『東方』323号掲載の池田知久氏へのインタビュー「出土資料研究の最前線へ発信する -東方書店刊『馬王堆出土文献訳注叢書』をめぐって」を読みましたが、日本と中国での研究スタイルの違いなどをごく簡単にわかりやすくまとめていますね。
特に興味深いのは、出土資料の増加に伴って中国で文献批判を軽んじる「信古」の風潮が支配的になったと述べている部分です。ただ、氏によると近年それに対する反省がなされるようになってきたとのこと。このインタビューでは具体例が挙げられていませんが、例えば昨年発表された林澐「真該走出疑古時代嗎? -対当前中国古典学取向的看法」(『史学集刊』2007年第3期、吉林大学)なんかがそれに該当するのでしょうか。
この林氏の論文では、現在の研究状況が文献資料中の古史に関する記述を無批判に信用する「信古」に片寄りすぎているという前提のもとで、馬王堆帛書など出土資料の相次ぐ発見により顧みられなくなった「疑古」的な手法を再評価し、古史研究においては文献資料の記述内容に対して厳格な審査を経たうえで史料として用いなければならないと主張しています。
論文のタイトルはこの分野の大家である李学勤氏の書『走出疑古時代』をふまえたもので、著者の林氏は甲骨学・東北考古の碩学です。若手の研究者ではなく老大家がこのような提言をしている点が注目されます。
特に興味深いのは、出土資料の増加に伴って中国で文献批判を軽んじる「信古」の風潮が支配的になったと述べている部分です。ただ、氏によると近年それに対する反省がなされるようになってきたとのこと。このインタビューでは具体例が挙げられていませんが、例えば昨年発表された林澐「真該走出疑古時代嗎? -対当前中国古典学取向的看法」(『史学集刊』2007年第3期、吉林大学)なんかがそれに該当するのでしょうか。
この林氏の論文では、現在の研究状況が文献資料中の古史に関する記述を無批判に信用する「信古」に片寄りすぎているという前提のもとで、馬王堆帛書など出土資料の相次ぐ発見により顧みられなくなった「疑古」的な手法を再評価し、古史研究においては文献資料の記述内容に対して厳格な審査を経たうえで史料として用いなければならないと主張しています。
論文のタイトルはこの分野の大家である李学勤氏の書『走出疑古時代』をふまえたもので、著者の林氏は甲骨学・東北考古の碩学です。若手の研究者ではなく老大家がこのような提言をしている点が注目されます。