青柳正規『興亡の世界史00 人類文明の黎明と暮れ方』(講談社、2009年11月)
久し振りの『興亡の世界史』シリーズ。とっくに完結してるのかと思いきや、姜尚中担当の満州国の巻だけまだ残ってるのね…… で、今巻では前半で人類の「進化」の過程や農耕の開始について触れた後、世界各地に現れた文明を紹介していきます。
今巻の面白かったポイントは以下の通りです。
○ラスコー・アルタミラなどの洞窟絵画に描かれる動物ははクロマニョン人が暮らした氷河期の生態系を反映しており、氷河期の終焉とともに洞窟絵画も描かれなくなる。
○縄文土器は当初かごを象って作られたものであり、特に口縁部の装飾にその痕跡が認められる。
○「四大文明」はヨーロッパでのアジアの地域区分をもとに江上波夫が造った語。人類最古の文明はいずれもアジアで興ったとし、ヨーロッパ中心史観に対抗しようとした。
○アメリカ大陸の文明研究では文化人類学によるアプローチが多大な貢献をしてきた。それに対し、ユーラシア大陸の文明研究は考古学的アプローチが中心で、それぞれの大陸の文明像形成の違いに反映されている。
といったところでしょうか。特に後半は各地の文明をザザッと解説しているだけで、どうも内容が薄いのですが、今巻を『興亡の世界史』シリーズ全体の序章と考えると、こういうのもアリかなあという気がしました。
久し振りの『興亡の世界史』シリーズ。とっくに完結してるのかと思いきや、姜尚中担当の満州国の巻だけまだ残ってるのね…… で、今巻では前半で人類の「進化」の過程や農耕の開始について触れた後、世界各地に現れた文明を紹介していきます。
今巻の面白かったポイントは以下の通りです。
○ラスコー・アルタミラなどの洞窟絵画に描かれる動物ははクロマニョン人が暮らした氷河期の生態系を反映しており、氷河期の終焉とともに洞窟絵画も描かれなくなる。
○縄文土器は当初かごを象って作られたものであり、特に口縁部の装飾にその痕跡が認められる。
○「四大文明」はヨーロッパでのアジアの地域区分をもとに江上波夫が造った語。人類最古の文明はいずれもアジアで興ったとし、ヨーロッパ中心史観に対抗しようとした。
○アメリカ大陸の文明研究では文化人類学によるアプローチが多大な貢献をしてきた。それに対し、ユーラシア大陸の文明研究は考古学的アプローチが中心で、それぞれの大陸の文明像形成の違いに反映されている。
といったところでしょうか。特に後半は各地の文明をザザッと解説しているだけで、どうも内容が薄いのですが、今巻を『興亡の世界史』シリーズ全体の序章と考えると、こういうのもアリかなあという気がしました。