阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

防衛費増税と『アメリカに守ってもらう』ことをセットで考えるロジックの非常識

2022年12月31日 23時44分26秒 | 政治

 今年もあと少しになりました。先日、2人のアメリカ人と話していたら、日本の防衛費増強について質問されました。金融の専門家としてのキャリアアップのためにMBA取得の勉強をしている30台前半の青年達で、発展途上国の支援にも熱心で、アメリカの政策についても批判的に考える訓練をしていることが伝わってくる人たちでした。

 彼らが心底驚いていたのは、日本では、いざという時にアメリカに助けてもらうことと、防衛費増強がセットで考えられていることでした。「申し訳ないけど、アメリカが戦争するかどうかの判断は、アメリカにとって利益があるかどうか以外の理由が入り込む余地あり得ないよ。日本が頑張っているんだから、助けようとはなるはずがない」とハッキリ言われました。もちろん、私の考えも同じです。彼らはアメリカに助けてもらうためとする防衛費増強派の根拠のないロジックに心底驚いていましたね。ある意味、ウクライナがハードルを上げていて、全国民が武器を取って闘うぐらいの状況になって、初めて頑張っているように見えるんでしょうね。それでも『先制攻撃』をしたのが日本であれば、「まず、アメリカ世論の賛同は得られないだろうね」とも言われました。完全同意です。

 私は『国民を守る』ことはもちろん政治の大きな役割だと思いますが、それは食糧安全保障や、明確な安全保障政策としての平和への貢献、何より国民生活の安心を守ること等と信頼に足るバランスがあってこそだと思います。いわゆるジャパンハンドラーの言葉がアメリカの考えと思っていたら、致命的な間違いを起こすことになります。

 アメリカ大統領にしても、アメリカ軍の犠牲を生む可能性、場合によっては米国本土も攻撃を受ける可能性、そしてアメリカ世論の賛同を慎重に考えながら、それが本当に『日本とともに戦うこと』と釣り合うのか、慎重に判断せざるを得ません。『日本も防衛費を増やして(アメリカの武器を高く買って)頑張っている』からという理由で日本のために参戦するなどという判断は到底起こり得ないと思います。