれど、
老人は老人として、デブはデブとして、
自分の見せ方を恐ろしいほど理解してる。

ずんぐりむっくりのイメージが強いポワロを
きっちり足の長いダンディに生まれ変わらせ、
アクションシーンまでこなすケネス・ブラナー。
めっちゃカッコよかった!!



脚本もひとつひとつに無駄がなくて美しい。
行間をうまく読ませるような会話劇。
こういうのは自分が頭が良くなった気分になれるから好きだw

翻訳もなかなか読みやすく配慮され
ポワロファンにはおなじみの時折混ざるフランス語には
字幕に<>のカッコがついてる。
ポワロを知らない人は何のことかわからなかったかもしれんw




ここからちょっとラストネタバレ。



犯人に関しては最初に書いたとおりだけれど、
ラストのポワロの選択も原作どおり。

序盤でポワロの善悪に対する信念を印象付けるセリフがいくつも出てきて
「もしかしてオチまで変えるつもりか?」と思ったが
決してそんなことはなかった。

このラストこそが名作が名作たるゆえん。
変えちゃいけないところは良くわかってる!!
むしろポワロの信念を強めることで全体にメリハリをつける効果があった。
原作ともちょっと違ったカタルシス。
ポワロが無人駅で下車するのが心情とマッチさせる演出として見事。


いやー、実に良い映画を観た。
なにやら続編の制作も決まってるようなので今から楽しみ。



ちょっと蛇足だが。

ちょうど1年ほど前にイギリスBBC製作のドラマ版『そして誰もいなくなった』を
BSでやっているのを観て非常に楽しめたのだけれど
しばらくあとにキャスト全員日本人による同原作ドラマをやっていて
その出来に頭を抱えてしまった。

海外ドラマのファンが日本ドラマをくさしてるのを見て
なんとも大人気ないと思っていたが、
露骨に比較対象があるとその気持ちが少しわかってしまうな…。

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感想:アウトレイジ 最終章

2017-11-03 10:53:45 | 映画


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邦画が好きと言っておきながら
北野映画を全然観たことがなかったんだよな。
だってヤクザ映画って怖いじゃん…。


しかし昨年、ふとしたきっかけで
『ソナチネ』を観て衝撃を受けた。

同じ日本でありながら別天地である沖縄は
作品の舞台としてはちょっとズルい気もするが
そのズルさすら逆手にとった脚本と演出。
静と動の中に生まれる狂気が芸術のレベルに達していた。



まあそんなわけで公開中のこの映画を観たわけだが
期待していた芸術性などどこ吹く風の純然たる極道エンタメ。
もっとヤクザっぽい演技のできる俳優ならいくらでもいるのに
あえてテレビに出まくってるおっさん俳優を集めたことでも
娯楽性の高さを狙ったことがうかがえる。

そして御存じの通りたけしの滑舌の悪さと演技のヘボさ。
にもかかわらず、そのとてつもない存在感に脳が揺れる。
仁義にもとづいてぶっ殺しまくる古臭い極道の大友を
不気味に演じ切るオーラは唯一無二。
昔の明るいイメージで人気のあったたけしならともかく、
今のたけしはCMでふざけた役をやっていても怖いもんな…。


敵対勢力である花菱会の面々も全員キャラが立ってて面白い。

実権を直接預かって会長となったインテリヤクザの野村こと大杉連。
幹部会に一人ポロシャツで出席する空気の読めなさが
自然と観客にも違和感を抱かせ、レールに乗せられているかのごとく
期待された末路へ向かう爽快感。

カシラの西野が西田敏行。
自分が最近観た映画では今にも死にそうな役ばかりやっていたが
作中での啖呵や恫喝が全俳優の中で最高の迫力だった。
性格俳優としてヤバすぎでしょこの人。
ストーリーにおける配役のポジションもいい。演技での説得力が抜群すぎる!

