阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や平和構築活動、趣味や日常生活についてメッセージを発信します。

日本は紛争の平和的解決を目指す国家グループの創設をリードすべきー平和版NATOを目指して

2022年06月11日 23時19分24秒 | 政治
ロシアのウクライナ侵攻によって日本を取り巻く状況は大きく変化しました。だからこそ、今、周辺国の軍事的脅威の抑止のために、自由、民主主義、人権、法の支配という価値を掲げる陣営に属しながら、日本だからこそ可能な、日本にしかできない平和貢献の在り方を徹底追求すべきです。それを日本の安全保障、しいては国際社会の紛争予防にもつなげていく決意と戦略のもとに、一歩踏み込んで具体的な行動に移していく時期に来ていると思います。

敵基地攻撃能力や、核共有、防衛費の倍増など、自民党周辺からは勇ましい政策が聞こえてきますが、そもそも自衛隊は日本有事で米軍が出動する際にはその指揮下に入ることが密約で決められています(1952年7月23日、吉田首相とクラーク大将が合意した機密文書が米国公文書館で公開されています)

 『日本国民に与える政治的衝撃を考えると当面は秘密にしておくべき』とまで書かれていますが、当面どころか70年経っても密約のままです。(4月20日に米国の空軍の方々を対象に講演で話したところ、彼らも全く知らなかったと衝撃を受けていました。)現状では、多額の国費を投入し、軍備を増強したとしても実際に使用するかどうかを決めるのは米国です。まずは米国と交渉し、主権を回復すべく主従関係を正常化することに勇敢さを発揮しなくては、国民の税金は無駄遣いになります。

実際に米国はウクライナに対し高軌道ロケット砲システム(HIMARS)を提供することを決めましたが、本来は射程距離が480キロのところ、提供するロケットはロシア本土までは届かない射程距離が70キロ前後のものと決定しました。ウクライナも米国も、敵基地攻撃能力を行使しないことが国際世論を味方につける上でも、米露の全面戦争を招く事態を回避する上でも必要なことと考え、自制的な対応をしているのです。

さらに日本には、敵基地攻撃を行って民間人を殺傷した場合に、自衛隊の業務上過失として裁く法律も不在です。敵の中枢を攻撃対象とすべきとの安倍元首相の主張は戦争のリアリティーを知らず、同時に日本の現状を国民に隠したものであり、極めて無知で悪質なものだと思います。

今、フィンランド、スウェーデンなどはロシアの軍事的な脅威を感じNATO入りを求めていますが、これまで築いてきた平和国家としての役割、信頼とどのようにバランスしていくのか、置かれた状況は日本とも共通します。

今後の日本の役割として、力による現状変更の野心を持った国家に付け入る隙を与えないよう、法整備を含めた防衛体制の強化を図りながら、平和に貢献する国家として攻められにくい環境を作っていくことは安全保障の戦略になります。平和国家だからこそ果たしうる、平和構築や民主化支援、また紛争仲介の役割をより積極的に担っていくべきです。日本がリーダーシップを発揮してフィンランド、スウェーデンをはじめ価値、そして危機感を共有できる国家と連携し、紛争の平和的解決を目指す国家による協力の枠組みを構築すべきだと思います。

今年4月25日に放送されたNHKニュースでは2021年度のアメリカの軍事費は8010億ドル(今日のレート1ドル134円で計算すると107兆3340億円)中国は推計2930億ドル(39兆2,620億円)と報道されていました。日本は、5兆3422億円です。中国との軍拡競争に突入することが本当に日本の未来を守る最善の方法なのか、大いに疑問です。



『敵基地攻撃能力』を行使しないウクライナの戦略

2022年05月19日 16時07分58秒 | 政治
 ナチスの拡大に大きく貢献したヘルマン・ゲーリングはこんな言葉を遺しています。

「国民は指導者たちの意のままになる。それは簡単なことで、自分たちが外国から攻撃されつつあると説明するだけでいい。平和主義者に対しては愛国心がなく、国家を危険にさらす人々だと批判すればいいだけのことだ。この方法はどこの国でも同じように通用する」

 敵基地攻撃能力や核共有、また防衛費の増大の必要性を過度に主張し、国民を恐怖で支配しようとするかのような政治家の言葉に、ヘルマン・ゲーリングの恐ろしい言葉を思い出すとともに、『自分の頭で考える』平和教育の必要性を痛感します。

 ウクライナはロシア国境近くのロシア軍の基地や都市に十分届く、Grom2などの戦術弾道ミサイルを持っていながら、ミサイルによる攻撃をしていません。また、米国などのNATO諸国も、約700キロ離れたモスクワの中枢に届くミサイルを供与していません。

 これは、ロシアとの過酷な戦争の中にありながら、専守防衛に徹し、ロシア国内への攻撃を厳しく自制しているからだと思います。そして、これこそが国際社会において多くの国がウクライナを支持している理由のひとつです。ウクライナは専守防衛に徹することを大きな戦略にしているのです。

