感想:マツリカ・マトリョシカ

2017-12-08 00:51:06 | ミステリ


相沢沙呼 2017年作品


自分でミステリのカテゴリを作ったことをすっかり忘れていた。
感想書くのめんどくせーけど自分の備忘も兼ねて再開します、



"廃墟の魔女"と呼ばれるドS美女・マツリカにそそのかされ
学校の怪談を追いかける柴山祐希。
夜の学校に忍び込んで調査した翌日、
『開かずの間』でトルソーに女生徒の制服が着せられ打ち捨てられていた。
誰が、何のために。しかも密室であったはずの教室で。
「密室殺トルソー事件」として、学校内でも噂が大きくなっていく。



時代はやっぱり青春ミステリだよね!!

いきなりシリーズの3作目から読んでしまったが
いいんです、文春のミステリーレビューを信用してるから。


次々増えていく仲間たちと密室をめぐる議論を展開。
今日における密室モノは作中での古典講義が必須なのかなw
そりゃあ有名な作品とトリックが被ったらマズイしね。
密室モノに挑戦する作者は大変だ。


そして青春ミステリが青春たる所以のウジウジした主人公。
個人的にはイライラさせられたが、
思春期の悩みに共感できる若者には受けがいいかも。

色んな女子と次々知り合えるギャルゲーのようなノリ。
ちょっとラッキースケベっぽいのもあったりして
イマジネーショナルリビドーにビシビシくる!

しかし、「目のやり場」だったり「感触に対する隠れた喜悦」だったり
男子高校生の情欲を甘く見てるだろ!!
「ブラチラをガン見しながらポケットに手を突っ込んで射精」くらいしろよ!!
…まああんまりリアルにされてもドン引きだけど。
つーか調べたら作者は男なんだな。「あえてお手柔らかに」ってことか。


自分に疑いがかかる展開や関係者を集めての謎解き、
はては密室のトリックまで、推理小説としては非常にクラシカル。

読者が〇〇じゃないとトリックがわかりづらいのはアレだけど
読後のさわやかさはとっても大切。
ウジウジ系主人公の成長譚としても楽しめるので、
これは是非、若人にも手に取ってほしい一冊。
きっと山場の「あの一行」にグッとくるはず。

時代はやっぱり青春ミステリだよね!!


文章   ★★★
プロット ★★★★
トリック ★★☆

コメント
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