博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『琅琊榜』その9(完)

2016年02月04日 | 中国歴史ドラマ
『琅琊榜』第49~最終54話まで見ました。

夏江は梁帝に、梅長蘇の正体が謀反人で「赤焔軍」の一党林殊であると告発。梁帝の面前で、梅長蘇を召し出し、夏江と靖王が首実検を行うことになります。告発は、梁帝が梅長蘇の正体を信じなかったことで、夏江の敗北に終わります。しかし一抹の疑いを捨てきれない梁帝は、自らの手で梅長蘇の毒殺をはかるものの、靖王が決死の覚悟で阻止。靖王はこの首実検で、梅長蘇が林殊であると、却って確信を深めていたのでした。梅長蘇の方も、これ以上は正体を隠し通せないと悟り、以後は林殊として靖王を支えることになります。

折しも流罪となっていた謝玉が、おそらく夏江の刺客の手にかかって流刑地で死亡し、服役に赴く前に妻の莅陽長公主に託していた告発文の扱いが問題に。これには13年前の「赤焔案」は謝玉と夏江によって仕組まれたものであるということが書かれているのですが、謝玉が服役中に死亡したらその内容を公開するよう言い残していたのでした。

梅長蘇と靖王は、いよいよ積年の目標である赤焔軍の名誉回復のため、近々行われる梁帝の誕生会で彼女に告発文を献上させようと計画。一旦は尻込みした長公主も、2人の要望を受け入れて誕生会に臨むことに…… いつぞやの蕭景睿の誕生会といい、このドラマでは誕生会が地獄展開への入り口になっているんですね。


最後に立ちはだかる壁となった梁帝。これまで猜疑心の塊でありながらも、(あるいはそれ故に)臣下の思惑に乗せられないという人物描写でありましたが……

【総括】
ここまでが第52~53話あたりまでの内容ですが、日本語版の放映が決定したとのことで、ここから先の内容は省略。全54話を振り返ってみると、南朝の梁をモデルにした架空歴史ドラマと武侠ドラマ・BLドラマの3つの要素が高度なレベルで融合した傑作でしたね。映像面では印象的なカットが多く、所々で演劇的な演出も見られます。また、数は少ないものの、見応えのあるアクションシーンも盛り込まれています。以前に鑑賞した古龍原作ドラマ『流星蝴蝶剣』が、やはりアクションシーンの数は少ないのの、そのアクションのクオリティは高い水準を保っていたことから考えると、『流星蝴蝶剣』が武侠ドラマであるならば、本作も武侠ドラマと言ってしまっていいのではないかと考えた次第です。武侠物でお馴染みの門派などの要素や、怪しげな薬なんかも出てきますし。

更に魅力的なおっさん・爺俳優もたくさん出演しており、武侠ドラマ=渋いおっさん・爺を鑑賞するドラマというイメージを持っておられる武侠ドラマファンの最右翼にも満足して頂けると思いますw(個人的には言侯こと言闕と夏江がお気に入りでした)
コメント (5)
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