 岸田文雄首相は衆院予算委員会(1月26日)で「ミサイル迎撃能力の向上だけでなく、敵基地攻撃能力を含めあらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討していきたい」と強調しています。また、安倍晋三元総理は敵の中枢を攻撃することも含むべきだと主張しています。

 そもそもどの目標を攻撃するのか? 潜水艦や、地中、あるいは宇宙からの攻撃もあり得る中で、どのようにして相手の攻撃の意図を証明するのか、そのための十分な情報収集力、分析力はあるのか?民間人に当たって死傷させた場合、あるいは当たったと宣伝された場合はどうするのか?相手の中枢とはどこなのか?(中南海なのか、クレムリンなのか?)当然、首相官邸や国会、さらに原発も先制攻撃した場合に反撃を受けるターゲットになり得ます。先日、山口壮原子力担当大臣は、ミサイル攻撃に耐えられる原発は世界中にひとつもないと言っていましたが、備えはどうなっているのか?

 また、先制攻撃によって、ミサイルの撃ち合いになる、あるいは一方的に撃ち込まれる中で国民が徹底抗戦する備えができているのか?これがウクライナ戦争に見る現実です。その現実を受け入れる覚悟を国民に説明することなく抑止力を語る資格はないと、私は思います。

 戦争のリアリティーを知らない、知ろうともしない政治家の妄想によって国民の命が危険に晒されようとしていることに大きな危機感を覚えます。

 敵基地への攻撃、ましてや中枢への攻撃は、先制攻撃に限りなく近づく危険な政策であり、地域の軍事的緊張を高め、日本が攻撃される可能性をむしろ高めるものだと思います。ウクライナ情勢に乗じた前のめりの議論をする一方で、ウクライナの現実を見ていないことは大きな問題です。






ひとつしかない命を危険に晒すことになっても-究極の現場を目指した覚悟

2022年05月16日 21時37分59秒 | 政治

第3回イベント『中田厚仁さんとUNTAC当時のカンボジア』の映像です。

中田厚仁さんが、ひとつしかない命を危険に晒すことを覚悟しながらカンボジアの平和、そして自由・公正な選挙の実現に向けてひた走った当時の状況、そしてルームメートだった『あっちゃん』の人となりを語っています。そして、私自身がその後様々な紛争地域での選挙支援などを通して、また衆議院議員として取り組んだ民主化支援の成果と課題についてもお話ししています。クリックして是非ご覧ください!

第3回イベント 中田厚仁さんとUNTAC当時のカンボジア

『中田厚仁さんと国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)当時のカンボジア

こちらは私の話をもとに学生インターンがまとめてくれたUNTAC時代のエピソードと、そして中田厚仁学校で私たちのカウンターパートとして活躍してくれているソフィア先生と子どもたちについてです。

『中田厚仁さんの国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)当時のエピソード

中田厚仁学校で生徒に愛されるソフィア先生












人間が殺しあう現場のリアリティーは国会にいてはわからないー国会議員と『現場』を考える

2022年05月13日 13時47分32秒 | 政治
小熊慎司衆議院議員が、GW中の視察でポーランドからウクライナに入ったことが批判の対象になっている。本人も認めているように手続き上の瑕疵もあったようで、この点は大いに反省すべきだ。しかし、国会議員が『現場』に行く姿勢そのものを一概に否定してしまうことは政治の劣化を生み出す要因になると私は思う。

2001年12月、首藤信彦衆議院議員の政策秘書だった私は『民主党ペシャワール事務所』の事務局長として現地に派遣されていた。民主党が街頭で集めた募金2,500万円をもっとも有効に使う方法は何か調査するのが私のミッション。ペシャワールを拠点に各地をまわり、アメリカによる対テロ戦争で犠牲になったアフガニスタン、そしてパキスタンの部族地域に住む人々、支援活動をする人々を訪ね、ヒアリングを続けた。

同時に、首藤信彦衆議院議員が提案した、街頭募金を通して支援する団体を決めるための会議の準備に奔走した。70を超える現地NGOから寄せられた提案書を読み、調査するのが私の役割だった。その上でこれはと思う団体に会場でプレゼンテーションをしてもらい、支援する団体を決定した。

現地ペシャワールでの会議には首藤議員のみならず鳩山代表も駆けつけ、政権交代を実現し、対テロ戦争で傷付いた人々、そして社会に寄り添い、サポートする決意を国際社会に向けて表明した。徹底して現地の弱い立場の人々に寄り添う外交、そして事実の探求は、政府同士の付き合いによって制約がある政権与党ではなく野党だからこそできることも沢山ある。その姿勢の象徴として紛争地域であるペシャワール、後にアフガニスタンのカブールに事務所を作る発想と本気は後に政権交代を生み出す力になったと思う。

ロシアの侵攻によって多くの人々が苦しむウクライナ。こんな時こそ政権交代を目指す野党第一党としての気概、そして戦略を行動で示し、人道支援、復興支援、平和構築につながる日本独自の平和貢献の在り方を現地で調査してはどうだろうか?

