博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『忠烈楊家将』

2013年10月05日 | 映画
于仁泰(ロニー・ユー)監督の『忠烈楊家将』を見ました。

時は北宋。遼国の侵攻を知った太宗皇帝は重臣の潘仁美を主将、楊業を先鋒として迎え討たせることにしますが、潘仁美はドラ息子を死に追いやった楊家の人間を陥れる機会を虎視眈々と狙っていたのでした。一方、遼国の主将耶律原も父の仇である楊家の殲滅をはかっており……

本作は楊業を鄭少秋(アダム・チェン)、楊大郎を鄭伊健(イーキン・チェン)、三郎を周渝民(ヴィック・チョウ)、六郎楊延昭を呉尊(ウー・ズン)が演じるといったように、イケメン楊家将となっております。

他の楊家将物では話の展開に合わせて四郎・五郎・六郎・七郎にバリューのある俳優を配し、大郎・二郎・三郎はモブキャラと化すことが多いのですが、今作では兄弟七人それぞれイケメンが配役されているので、大郎や三郎にも見せ場が用意されております。それでもって監督は『SPIRIT』などを制作したロニー・ユーということで、アイドル映画ではなくオーソドックスなアクション歴史大作に仕上がっています。むしろネタ要素やツッコミ要素があんまり無くて不満なほどです(^^;)

ストーリーの方も原典のテーマである忠孝を強調するオーソドックスなものですが、奸臣の潘仁美の処断が字幕でさらっと済まされているあたりは、「本当の敵は前線の遼軍ではなく後方の宋の朝廷だった」という原典の理不尽さを象徴していると言えなくもないかもしれませんw

それとこの作品のBGMがどこかで聞いたような感じだなあと思って確認してみたら、川井憲次さんが担当していました。『セブンソード』以来すっかり中華映画スタッフの常連になっちゃいましたね。
コメント
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