博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『魔幻手機』その3

2010年05月14日 | 中国科幻ドラマ
『魔幻手機』第13~18話まで見ました。

再度黄眉大王に挑戦する小千ですが、やはり太刀打ちできず、今度は瀕死の重傷を負って病院送りに。この時に傻妞本体も紛失してしまいます。

「飛人」の正体が小千であることを知った楚楚は、小千に頼まれて傻妞を捜しに行くことに。しかしここで黄眉大王に見つかってしまい、定身法(動きを止める妖術)をかけられてしまいます。そして傻妞はチンピラ三人組のリーダー王天覇の手に渡ることに。実は王天覇、今では黄眉大王の舎弟になっていますが、彼女の孫飛燕が大王に取られたのを恨んでおり、報復のために傻妞の力を利用しようとしていたのでした。

黄眉大王の定身法を解くことが出来るのは猪八戒のみ。彼は小千の仇を討つべく黄眉大王に近づいて仲間のふりをしていましたが、牙をむいて襲いかかったところ、大王の人種袋(敵を吸い込んでしまう袋)に封印されてしまいます。やむを得ず小千は王天覇に傻妞のロックを解除するパスワードを教え、彼の力で楚楚、そして同じく定身法をかけられた父親を助けてもらうことにします。

傻妞の力を得た天覇ですが、それで悪事に走るかと思いきや、貪官退治などの善行に励んでます。実は傻妞には持ち主が悪事に走ろうとすると処罰する機能が備わっていたのでありました(^^;) しかしその天覇の前に黄眉大王が立ち塞がり……

ということで、ここまでで小千が「飛人」であると知ってる人。

游所為・近所の警官の周さん・猪八戒・黄眉大王・王天覇ら三人組・范グループの悪徳社長・楚楚・化梅(ただし正体を聞かされても信じていない状態)

ヒーローの正体って、意外とバレるもんですなあ(^^;) 特に近所の警官の周さんは早い段階で「飛人」の正体を見破り、「公安局と協力して犯罪に立ち向かおう!」と小千に呼びかけたりしてます。中国では官憲のバックアップを得ないとヒーロー稼業が成り立たないのでしょうか……

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『興亡の世界史00 人類文明の黎明と暮れ方』

2010年05月13日 | 世界史書籍
青柳正規『興亡の世界史00 人類文明の黎明と暮れ方』(講談社、2009年11月)

久し振りの『興亡の世界史』シリーズ。とっくに完結してるのかと思いきや、姜尚中担当の満州国の巻だけまだ残ってるのね…… で、今巻では前半で人類の「進化」の過程や農耕の開始について触れた後、世界各地に現れた文明を紹介していきます。

今巻の面白かったポイントは以下の通りです。

○ラスコー・アルタミラなどの洞窟絵画に描かれる動物ははクロマニョン人が暮らした氷河期の生態系を反映しており、氷河期の終焉とともに洞窟絵画も描かれなくなる。
○縄文土器は当初かごを象って作られたものであり、特に口縁部の装飾にその痕跡が認められる。
○「四大文明」はヨーロッパでのアジアの地域区分をもとに江上波夫が造った語。人類最古の文明はいずれもアジアで興ったとし、ヨーロッパ中心史観に対抗しようとした。
○アメリカ大陸の文明研究では文化人類学によるアプローチが多大な貢献をしてきた。それに対し、ユーラシア大陸の文明研究は考古学的アプローチが中心で、それぞれの大陸の文明像形成の違いに反映されている。

といったところでしょうか。特に後半は各地の文明をザザッと解説しているだけで、どうも内容が薄いのですが、今巻を『興亡の世界史』シリーズ全体の序章と考えると、こういうのもアリかなあという気がしました。
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最近読んだ小説など

2010年05月11日 | 小説
退院してから1ヶ月の間に読んだ小説・コミックです。

万城目学『鹿男あをによし』(幻冬舎文庫、2010年4月)

今までずっと文庫化待ちしていた小説。これがデビュー作だと思ってたら、実は2作目だったのね。で、デビュー作の『鴨川ホルモー』の方も読んでみましたが……

万城目学『鴨川ホルモー』(角川文庫、2009年2月)

表題のホルモーの設定とかすべてがハチャメチャなのに、ちゃんと大学のサークル活動を舞台にした青春小説になっているのに感動した。

高村薫『レディ・ジョーカー』(新潮文庫、全3巻、2010年4月)

こちらもずっと文庫化待ちしてた作品。(お陰様で文庫待ちしてる間に10年ほど経過してしまいましたが……)グリコ・森永事件を下敷きにした本格社会派ミステリーのはずなのに、ちゃんと男同士の愛憎を描いたBL小説になっているのに感動した。高村先生が腐女子であるとしか思えない。

ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』第1巻(ビームコミックス、2009年11月)

何か古代ローマが舞台になっているらしいと聞き、購入。ハドリアヌス帝時代の建築技師ルシウスが古代ローマの風呂から現代日本の風呂にタイムスリップし、日本の風呂の凄さを目の当たりにして帰還。そしてローマの風呂に革命をもたらすという展開が毎回続くわけですが、それでも毎回面白いのが奇跡としか思えない(^^;) しかも第1巻ということは、まだまだ続くんですよね?