国会議員にとって『国会のルールに従う』責任は大きい。私自身も、衆議院議員時代は国会の制約によって何度も海外での視察や国際会議への出席を断念した。北朝鮮への制裁・渡航自粛によって国会からストップがかかり、現地入りを直前で断念した時は、代わりに中朝国境地域を中国側から調査した。ハンガリーでのGlobal Volunteer Conference2011ではメインスピーカーとしてスピーチすることが決まっていたにも関わらず、急遽本会議での採決が入り、わずか1分の起立採決のために出発の数時間前に断念し、オンラインでのスピーチに切り替えたこともある(写真)。国民の代表として国会で意見表明する国会議員の立場、責任はそれぐらい重いものだと思う。一方で、紛争地のリアリティー、人間が殺しあう現場のリアリティーは、国会にいてわかるはずがない。

私自身も、停戦が破られ、実質的に内戦状態に戻ったカンボジアで、同僚だった中田厚仁さんが殺され、自分自身が襲撃、銃撃、脅迫を受けて『人が殺しあう日常』に対する認識が変わった。ペシャワールでの活動を通し、軍事力によって支配し、占領統治するアメリカの戦略は必ず失敗すると確信し、20年後の撤退で現実となった。紛争地域のリアリティーを経験した人間として、日本の平和貢献の在り方について自分が国会で問題提起したいとの思いが生まれ、国会議員を志す直接的なきっかけにもなった。

私の記憶では、民間人が現場に入ることを政権が糾弾するようになったのは2004年、イラクでボランティア活動をしていた3名の人質事件がきっかけだ。与党議員の扇動で自己責任論が沸き起こり、すさまじいまでの人質バッシングが起きたが、その中心だったのが、当時、安倍晋三自民党幹事長だった。

自分は安全なところにいながら口だけ勇ましいことを言う議員がなんと多いことだろうか。そして現場に寄り添いたいと活動する民間人を有力政治家が糾弾するグロテスクな日本の現実。ましてや野党議員であるならどれぐらいバッシングを受けるかを考えると頭がくらくらするが、そんなことで怯むようでは国会議員は務まらないと思う。

確かに国会議員による単なる『視察』は邪魔になるだけだ。しかし、現地での明確な目的を持つこと、武装勢力に襲撃・監禁された時の対処方法、通信等の使い方、現地の人々のコミュニケーションの取り方などを学び、厳しい環境にも耐えられる体力を持っていることを前提として、国会議員を現地に送り出し、国会で紛争地の真実を報告させる。そして日本だからこそ可能な本当に求められる人道支援、そして平和貢献について議論する。国会による拘束のない元議員や秘書も連動して活動する。こんな発想、政治文化があってもいいはずだ。こんな時こそ野党第一党の矜持を見せてもらいたいと私は切に願っている。


アフガニスタンの難民キャンプでヒアリング


ペシャワールで鳩山由紀夫民主党代表(当時)と


ハンガリーでのGlobal Volunteer Conference2011でビデオスピーチを行う


豆満江から沿いに見える北朝鮮の人々の暮らし


同行した川崎栄子さんが、43年間の北朝鮮での生活の後に豆満江を渡り脱北した場所の近くで


中朝国境地域での調査をもとに外務委員会で岸田外務大臣(当時)に質問



アメリカ空軍の方々と在日米軍の特権について議論ーハイレベルな協力に必要な信頼構築はまず現状認識から

2022年04月21日 13時11分48秒 | 政治

 昨日はアメリカ空軍(US Air Force)の有志の方々を対象にzoomでの講義をしました。アメリカ本土とは時差があるので7時スタートで90分。講義に引き続き意見交換をしました。様々な課題にハイレベルな協力をしていくために必要な信頼構築は、まず現状を知ることが重要。米軍が持つ特権について、米国の公文書館で公開された情報によって日本政府のこれまでの説明や国会答弁に様々な矛盾が生じていることをもとに、日本有事の際の指揮権の所在や、日本の空の管制権、米軍人の犯罪についての裁判権の放棄、また、米軍が日本中どこにでも基地を作れる権利などについてお話ししました。また、日米地位協定に書かれたことの実際の運用は、ほぼ秘密の合意議事録に基づき、国会に報告義務のない日米合同委員会で決められていることなどをパワーポイントを使ってお話ししました。

 同じ敗戦国であるドイツやイタリア、また朝鮮戦争の当事者でもある韓国などは不公平な現状を変えようと交渉を続け、国内法の適用や、米軍の訓練における指揮権の奪還、また環境汚染への補償などを勝ち取っているのに対し、日本は秘密裏のうちに外務官僚が米軍の権利を拡大し、それが国会にも報告されないこと、特に自民党議員が沈黙を続けていることなども話しました。

