博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『王の男』

2006年12月17日 | 映画
『王の男』(イ・ジュンイク監督、イ・ジュンギ等出演、2006年、韓国)

『チャングム』の序盤に登場した暴君・燕山君がネタにされているという理由だけで鑑賞。物語は燕山君やその寵姫を笑いものにして人々の喝采を得ていた旅芸人のコンビがひょんなことから当の燕山君のお気に入りとなり、宮廷お抱えの芸人となるというものです。二人は表では聖人君子ぶりながら裏では汚職に励んだり弱い者を食い物にしたりする重臣たちを面白おかしくからかう芸を宮廷で披露しますが、それによって燕山君は重臣達の粛清を開始し、やがてその暴虐が止め処もなくエスカレートしていく……

燕山君と中性的なイ・ジュンギ演じる旅芸人・コンギルとの同性愛がテーマになっているらしいということで、二人のラブシーンを見せられたりするのかとやや不安な気持ちで劇場に入りましたが、意外にも冒頭でコンギルが悪いお大尽に手籠めにされそうになったほかはそういうシーンはなく、安心して最後まで見ることができました(^^;) 燕山君とコンギルの関係はいわゆる「やおい」的なものではないです。(相方の芸人のチャンセンが、コンギルが燕山君に手籠めにされたのではないかと疑うシーンはありますが……)

ラストシーンも思ったより後味が良かったですね。この映画、どうも題名から受けるイメージで随分と損をしているんじゃないかという気が……
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『少年楊家将』その3

2006年12月17日 | 中国古典小説ドラマ
『少年楊家将』第15~21話まで見ました。

七郎の手引きで仇木易と出会った佘賽花は彼が喘息を患っているのを心配し、天波府に招いて羅姑娘の治療を受けさせる。羅姑娘は実は楊家軍の軍医で、天波府に出入りしていたのである。(この羅姑娘、スラッカン時代のチャングムを思わせる衣装を着ております……)しかし仇木易は楊夫妻がかつて四郎を見捨てたことを話題に出し、佘賽花を悲しませるが、それによって羅姑娘は彼の正体が楊四郎であることを見破り、彼を詰問する。四郎は戦場で両親とはぐれた後にさる武術の達人に拾われ、その師父の命により、父や宋を遼軍の攻撃から守るべく楊家軍に入隊したのだと言う。一方、潘豹も羅姑娘に懇願して彼女の治療を受け、五石散中毒を克服する。

ある日八賢王が楊家軍の演習の視察にやって来たが、突如刺客の襲撃を受け、父を庇った四郎と八賢王が毒を塗った武器で斬りつけられ、深手を負う。この刺客は八賢王に義弟の汚職を摘発されたことを根に持っていた潘仁美が派遣したのであった。八賢王の治療はすぐに終わったが、仇木易は明日をも知れぬ状態となり、思い余った羅姑娘は彼の正体を明かし、楊一家を驚かせる。羅姑娘の献身的な介護によって四郎は一命を取り留めたが、毒の影響で体が思うように動かず、父母兄弟に頑なな態度を取り続ける。

六郎は四郎の治療に必要な薬草を採るために静心庵という尼寺に向かい、たまたま参拝に来ていた柴郡主と、潘仁美の娘の潘影に出会う。潘影はなぜか父親に忌み嫌われており、幼い頃から寺に預けられていたのだという。めあての薬草を発見した六郎は郡主や潘影とともに都に戻る。潘影は数年ぶりに父や兄の潘豹と再会するが、父親からは相変わらず拒絶されます。どうも彼女の母の死に彼女が深く関わっているようなのですが…… 薬草の効果によって次第に体が動くようになった四郎は、だんだん家族に心を開いていく。

一方、潘豹は羅姑娘に結婚を申し込むが、すげなく断られると彼女とその両親を幽閉し、彼女が慕っている楊四郎に彼女との結婚を賭けた比武招親を申し入れます。潘豹は必勝を期すべく再び五石散を服用し、父親もそれを黙認。試合ではまだ本調子でない四郎を滅多打ちにする。勝負のついた後も潘豹が兄を痛めつけるのに業を煮やした七郎は試合場に乱入し、潘豹に打ち掛かるが、その衝撃によってあろうことか潘豹が口から泡を吹いて倒れ伏してしまいます。

潘豹が瀕死の重傷を負ったのは七郎の攻撃による外傷ではなく五石散の副作用による内傷が原因だったが、もう手の施しようがないと知った潘仁美は医者や潘影の制止を振り切って自らの手で息子に引導を渡し、楊家の面々を道連れにしようと七郎が息子を殺したのだと太宗に訴え出る。太宗は自ら裁きをつけ、罰として七郎を二年間塞外で従軍させることにし、彼を天牢に投獄させる。

四郎は試合の後、再び羅姑娘の治療を受け、彼女に結婚の申し込みをしたりしておりましたが、弟が投獄されたことを知ると天牢に忍び込みます。一方、てっきり七郎に死刑が宣告されるものと思っていた潘仁美は腹の虫が収まらず、獄卒を買収してこっそり七郎を殺させようとしますが、タイミングよく侵入した四郎が七郎を助け出し、自分の師父のもとへと逃れさせます。この一件で天波府は朝廷によって家宅捜索を受け、厳格な楊業や五郎は四郎が弟を逃がしたと知ると激怒しますが……
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