ハドリアヌス帝が巡行ばかりしていた、ハドリアヌス帝の愛人(男)がナイル川で溺れ死ぬといった歴史ネタも盛り込まれており、歴史漫画としてもお薦めです。
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中国で中国語を身に付けるには

2010年05月09日 | 雑記
ちょっと前のものですが、興味深い記事を発見しました。

「中国で中国語は学べない?」:『電羊齋は涙を信じない』

要するに、『ニューズウィーク』日本版の同名記事を肴に、折角中国に留学しても、肝心の留学生向けの授業はあんまり実用的ではなく、教室の中だけでは語学力は身につかないよねという話です。

教室の中にこもりきりでは中国語が身につかないというのは同感ですが、授業の様子は私が留学していた頃とはだいぶ違うなあという感じがしました。私が受けていたクラスでは会話練習とか応用練習に結構時間が割かれてましたし、テキストにも実用的な題材がある程度盛り込まれていたんですよね。記事を書かれた電羊齋氏が留学されていた頃から比べて、テキストや教授法がある程度改善されたということなのかもしれません。

ところで「中国語の力を伸ばすのに最も効果的な方法は?」という話題になった時、留学経験者の男連中は大体「旅行に行くこと」とか「カラオケに通ってお姉ちゃんと話しまくること」なんて答えが返ってきますが、(一応注記しておくと、中国で言うカラオケとは日本のキャバクラのようなものです。日本みたいなカラオケボックスも一応あるということですが……)私のお薦めは「病院に行くこと」です。

特に一人で行くか、付き添いを日本語が出来ない人にするとより効果的です。医者への応答をちょっと間違えただけで、切らなくていいお腹を切られたりするかもしれない、何をされるか分からないので医者の言葉を一言も聞き逃せないという緊張感が語学力を飛躍的に高めてくれること請け合いです(^^;)
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twitterはじめました

2010年05月08日 | 雑記
本日4年ぶりぐらいにケータイを替えました。最新機種だと2~3万円ぐらいするのかと思いきや、何だかよく分からない割引とか付いてきて思ったより安く買えました。

で、懸案のパケ割にも入ってケータイで少々webをいじっても使用料的に大丈夫になったということで、twitterを始めてみることに。アカウントは「satoshin257」で登録しましたんで、見掛けたらよろしく相手してやって下さい(^^;) このブログでも1日1回twitterのログがアップされる……はずです。

しかしせっかく登録しても、野球見ながら「神×巨 8回表なう 久保田劇場絶賛炎上中(;´д⊂) 」とか、ロクなツイートをしないような悪寒が……
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『魔幻手機』その2

2010年05月07日 | 中国科幻ドラマ
『魔幻手機』第7~12話まで見ました。

傻妞の存在を知った游所為は小千に傻妞の売却を持ちかけますが、小千は多額の手付け金に目がくらみつつも売却を拒否。そして散々悩んだすえ、武功に秀でた傻妞の力を人助けに生かすことにしたのでありました。

具体的には、傻妞の力を一定時間小千の体内に移し、(傻妞にはそういう機能があるのです。)スーパーマン……というかパーマンよろしく空を駆け抜け、事故や犯罪から人々を救い出そうというのですが、自分の正体が知られてしまうと社会生活上何かと不都合ということで、いっちょまえに変身用のスーツを調達することに。下の画像が変身後の姿なんですが、何というか物凄く微妙な格好です……



で、マントはたまたまポールからずり落ちてきた旗を流用してますが、その旗には下の画像のごとく「打撃盗版」のフレーズが。「盗版」とは海賊版のこと。これは視聴者である我々に向けられた何かのメッセージなんでしょうか(^^;)(作品中では「このフレーズの意図するものは不明」なんて言ってますが……)



陸小千が変身した「飛人」の活躍がテレビを賑わす中で、游所為は黄眉大王が本当の妖怪であることを知ってしまいます。で、傻妞が手に入らないならこいつでいいやとばかりに彼を会社の役員に引き立て、その妖術をビジネスに生かすことに。しかしいい加減現代文明に慣れてきて自身を取り戻した黄眉大王は、王天覇らチンピラ3人組を子分にして、裏では再び悪事に手を染めていきます。陸小千こと「飛人」も本気モードの黄眉大王には太刀打ちできず、取り敢えず難を避けるために641年の中国にタイムスリップ。