 私自身が衝撃を受けた事実は米空軍の方々にとっても驚きの連続だったようですが、とても勉強になったこと、また、国家の信頼関係を構築する上では、不都合な事実にメスを入れ、国家の主権を奪っているもの、憲法から逸脱しているもの、時代に合わなくなったものは政治が主導して変えていかなくてはならないとは考えが一致したことでした。ここまで話してしまうと反感を持たれるのでは?とも思いましたが、貴重すぎる機会に直球で問題提起したことに真っ直ぐに応えてくれた正直な感性、そして正義感に希望を見た思いです。国家機密を扱っている方々ですので、zoom画面を撮ってもらった私の写真だけの公開になります。



#日米地位協定
#日米合同委員会

北朝鮮政府を被告とした裁判の敗訴と歴史的な内容-原告・川崎栄子さんに話を聞きました

2022年04月14日 21時35分10秒 | 政治
 
 北朝鮮政府に対し、虚偽の情報での帰還の呼びかけや人権侵害等について損害賠償を求めて裁判を起こしていた川崎栄子さんにお会いして話を聞きました。

 在日コリアンの川崎さんは1959年に始まった帰還事業で北朝鮮に渡り、43年後に脱北。2014年春、中朝国境地域を1週間一緒に歩いて頂き、ご自身が脱北した現場などを案内して頂いたことがあります。

 報道では敗訴と大きく報じられましたが、今回の判決の画期的なことは東京地裁が朝鮮民主主義人民共和国の金正恩総書記を被告として、虚偽の宣伝による『勧誘行為』を犯罪を認めたことです。時効により、損害賠償権は消滅したとのことで敗訴になりましたが、例えばドイツではナチスによる戦争犯罪に時効はありません。日本が人道支援、人権外交を大きな柱にしていくなら「人権の問題に対しては時効はない」との政治判断をして欲しいとの川崎さんの訴え、その通りだと思います。
北朝鮮の勧誘活動を犯罪行為と認めた以上、日本政府には、帰還事業への関与が誤りだったことを認め、帰還事業で北朝鮮に渡った人を対象とした救済法を作って欲しいと川崎さんは訴えています。

 北朝鮮政府は今、新型コロナの防疫を理由に中朝国境地域には中朝国境を流れる豆満江と鴨緑江の全域に鉄条網とコンクリート壁を設置。国境を完全封鎖しています。2019年までは、国境まで来れば、家族は中国の携帯電話を借りて川崎さんと話すことができたそうですが、国境が封鎖されたことで携帯電話レンタルのビジネスもなくなり、現在、12人の子どもと孫の安否がわからないそうです。自分が道を拓いて日本に呼び寄せるつもりだったそうですが北朝鮮でどのような状況下で生活しているのかわからないのがつらい。私には時間がないと声を詰まらせていました。

 2014年5月のストックホルムでの協議では、北朝鮮は日本人妻の帰国を打診したが、拉致問題の解決が先と日本政府が断ったと川崎さんは言います。
家族に会いたいと切望するのは現地に残された日本人妻の方々も同じです。日本人妻は概して長生きで、死ぬ前に一度は日本に戻って家族に会いたいという執念だけで生きている方がまだ残っているそうです。80代、90代になり残っている人は僅かですが、帰国が可能になるように政治は最善を尽くして欲しいとの声、何度聞いても心に刺さります。
(白黒写真は林典子『朝鮮に渡った日本人妻 60年の記録』より本人の了解を得て掲載。)


川崎栄子さんと。公園でお話を聞きました。


帰還事業で北朝鮮に渡った日本人女性(北海道大学の学生の時の写真です)


国境の豆満江で洗濯をする北朝鮮の女性たち。まだ雪が残る寒さの中、川に入って髪を洗う女性もいました。


#北朝鮮帰還事業
#脱北
#拉致被害者

自分だけ防弾チョッキを使用する発想になれるかどうか?

2022年03月11日 11時43分53秒 | 政治

 国連でのPKO活動に参加していた時、防弾チョッキの使用を打診されたことがありましたが、即座に断りました。山岳少数民族の村に住み込み、現地の住民と信頼関係を構築することが日々の活動の要諦でしたから、自分だけ使用するなど考えられないことでした。

 当時、カンボジアでは毎日のように銃声や砲撃を聞いていました。誰もが持っていたAK47(カラシニコフ自動小銃)は1秒間に10発以上の連射が可能で、防弾チョッキだけで被弾を防げるものではなく、また、約10キロの重さがあるので筋トレ効果はあっても迅速に行動するには妨げになります。国連要員であることを示すための帽子やベストの着用が推奨されていましたが、私はできる限り最小限にしていました。反政府武装グループの支配地域の上を国連のヘリコプターで飛行する時は、防弾チョッキが置いてあり、お尻の下に敷いて使用するように指示されたことはあります。ジャングルからAK47やM16で撃ってくるからです。

 今回、日本政府はウクライナに防弾チョッキを供与するとのことです。一定の効果はありますが、防弾チョッキ装着に適さない子どもや女性を置いて自分だけ装着する発想になるのかどうか、現地にいた実感からすると大いに疑問です。また、戦闘部隊が使用する場合の防衛装備移転三原則との整合性も十分な議論が必要です。