下っ端幹部の花田がピエール瀧。
ここ数年で俳優としてものすごく格を上げて驚いた。
『64』の原作では主人公の刑事がひたすらブサイクであることが強調されてたので
映画版の佐藤浩市よりTVドラマ版のピエール瀧がまさに最適解。
ブサイクというよりも、その「ゴツい面構え」がバッチリイメージに合ってた。
そんな気弱なヤクザ顔のピエールが、自ら火種を撒いた抗争のなかで
ヤクザの縦社会を成り上がっていく様がこれまたたまらなく面白い。



うむー。

『仁義なき戦い』なんかも確かに面白いんだが
たけし特有のエスプリというか、コメディアンとしての間の取り方や
人間の滑稽さを絶妙に織り込んだエンターテイメント。
実に楽しかった。非常に満足。

時間があれば過去作も観たいな…。
配信で買えるサイトってあるのかな。

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感想:ナミヤ雑貨店の奇蹟

2017-10-11 00:29:31 | 映画



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僕ももういい歳の大人なので
ゲームやアニメの感想ばかりではなく
今後はしんみりする映画の感想も書いていきます。

実際のところ今までも観てたんだけどな。
ファッションオタクってのは大変なんだよ!!
「ファッションじゃねーだろ」って言った子はアナルフリスクの刑。




強盗をして逃げた若者3人が転がり込んだ古い家。
そこはかつて、町の人々の悩みを手紙で受けて
回答を掲示していた雑貨店だった。

そこへシャッター越しに32年前から手紙が届く。
店主が店を閉めたあとも悩み相談に訪れる人々の手紙。
若者たちはその場のノリで相談に返事を書き始める。



そういや俺、東野圭吾って短編しか読んだことねえや。
でもネームバリューがすごいからきっと面白い映画なのだろう。




32年前の店主役、西田敏行の演技が相変わらずすごい。
病気の人間の話し方、歩き方。実にリアル。
人間観察の能力が別格なんだろうな。
こういう演技を見れるから邦画が好き。
本人も相当体調が良くないと聞くが、今後も頑張って欲しい。


強盗たちのリーダーが山田涼介。
最近よく名前を聞くが、アイドルタレントはさすがにわからん。
ちなみにこの前、探偵ナイトスクープに出てた。
出てたのを見た直後に寝落ちしてしまったがこの映画の宣伝だったのかな…。




で、ストーリーなんだが。

ひとつひとつの相談に応え、それによって
その相手の人生がどう変わっていくか、という
なかばオムニバスのような構成。


しかし、最初のエピソードからなんだかなぁー。
ミュージシャンを目指す若造が夢を追うべきかどうかの相談。
数回の手紙のやりとりを通じて現実の厳しさを訥々と説いていたはずなのに
実際の演奏を聴いて(どうやらシャッターを通じて32年前の音楽も聴けるらしい)
有名ミュージシャンの曲だとわかるやいなや、
手のひらクルーで「自分の信じた道を歩め」と態度を変える。

未来を知っている人間が予言じみた後出しジャンケンで
その後の人生を決めさせるとか、ダメでしょこれ。


その次の相談でお金が欲しい人間にバブル期の財テクを指示するのを見てもうダメ。
ふざけんな。駄作認定。

東野圭吾ってこんな話を作る作家だったのか…?
なんか一気に印象悪くなったわ。




歳をとってからえらく涙腺がもろくなって
映画館でも人目をはばからずにボロ泣きするおっさんになってしまったが。

「おら、泣け!」といった感じでパスを寄こされると
逆にイラっとさせられるよね…。
特に安易な人死にはタブー。この映画だけで何人死んだっけな…。



ひとつひとつのエピソードが最後に一気につながるのだけれど
なんだか全体的にとっちらかったお粗末な構成だった。

ミステリの名手がこんなミスをするわけがないので
たぶん原作をはきちんとしていて
脚本として再編するときに色々アレになったんだろうな。




個人的に邦画を観るときには
「TVの2時間ドラマスぺシャルに劣ってはいけない」というラインを決めていて
監督のエゴでもいいからテレビでできない演出を入れて欲しいんだが
この作品にはまったくそれがないし、クオリティもTVドラマレベル。

西田敏行以外観る価値なし。
さんざん「泣ける」という宣伝を打って、自らハードルを上げておいてこの落差。
まさに残念賞ですわ。




初回から辛辣な感想になってしまったが
次こそは邦画の面白さをしっかり伝えられるといいな!!


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感想:HK 変態仮面 アブノーマルクライシス

2016-05-29 20:25:54 | 映画


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前作の感想はこちら


観てきました!
3年ぶりの続編かよ!! 超待ったよ!!


