博客 金烏工房

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絵本楊家将 第9章 計審潘楊案(後編)

2012年02月05日 | 絵本楊家将
第9章 計審潘楊案(後編)

八賢王の後ろ盾を得て、寇準は思う存分に振る舞えるようになりました。次の日の夜、寇準は酒席を準備させ、それから召使いの劉超を呼びつけて、耳元で二言三言申しつけます。劉超はすぐさま四人のかごかきを呼びに出て、ほどなく潘仁美を監獄から連れ出して来ました。

寇準は潘仁美がやって来たのを見ると、特別に懇ろにもてなします。寇準は潘仁美を上客として持ち上げ、更に楊家は実は自分の仇であり、今回は彼らを根絶やしにし、怨みを晴らす絶好の機会であると言いました。

潘仁美は思いがけないことを聞いて喜び、寇準に対するあらゆる警戒心が吹き飛んでしまいました。そして、潘仁美は自分が楊継業を死に追いやり、矢を乱射させて楊七郎を射殺させたことを得意になって最初から最後まで話してしまいました。

潘仁美が話し終えたかと思うと、ガサッという音が聞こえ、八賢王が役人とともに奥の小部屋から出て来ました。実は、これはすべてが寇準と八賢王が仕掛けた罠だったのです。八賢王は潘仁美を見ると怒鳴りつけて言いました。「この人の面をしたけだものめ、まだ何か言うことはあるか?」

潘仁美は驚きのあまり、酔いがすっかり覚めてしまいました。しかし彼は酒に酔っての言葉であると言い逃れをし、供述書に署名するのを拒みます。八賢王は怒りで顔色が変わりましたが、寇準は取りなして言いました。「殿下、お怒りをお静めになってください、私めに方法がございます。」そこで再び潘仁美に手枷足枷を付けさせて、監獄へと戻させました。

潘仁美を戻させた後、寇準は陳林と柴幹に手紙を書き、彼らを証人として呼び寄せることにしました。二人は手紙を受け取ると、すぐさま出発し、数日もしないうちに都の西台御史の門前までやって来ました。陳林と柴幹は楊七郎の墓で見つけた三本の矢を寇準に手渡します。三本の矢にはいずれも「潘」の字が刻まれているのが見えました。寇準は大喜びし、それを記録させ、ひたすら翌日の裁判の開始を待ちわびます。

次の日、法廷では寇準が自分に何も出来やしないと高をくくり、潘仁美が言い逃れを続けます。寇準は落ち着き払い、陳林と柴幹を来させて証言をさせ、また潘仁美が楊七郎を射殺させた三本の矢を取り出しました。ここに至り、潘仁美はようやく本当のことを白状せざるを得なくなり、かつ供述書に署名をしたのでした。


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