 写真は国連のベストを着てのモザンビークでの選挙支援活動と、カンボジアの村での生活。モザンビークは国旗にAK47が描かれていることで知られています。独立に向けたゲリラ戦の苦闘を表しています。











ロシアのウクライナ侵略への糾弾と、ロシア人の人権への配慮は矛盾しない

2022年03月10日 00時35分16秒 | 政治

 ロシアによるウクライナ侵略は主力を投入しての本格的な戦闘になり、民間人を含む多くの犠牲者が出ている。ウクライナでは、18歳から60歳までの男性には総動員令が発令され、ウクライナ国籍の18~60歳の男性は戦闘要員になる。また、3万人を超える女性兵士も戦いの前線に立つことになる。家族と別れ、圧倒的な戦力のロシア軍と戦い祖国防衛のために命を捧げる覚悟を思うと胸が苦しくなる。

 私自身は国連ボランティアとして参加したカンボジアでの国連平和維持活動(UNTAC)や、米国による対テロ戦争の戦場になったパキスタン・アフガニスタン国境の部族地域では銃声や砲撃を身近に感じて活動した経験がある。実際に多くの仲間や身近な人々の不条理な死に接し、戦争だけは避けなくてはならないと強く感じた。それが政治家を志す動機にもなった。ウクライナの人々の勇気への心からの敬意とともに、一日も早くロシアの侵略戦争を止めるのが国際社会の最大の使命だと思う。

 私は今、羽田次郎参議院議員の政策秘書もしている。戦争を止めるために日本の役割を追求することに自分の経験の全てを注ぎ込もうと考えている。また、ウクライナ人はもちろん、世界各国でヘイトスピーチの対象になり、様々な権利が侵害されている一般のロシア人に対してもどのような人道的な役割が果たせるか、議員の国会での質問を通して日本政府に対応を迫っていこうと決意している。それも戦争を止める手段になると信じているからだ。小さいけれどゼロではない。それを積み上げ臨界点に達した時、世界は動くはずだ。

 日本政府は、ロシアの暴挙には高い代償が伴うことを示していくとの考えで、強い経済制裁に踏み込んでいる。手段が限られている中、やむを得ないものと理解はできる。しかし経済制裁は、子ども、高齢者、病人、低所得者、失業者など、社会的な弱者により大きなダメージを与える。通貨・ルーブルの相場も大暴落しており、ロシア国内でも社会的弱者に大きな苦しみを強いているのは明白である。

 日本政府としては、戦争を止めるためには、ロシアの一般国民に苦しみを与えることはやむを得ないという判断なのか?「人間の安全保障」を日本の外交の柱に据えるとした方針との整合性はどのように考えているのか。3月8日の参議院外務防衛委員会では、羽田次郎議員がこのように質問したが、林芳正大臣の答弁は、「ロシアのウクライナ侵略は力による一方的な現状変更であり、国際秩序を揺るがす行為。秩序の根幹を守り抜くには、国際社会は結束して毅然と行動しなくてはならない。日本国民だけでなく、ロシア国民にも様々な影響が及ぶことは避けられない。大きな目的のため引き続き、G7をはじめとする国際社会と連携して適切に対応する」というものであった。

 林大臣の答弁からは、日本の基本姿勢は戦争を止めるという大きな目的を達成することで、ロシア人の生活、とりわけロシア国内におけるもっとも弱い立場の人々への影響を配慮する姿勢は伝わってこない。それらの方々の人権侵害にも関知しない考えと受け取らざるを得ない。戦争こそ最大の人権侵害であり、人間の安全保障を日本外交の柱に据える方針は、戦争を止める目的の前には棚上げするという解釈なのだろうか。これは看過できない発言だと思う。今後も追及していくつもりだ。一方、今日、ロシアでの営業停止を決めたマクドナルドは従業員への給与は今後も払い続けるそうだ。

 先日、在日ウクライナ人やロシア人の話を聞いたところ、SNSでは特にロシア人に対する差別的な言葉が増え、大きな不安を感じていると双方から聞いた。その一方で、在留ロシア人のSNSのサイトの一部には、日本に対する反感や、過激な言葉も散見されるとのこと。もちろん、ウクライナ侵攻に反対しているロシア人も多いが、独裁的な指導者に反対の声を上げる恐怖と、ロシアを敵視する国際世論に反発しているロシア国民の声もあり、戦争反対と声をあげるのは大変なリスクが伴う。さらに、ロシア国内では言論弾圧やメディア規制が始まっており、ウクライナ侵攻に関する“反政府情報”の拡散には15年の懲役も法制化された。ロシアに残された家族を思うと大変なジレンマを感じることと思う。

 早期にロシア軍による攻撃を終結させるには、ロシア国民が声を上げ、反戦の大きなうねりを作ることが鍵だと思う。一般のロシア国民に対しては国際社会が「あなた方は敵ではない」というメッセージを送り、ロシア国民がロシア政府に反対の意思を示すことを支持する姿勢を示すことだ。これは大きな力になる。日本政府としても、特に日本国内に在留するロシア人の人権侵害には異を唱え、「日本は敵ではない」と理解を求める発信が必要だと考える。

