感想:記憶にございません!

2019-10-26 13:09:09 | 映画


公式サイト


【あらすじ】
支持率2.6%という史上最低の総理大臣。
演説の際に投げられた石が頭に当たって記憶を失ってしまうが
「記憶を失った総理にしかできない改革」で政治を変えていく。


遅ればせながら観てきました。

三谷幸喜は自分が尊敬するクリエイターの一人で
舞台の技法を使いつつ、映画やテレビドラマでハイブリッド的な面白さを醸し出し
しかもそれで大ヒットを飛ばせる、という他に類を見ない天才。


「古畑任三郎」のあとにやった「総理と呼ばないで」というテレビドラマで
支持率最低の総理役が古畑と同じ田村正和。
結構面白かった記憶があるが、古畑と同じノリを期待されてたせいで
評判はまるで芳しくなかった模様。
ネットの普及した今なら正当な評価が出せそうな気もするけどな。

そのときのリベンジの意味もあるのか、
総理官邸を舞台にしたコメディ映画と聞いて非常に興味を持った!!

「総理と呼ばないで」の焼き直しみたいなネタもかなり入ってて
「何十年も前だからみんな忘れてるだろう」というつもりなのかもしれんが
そんなに甘くねえぞw


役者を先に決めてから脚本を考える三谷にしては
総理役が中井貴一なのはちょっとミスキャストかと思ったんだが
悪人面と言われれば確かにそうだし、田中角栄にどことなく似てる気はするw
記憶を失った人間の動きをギャグとして表現できる演技力も面白い。


脇を固める俳優陣ももちろん演技派ぞろいなのだけれど、
三谷幸喜の脚本のなにがすごいかといえば、
役者の個性を引き出す「おいしい」ネタを提供してしまってるところ。

小池栄子の謎ダンスに吉田羊のド淫乱っぷりに
木村佳乃の無理のありすぎるアメリカ大統領。
誰が演じても面白いに決まってるのに、この配役以外考えられなくなるセンス。
三谷映画に出演することが役者にとってひとつのステータスになってるが
一気に地位を押し上げてくれるからなんだよな。マジすげえ。


悪いやつこそ何人もいるものの、観ていて不快な思いをすることはなく
懲らしめ方や改心の仕方もギャグに徹していて
政治を知らなくても気持ちよく笑って帰れるコメディ映画。
もう1回観たくなる仕掛けもあってロングラン上映も納得。

それにしても、2週間かけて映画の感想を書いたが
1日に4本観るのはさすがに疲れるな…。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする