阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

政府がTPP交渉過程を公開できない本当の理由

2016年04月01日 23時25分57秒 | 政治

 TPPはこの6年間で大きく中身が変わった。当初は経済を自由化して自由貿易で利益を得て雇用を増やそうとしていたが、世銀などの試算で米国には貿易上のメリットがないことが明らかになるとTPPは米国に利益をもたらすシステムを各国に飲ませるための仕組みに変容した。当然、最大の収奪ターゲットは日本だ。『新政治運動』で講演を行った首藤信彦元衆議院議員によると日米間の秘密協議によって、保険や投資、知的財産権、政府調達などの分野で米国企業の日本展開の障害になる非関税措置の除去を実施せよとの『日米間の協議結果の確認に関する書簡』が交換されたとのこと(2013年4月)。今後は地下鉄や水道、港湾なども『民営化』され、米国に管理されることになるだろう。

 これでは政府が情報を公開できないのも無理はない。一方、米国の主な大統領候補全てが反対し、米国議会を通って批准できるかどうかわからないのに『関連対策費』として3122億円のバラマキをするのは、安倍政権がTPPを口実に選挙対策をすることが目的だ。

 交渉過程解明チームには、大いに期待したい。しかし、甘利明担当大臣が辞任して、交渉過程が全くわからない上、国会決議に基づく情報公開を拒否するなら国会でのTPP審議は成り立たない。文書を出さないなら交渉を実際にやった(ように振る舞った)甘利大臣に証言してもらうしかないだろう。病気を理由に隠れている場合ではない。


http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000071601.html



『新政治運動』でTPP交渉について説明する首藤信彦元衆議院議員