 こんな問題提起に対し今日の外交防衛委員会での羽田次郎議員への政府答弁は、「日本政府は、プーチン政権によるウクライナ侵略であり、日本国内に居住するロシア人からも反対する声が上がっていることは承知している。日本国内のロシア人向けに何らかの発信をすることを検討したい。ロシア人一般に対するヘイトスピーチがSNSなどで拡散していることは憂慮している。日本国民に対しても日本に居住する一般のロシア人に、ロシア人である理由だけで排斥することは控え、冷静に対応するように呼びかけたい」というものであった。

 この対応は評価できるものだ。一方で、これまで何もやっていなかったことも浮き彫りになった。実際に、日本国内のロシア人にはどのような手段で、どのように発信するのか、また、どのような反応があったのか、日本国民に対しては、どのような手段で、どのような呼びかけを行うのか、質問主意書も駆使して、政府に迫っていきたい。

ロシアのウクライナ侵攻に反対するロシア人

2022年03月06日 09時34分06秒 | 政治
 今日はロシアのウクライナ侵攻に抗議するデモに参加。表参道の国連大学前から渋谷を経由して国連大学まで約2時間歩きました。

 今まさに家族や友人が殺されている中でも、殺気だった雰囲気ではではなく、あくまでも平和的な温かい雰囲気のデモだったことに感銘を受けました。私の近くを歩いていたロシア人女性のグループはロシア人であることを示すプラカードを掲げ戦争反対を叫んでいました。「ロシア人だからこそ来たのよ!でも、ロシアでやったら懲役15年なんです!」と言っていたのがとても印象的でした。

 みんながこんな対応ができるわけではないかもしれません。でも、今、経済制裁によって普通のロシア人の生活が破壊され、ロシア人は痛い目にあって当然!と言わんばかりのメッセージを政治が発していることに見事なカウンターメッセージを発していることに心が熱くなりました。

#StandWithUkriane
#ウクライナ侵攻反対デモ










ロシアへの経済制裁の先が見えない日本

2022年03月05日 00時55分23秒 | 政治

 ロシアの侵攻に対し、ウクライナ国民は女性さえも武器を取りロシア兵に立ち向かっている。命がけの奮闘で、規模で圧倒するロシア軍の攻撃を食い止めている。祖国防衛戦争に従軍する戦士、そして市民は給料をもらって従軍する兵隊とは死への意識、覚悟が違う。ロシア兵にとっては恐ろしい存在だろう。アメリカが敗北したベトナム、またソ連が撃退されたアフガニスタンの再現がウクライナでも起こりつつある。

 ウクライナ市民がゲリラ戦で対抗する事態になると、戦争は長引き、双方に膨大な死者が出ることになる。その過程で、今日のサポロジエ原発への攻撃のように、人類にとっての危機への引き金を本当に引いてしまうかもしれない。国際社会の責任は一日も早い停戦の実現だ。日本はそのための仲介の可能性を全力で追求するべきだ。残念ながら日本にはそんな丹力のある政治家はいないが、今、プーチン大統領と度々対話を試みているマクロン大統領を後方支援することも立派な仲介努力だ。

 ウクライナ侵攻を続けるロシアに対し、岸田総理はロシアとの関係をこれまで通りにはできないと強い経済制裁に踏み込む意思を示している。経済制裁は社会的にもっとも弱い立場の人に大きなダメージを与える政策だ。ロシアの通貨・ルーブルの価値もすでに大幅に下落して、戦争とは関係のないロシアの普通の人々に大きな苦しみを与えつつある。人権を重視する国家として普通のロシア国民への影響には極力配慮するのか?ウクライナ人に塗炭の苦しみを与えている戦争を止めるためには、ロシアの国民にも相応の苦しみを与えて、プーチン政権への不満を沸騰させることが結局は戦争終結にプラスになると考えているのか? 私には日本政府の戦略がどちらなのか見えてこない。特に戦略などないように思える。

 SNSでは日本に住むロシア人に対して攻撃的な言葉が数多く投げられているようだ。ロシア人やウクライナ人の友人によると、日本にいるロシア人のSNSの一部には、日本に対する反感や、日本人を攻撃しようという過激な言葉も多く見られると聞く。ロシアの侵略戦争に反対しているロシア人も多くいるが、独裁的な指導者に反対の声を上げる恐怖と、ロシアを敵視する日本、そして国際世論に反発するロシア人の声もあって、声があげられないとも聞く。

 日本政府は、ロシア政府には反対しても、決してロシアの人々を敵視していないことを、もっと明確に示すべきだ。

 戦争を終結させるにはロシア国民が声を上げ、プーチン大統領に侵攻を断念させる、あるいはプーチン政権を倒すことが最大の鍵だ。ロシアの人々がプーチン大統領に反対の意思を示せるように、そしてそれが世界からロシア国内へと大きなうねりになるように、国際社会として全力で支援しなくてはならない。その先頭に立つのが日本であって欲しいと思う。

