赤い椅子

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雨の午後

2013-05-19 21:26:00 | ノンジャンル
高島屋で開催されている「ユトリロ展」を雨に降られた午後鑑賞してきた。
明日までの展覧会で、明日も難波に行くのだが、時間がなさそうなので
思いついて急に出かけた。



パリの風景を詩情あふれるタッチで描き続け、モンマルトルの画家と
言われたユトリロは、小さい頃からアルコール依存症であり、
その治療のリハビリの一環で、医師の勧めで絵画の道に入ったそうだ。

ユトリロのアルコール依存症は祖母のマドレーヌにも原因があるという。
彼女自身も酒には目がなく、一種の精神安定剤として酒を飲み、
孫にも酒を飲ませていたという。
母親も画家であったが、子供のユトリロを祖母に預けっぱなしで、
父親もはっきり分からないような性格だったようだ。

    

ユトリロが7歳のときの母シュザンヌによるデッサン。

「白の時代」と言われる頃の絵は、パリの通りを描いた建物等は
とても寂しげでひっそりとしている。
晴れているのか曇っているのかさえ分からず、暗い印象だ。
そして建物の窓はほとんど閉じられたままだ。遠近法の使い方がすばらしい。

まるでゴーストタウンに迷い込んだ覇気のない、ほとんどが後ろ姿の人が
あてどなく歩んでいるようだ…
たまに明るい街並みがあっても、影がなくて明らかに病的である。

だが後半生に描かれた絵は打って変わって原色の明るい絵が多い。

パリのモンマルトルや、通りの風景画ばかり何百枚も描いたユトリロ!

会場を見て回っても同じような街並み、建物、教会などが並んでいる。
初めて書いた薔薇の絵は、再婚した妻に送った絵だという。

その再婚した妻とモンマルトルの墓地に眠っているらしい。







コメント (4)
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