阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

キルギス・シルクロード国際マラソンと『シルクロード経済圏構想』②

2015年05月22日 22時47分17秒 | ボランティア

 今回のマラソンで一番嬉しかったこと、それは、「恩人であるアントニオ猪木議員にお礼を伝えたい!」とのオルズベック・ナザロフ元議員との4年前の約束に応えて、首都から遠く離れたイシククル湖畔まで猪木議員と同行できたことです。私は1990~1992年にかけて協栄ジムで彼と一緒に練習したボクシングの仲間でもあり、キルギス最初の、そして唯一の世界チャンピオンにもなった国民的英雄です。彼が日本に来るきっかけは1989年、猪木さんが『ペレストロイカ・ボクサー』として旧ソ連の実力者だったナザロフ氏をスカウトしたことがきっかけでした。3人の友情を育むことができ、マラソンの開会式の舞台でキルギスの多くの方々にもこのストーリーを伝えることができ、素晴らしい機会になりました。

 私自身は、大会のアドバイザーとして開会式や表彰式で挨拶や賞品の授与を担当させてもらった他、『コスチューム・ラン』の部(5キロ)を走りました。最初はハーフマラソンを走る予定だったのですが、3月31日に椎間板ヘルニアと診断されて無理はできないと判断し、予定を変更しました。(統一地方選挙の応援をしながら気合で治しました!)結果はこちらで優勝し、表彰する予定が表彰もされることになりました!!

 もう一つ、嬉しいことがありました。3年前のレース中に、近くの村で生まれた男の子と再会したのです。その父親と村長は、大会の実行委員長でもあった私の名前をつけてもいいですか?と聞きに来ました。嬉しいのですが、いくらなんでもナオトでは苛められるかもしれない。キルギス人に相応しい名前の方がいいはずと思い、いくつか候補を挙げてもらった中で私が決めることになりました。私に似た名前「ナルボト(昔の皇帝の名前)」をはじめ、いくつかの候補を挙げてもらいましたが、その中で私が選んで「クバヌチベック」という名前になりました。キルギス語で「幸せ」「喜び」という意味のこの名前。世界一美しい湖畔で、世界一幸せな大会の日に生まれた男の子に相応しい名前だと思います。

 実は、カンボジアには私の名前をつけてくれた男の子がいます。当時、平和構築活動として除隊兵士の社会復帰を支援していたのですが、バッタンバン州のKing氏の子どもがNaotoと名付けられました。何とキング・ナオト君です!しばらく会っていないのですが、今はどうしているのでしょう。会いに行きたいものです。


アントニオ猪木議員、ナザロフ氏と一緒に


マラソンの号砲はもちろん「1・2・3・ダー!」でした!


今回唯一?のレース中の写真です。100人以上の沿道の方々とハイタッチをして、マスクをつけたり外したり・・・。忙しいマラソンでした!


サマコフ議員の姪っ子、ナシカットさんと。このような写真、マラソン参加者とたぶん200枚ぐらいは撮りました!


コスチューム・ランの文化はまだまだ未熟。この格好で走れば優勝するしかなかったようです。


少し緊張気味のクバノチベック君と


13年前、King Naoto君と


サマコフ議員から贈られた民族衣装を着て。猪木議員はキルギスから帰ってすぐ、『イノキ・ゲノム』にこの格好で登場したそうです!


(デイリースポーツ新聞社の写真より)


キルギス・シルクロード国際マラソンと『シルクロード経済圏構想』①

2015年05月22日 22時20分03秒 | 政治

 大阪都構想の応援に駆け回り、報告が遅くなりましたが、5月2日にイシククル湖畔で行われた『第4回キルギス・シルクロード国際マラソン』にアントニオ猪木議員と一緒に参加しました。

 キルギスでは『走る』と言えば馬に乗って走ることが一般的。子どもが自転車に乗るように馬に乗って走っている国ですが、マラソンの実施によって人々の間に、そして子どもたちにも走る文化が生まれつつあることを実感することができました。
それにしても世界中から要人に招待されているアントニオ猪木議員が手弁当で首都から遠く離れたイシククル湖畔まで来てくれるとは、本当になんて感謝すればいいのか・・・。キルギスの人々は大感激でした!

 さて、私がこのマラソンの実施に関わってきた大きな理由のひとつは、キルギスの経済発展や民主化支援にどのように関わっていけるか、現地の政治家や人々と関係を構築してきっかけを見出すことです。日本ではあまり知られていませんが、隣接する中国の新彊ウイグル自治区は今、大きな開発のうねりの中にあります。中国が安定と繁栄を続けるためには、毎年10%近い経済成長が必要とされていますが、現在は5~6%程度に下がってきていると言われています。そのため、内陸部、そして新彊ウイグル自治区の開発を推進力として、経済成長率を回復させることが急務になっています。そのための事業として、7000メートルを超える天山山脈を抜けるトンネルを建設し、中央アジアのキルギスからヨーロッパに抜ける鉄道を建設する事業が進んでいます。さらに7000~8000メートル級が連なるカラコルム山脈をトンネルで突き抜けてパキスタンからアラビア海へ向かう道路と鉄道も、カシュガルからパキスタンに向かう『カラコルム・ハイウェイ』に沿って大規模な工事が2020年の完成を目指し工事が進んでいました。
 このような状況を活かす一方で、中国に『呑み込まれる』ことなく、独自性を活かした開発を行うにはどうするか、猪木議員、そしてキルギスの有力議員であるサマコフ議員ともども話し合いを続けました。その結果、日本の技術を活かした地熱発電を行う可能性について視察して頂くとともに、放牧に適した土地を活かし、より付加価値の高い畜産を行うための技術の移転について、政治的サポートをしていこうとの結論になりました。
アントニオ猪木議員は40年以上前に『アントンハイセル社』を作り、ブラジルにおけるエネルギー問題、環境問題、畜産産業の解決に尽力した経験があります。このような事業をサポートするには最適だと思います。


子ども駅伝大会の開会式で


子どもたちに走ること、そしてスポーツの楽しさを語る


子ども駅伝大会の表彰式で


子どもたちにも猪木イズムは浸透しているようです!


カラコルム山脈で。背景の7000メートルを超えるゴングール連峰


標高3800メートルのカラクリ湖で。背景はムスタグ・アタ峰(7546メートル)


カラコルム山脈を抜ける鉄道工事が進む


第一回のマラソン実行委員長をともに務めたサマコフ議員と


カシュガルの旧市街をキルギス人のビジネスマンに案内してもらう。