ロシア市民との連帯が勝利への鍵

2022年02月26日 07時18分49秒 | 政治
ロシアのウクライナ侵攻、長期的に見ればロシアは負けることになるだろう。アメリカには占領統治を含めて戦争が人的、財政的なコストに見合うものだったか検証する政治文化があるが、アフガニスタンを含め負け続けた評価になっている。私が紛争地域の民主化支援に関わってきた経験で言うと、プーチン大統領がもっとも恐れるのは国際社会とロシア国民がウクライナに共感し、反戦運動が広がることだ。私たちは特にロシア国民に対して、「私たちは、あなた方を敵とは思っていない、倒すべきは今の政治体制だ!」メッセージを送り続けることだ。平昌オリンピックで銀メダルを取ったメドベージェワ選手を始め、ロシアの文化人の間でも戦争への抗議が広がっている。真に勇気ある行動だと思う。連帯しよう!

#ロシア市民との連帯
#ウクライナ
#メドベージェワ




ロシアのウクライナ全面侵攻と、ウクライナの友人からのメッセージ

2022年02月24日 22時30分42秒 | 政治
ロシアによるウクライナに全面侵攻を開始した。当然受け入れることはできない。プーチン大統領は、ロシアに対する様々な批判や制裁のリスクと自分たちが守るべきものを冷徹に秤にかけた上で、確信を持って決断したのであろう。政治の責任として、何よりもウクライナの人々の命と未来を守ること、力による現状変更を許さないこと、またロシア側の視点、出方も冷静に分析しながら行動しなければと思う。

私は2006年4月、ウクライナを旅した。目的は、ソ連からのウクライナの独立運動や、民主化を求めたオレンジ革命について知ること、チェルノブイリ原発事故で避難した方々の声を聞くこと、そんな対話を通してウクライナの人々の魂にふれることだった。

かつてウクライナの抵抗運動を弾圧し、人口の4分の1が餓死したとされる仕打ちをした隣国に対する不信感は、民族の血の中に受け継がれているのを感じた。

今日は何より、迫りくる砲撃と未来の不安に震えているに違いないウクライナの友人の声を紹介したい。2007年、政権交代を目指す政治の一員として活動する私にウクライナの友人がくれたメッセージだ。

『歴史的事業に参加できて、貢献出来るのは本当に高揚感のあることですね。オレンジ革命の時に私はウクライナに居なくて、参加できませんでしたが、ウクライナ独立運動に参加していました。

1991年の時にウクライナの独立運動が活発になっていました。当時私はキエフで大学生でした。その年に大学生たち集まってキエフを歩いて独立要求の言葉を叫びながらデモを沢山していました。大学の教授たちもそれを応援していて、実際に大学の授業が中止になっていた日がありました。

デモの時には皆、青と黄色を身に付けていました。赤色のソ連国旗に対してウクライナ元来の国旗の色を強調していました。今はこの国旗の色合はこう解釈されています:「青が青い空を表し、黄色は熟した小麦畑を表しています」。地平線まで続く小麦畑がウクライナの象徴的な風景です。この国旗の色は大昔からあって、元々は火と水を表していたそうです。どれもウクライナの平和的な特徴を表現していると思います。

そして、その年にウクライナは本当に独立して、国旗も本当に青と黄色の国旗に変わりました。たまたまエリツィンがゴルバチォフを追放して、全ての権力を握るようになった結果ですが、たくさんの独立運動がそれを後押ししたに違いありません。私はその歴史的事業に参加出来て、ウクライナは独立国家になった瞬間を自分の目で見たのはとても高揚感のあることでした。独立国家になっても政府に守旧派が残っていましたが、2004年のオレンジ革命によって新しい風が入りました。

ここで誤解されないように、補足したいです。私は、社会主義革命が悪かったとは思ってません。その当時の腐敗した政府を追い落として政権交代をしたのはとても大事な役割だったと思います。私のおばあさんはずっとそれを誇りに思っていました。彼女が資本主義に戻ったことを受け入れられない気持ちも分かります。でも、哲学の授業で習った「否定の否定」が発展の源だと思います。新しい科学技術がイノベーションを導き生活を便利に豊かにしていくと同じように、政権交代も定期的に必要なことだと思います。カナダなどのように、三つの党が常に交代していて、新しい流れを常に作っていくやり方が一番理想的かもしれません。日本の歴史的事業も間近に見られたら…とわくわくしています』

国際社会は本気でウクライナを守るために最善を尽くすのか、死と破壊の責任を負うのはロシアだけではない。

オレンジ革命で掲げられたマフラー『ウクライナを信じる』と書かれているそうです


菅直人元首相のツイートについて

2022年01月26日 18時42分46秒 | 政治

私は親戚がドイツ人ということもあり、ナチスやヒトラーについて、そして国家としてのドイツのアイデンティティーについて、沢山の議論、意見交換をしました。今のドイツはヒトラー独裁を否定することがまず出発点と、私は強く感じます。だからこそ、ドイツの多くの人々は環境や人権、国際社会への貢献意識が高く、ヒトラーに例える、ヒトラーを想起させる表現を使うことのないように慎重な対応していることも言葉の端々から感じます。