「俺物語」で巨漢化した鈴木亮平が
またもや体型を絞ってきてビビる。
体張り過ぎ!! 無理すると死ぬぞ!!

ヒロインも引き続き清水富美加。可愛い。
前作からの期間に女優として超ランクアップしているにも関わらず
相変わらず仕事を選ばない体当たりっぷり!!
「漫画的な喜怒哀楽を顔で表現できる女優」と監督が評するように
演技力そのものよりも役者としてのキャラの強さが最大の魅力だな!


内容は今回もバカバカしさとしょーもなさとパワフルさの三つどもえ。
おいなり固めで敵をバッタバッタとなぎ倒すのがすげえ快感。
これだけを2時間観ててもいいくらい。

敵ボスの大金玉男(おおがね たまお)が繰り広げる
くだらないミニコントまで前作から健在なのはどうかと思うがw
「あったものを失くす」のは寂しいからきっとこれでOKなんだろうな。

敵怪人のデザインが妙に本格的だと思ったら
デザイナーが赤井孝美。
この力の入れ方が間違ってる感じもたまらん!


ジャンプ的な友情・努力・勝利がテーマではあるものの
内容カラッポなぶん頭もカラッポにして観れる娯楽作品。

2時間観たはずなのに内容をほとんど覚えてないので
こんな感想になってしまったw


これはもう変態仮面というブランドだけで
十分やっていけるポテンシャルがあるってことだよな。

特に展開を変える必要もないので
是非続けてシリーズ化して欲しい。
たとえ他の全員がそっぽを向いても俺は観る!

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感想:仮面ライダー1号

2016-04-22 00:24:51 | 映画


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観てきました!!


藤岡弘、の藤岡弘、による藤岡弘、のための劇場版。
開始30秒で藤岡弘、無双。

今でこそ特撮ヒーローは人気俳優の登竜門になっているけれど
昭和ヒーローは番組が終了してしまうと、
その後は不遇になるのがほとんどだと言われた。

そんな中、本郷猛としての存在感を今の今まで維持してきた努力を思うと
気が遠くなるレベルの役者魂!!
仮面ライダーとしての誇りを感じた!!



今の藤岡弘、の体型に合わせた
濃緑でゴツゴツの変身スーツは衝撃的。

そしてアクションがすげえ!!
70歳とは思えない技のキレ。
打撃のたび歩くたびに入る重厚な効果音が大袈裟で面白すぎる。



内容自体は仮面ライダーゴーストとのコラボで
むしろ脚本的にはゴーストの比重のほうが大きいので
全体のノリはほぼ平成ライダー。

しかし、ところどころ昭和ライダーを再現しようとした
舞台美術やカメラワークが懐かしくも素晴らしい。
再放送が楽しみな小学校の夏休みを思い出した!!



敵はショッカーを裏切り独立した"ノバ・ショッカー"。
もちろんショッカー側もナメられたままではおれず、
復活した地獄大使が軍団を率いて裏切り者を狙う展開。

そしておやっさんこと立花藤兵衛の孫、立花麻由がヒロイン。
70のジジイとJKのロマンスとかすげえなw

ライダー、ショッカー、ノバショッカーの三つ巴かと思いきや
クライマックスで地獄大使との共闘。胸熱すぎる。
「別の正義」を主張する現代風の悪役も確かに面白いのだけれど、
純粋に「世界征服を企む悪」のカッコ良さはやはり普遍のもの。

大杉漣が演じる地獄大使は違和感がなくて驚いた。
調べたらディケイドの劇場版でも地獄大使役をやってたんだな。
実は同じ日に『蜜のあわれ』という映画も観てきて
そちらでは同じく大杉漣が主人公の老いた作家を演じていた。
ベテラン性格俳優マジで凄ぇなw


スタッフロールを見たら脚本が井上敏樹。
初代仮面ライダーの脚本家・伊上勝と親子二代に渡る起用は
当然といえるほど当然で思わず泣きそうに。

ライダー1号が活躍するシーンは常時ワクワクしっぱなしで
45周年記念作品として満足の出来!!
是非50周年で続編をやってくれ!!
75歳の本郷猛が見たい!!





余ってるのか、カードパックを3つもらえたw

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