私が平和構築に関わったボスニア紛争においても、ナチス時代のホロコースト(大量虐殺)と同一化することを避けるため、しかし虐殺行為を糾弾するために、エスニッククレンジング(民族浄化)という言葉が生み出され、使われていました。ナチスドイツの行為に安易になぞらえてはならない。あの凄惨なボスニア紛争に対しても、それが国際的な同意だったと思います。様々な意見はありますが、それが国際社会の現実です。

菅直人元首相のツイートは、橋下徹氏の弁舌の巧みさを褒める意図も含まれていて、誹謗中傷の意図はないかもしれませんが、橋下氏が言う通りヒットラーへ重ね合わす表現は国際的にはご法度であり、使うべきではありません。外交の責任者である首相経験者としてはなおのことです。この件では、私は日本維新の会はむしろ大人の対応をされていると思います。立憲民主党の人権感覚、国際感覚が誤解されることのないよう、誤った表現であることを認め、速やかに撤回・謝罪するべきと強く思います。

文書通信交通滞在費についてのテレビ取材を振り返って

2021年11月24日 23時58分28秒 | 政治
今、文書通信交通滞在費の在り方が、大きな議論になっています。私が現職だった時は、事務所独自のルールとして文書通信交通滞在費の使い方について領収書を添付した出納帳をつけていました。2014年にも、橋下徹氏が党代表を引き受ける条件は維新の党の議員が『文書通信交通滞在費』の使途を公開することと宣言し、それを議員立法化しようと呼びかけたことが大きな関心を集めていました。

取材を通して親しくなっていたTBSの久保田智子記者によれば、使途を明らかにしている議員を探したけれどなかなか見つからなかったとのこと。私に直接問い合わせがありました。橋下氏が問題提起する前から文書交通通信滞在費の使途を出納帳に記録し、領収書と一緒に保管していたので、急な取材の依頼にも「何でも見てください!」と、テレビカメラの前で公開することができました。

写真はこの時の様子と、翌日放送された朝の情報番組『朝チャンサタデー』の映像です。出納帳の中身も大写しになっていたので、番組を観た方からは「国会議員なのに飛行機はビジネスではなくエコノミークラスを使っているのですね!」など、思わぬ反響もありました。海外出張でLCCを使ったり、格安のビジネスホテルに泊っていることなどは国会議員のイメージとはかけ離れていたようです。

イメージとの乖離と言えば、来賓として招待されている時も、年代物の軽自動車を自分で運転して会場に向かうことがよくありました。駐車場に入ろうとすると「すみません。こちらは来賓専用です」とよく注意されました。国会議員は黒塗りの高級車というイメージがあるのでしょうか?

#文書通信交通滞在費





立憲民主党の代表選挙-国民のために自らの小さな既得権を打破する政党に

2021年11月20日 09時26分58秒 | 政治
立憲民主党の代表選挙が始まりました。今回は党員や協力党員にも選挙権があり、オンライン投票も可能なフルスペックの代表選挙。泉健太政調会長、逢坂誠二元政調会長、小川淳也元総務政務官、西村智奈美元厚労副大臣が立候補することが決まりました。

一時は躍進が報じられた衆議院選挙で大きく議席を減らした理由は何なのか。根本的な部分で広く国民に受け入れられていないこと、また、立憲民主党は何をする政党なのかが伝わっていないこと、人生を賭けて国政復帰を目指し、地域活動をしていた立場からは歯がゆく感じることが沢山ありました。

政治は、全ての人のもの。それは大前提です。その上で、自民党が長年政権与党であったことで大企業寄り、富裕層優遇の姿勢であることは明らかであり、その構造が生み出す様々な問題点、不条理に切り込み、正すことが私たちの使命。自民党にはできない改革をやり切ることが役割にもかかわらず、『批判ばかり』で、特に躍進した維新に比べると小さな既得権に安住しているように国民には映っているのかもしれません。従って、こんな状況を大きく変える新代表を選ばなくてはなりません。

私にとっては4人の全ての方々と様々な接点があり、それぞれに優れた候補であることを知っています。西村智奈美候補とは国際局長と副局長として一緒にアジア政党会議で中国の南寧に行くなど、様々な局面でご一緒しました。逢坂誠二候補には勉強会などでお世話になりました。泉健太候補には選挙前に岐阜3区に来て頂き、熱い応援を頂きました。

現時点で私が一番期待しているのは小川淳也候補です。外務委員会で隣の席だったこともあり、様々な影響を受けました。私は小川マニアと言ってもいいほどで、全ての著書や映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』、さらに多くの委員会質問にも目を通しています。特に『日本改革原案』は国会議員の本としては普遍的な価値を持つ、もっともすぐれたものと思います。一方で、この難局で党をまとめる政治力において、純粋な理想主義者であるがゆえの危うさも感じます。

自民党の総裁選挙以上に政策議論が高まること、そして『何をする政党なのか』が明らかになることを期待したいと思います。