そこで陸小千はどういう訳か2ヶ月後の世界からやって来たガールフレンドの化梅・楚楚と遭遇。(小千は2006年6月、化梅らは2006年8月の世界からやって来たとのこと。)3人がやって来た世界ではまだ猪八戒は三蔵法師と孫悟空と出会っておらず、高老荘の高太公の娘が美人だというのでムリヤリ結婚しようとしていたのでありました。3人は高太公の娘のために猪八戒と戦いますが、やはり太刀打ちできず、やむを得ず「もっとかわいい娘がいるから」ということで、ウヤムヤのうちに猪八戒を2006年6月の世界へと連れ帰ることに。帰る間際に化梅から「この2ヶ月の間色々なことがあると思うけど、私のことを信じていてね」なんて思わせぶりなことを言われてしまいますが……

で、2006年の世界にやって来た猪八戒は案の定うまい飯とかきれいなお姉さんに目がつられる始末。で、山海の珍味とかわいい妹妹を用意しているという范グループの悪徳社長にスカウトされ、フラフラ着いて行くことに。小千も厄介払いとばかりに「2~3日遊んで来いよ」と猪八戒を范社長に着いて行かせてしまいますが、自分で連れてきたんだから責任持って最後まで面倒見見ろよとツッコまざるを得ない(^^;)

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今更ですが中国鉄道大紀行

2010年05月06日 | TVドキュメンタリー
留学中にあちこち旅行していたもんで、帰国してからもう一度『関口知宏の中国鉄道大紀行』が見たいなあと思ってたら、折良く連休中からNHK-BSハイビジョンで春の旅編が再放送されてました。

ボチボチと録画して見てますが、見ながら思ったことをまとめると以下の通り。

○『三国志』にゆかりのある土地にやって来ても、『三国志』ネタを全力でスルーしているのが却って清々しくて良い。
○名前も聞いたことの無い街に立ち寄っているのが萌える。
○しかし街中の風景はどこも似たり寄ったりだなあと……

以前どこかで「中国・中国人の悪い所や汚い所をスルーしているのが許せん」というような感想を見ましたが、そういう人は同時期に同じくNHKで放映されていた『激流中国』を見てれば良かったのです。

しかし撮影中に、列車に乗り込むと自分の座席(あるいはベッド)に既に他の人が座って(寝て)おり、他の座席(ベッド)に変わらされるという経験をおそらく何度もしているはずなのに、その点を番組中でスルーしているのはいかがなもんでしょうか(^^;) これも中国鉄道の旅の醍醐味(?)なので、一度ぐらいは取り上げても良かったんじゃないかと。

秋の旅編の再放送は5月10日から開始とのこと。今度は長春にも立ち寄るはずなので、楽しみであります。
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『春秋左氏伝 その構成と基軸』

2010年05月05日 | 中国学書籍
野間文史『春秋左氏伝 その構成と基軸』(研文出版、2010年3月)

同氏の前著『春秋学 公羊伝と穀梁伝』がかなり良い本だったので、こちらも期待して読んでみることに。しかしまとまった概説書だった前著に比べて、こちらはかなり内容が雑多になってますね(^^;) あるいは本書の雑多な構成が『左伝』自体の性質を示しているのだと言わんとしているのかもしれませんが……

本書で面白かった主張は以下の通り。

○『左伝』は魯以外にも列国の史記を原資料としていると見られ、中には演劇を元ネタにしたと思しき部分もある。
○『春秋』をこれだけで首尾一貫したものと見なす『公羊伝』・『穀梁伝』とは異なり、『春秋』の記事には不備があり、これを補うために編纂されたというのが『左伝』の立場。
○『尚書』が帝王の言葉の記録であるのに対し、『左伝』は鄭の子産・晋の叔向・斉の晏嬰といった賢大夫の言葉の記録。その中でも特に子産をリスペクト。
○『左伝』の中には時間・登場人物などを入れ替えただけで、ストーリーラインや記述の仕方がほぼ一緒という「同事異聞」の説話がたくさん紛れ込んでる……らしい。

あと、著者が過去の論文で論じた、斉桓公の遺体が長期間放置され、しまいにはウジ虫がわいたという説話がなぜ出来たのかという話も本書に盛り込まれていますね。

最終章では日本での『左伝』研究史をまとめており、近年の平勢隆郎氏や吉本道雅氏らの研究についても詳しく紹介されています。しかし平勢氏については物の見事に褒めて落としてますなあ(^^;)
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久々の幇会

2010年05月04日 | 旅行・オフ会・展覧会
退院後のリハビリ第3弾というわけで、昨晩は久々の幇会に参加するべく河原町に行ってました。1次会はアジア料理店、そして2次会はガンダムバー「G Base」へ。近辺にあった「秘密結社ショッカー」も捨てがたかったのですが(^^;)(噂によるとメニューが存在せず、店主が客の顔を見て出す物を決めるそうな……)

で、その筋のプロである令兎冲さんから結核とか医療関係のお話を色々お伺いしました。留学中、体温38度以上の留学生は留学生寮の隣の病院に連れて行かれ、血液検査で新型インフルエンザに感染していないかどうか診てもらうことになっており、私も2回ほど検査させられたのですが、令兎冲さん曰く、血液検査では感染してるかどうか分からないとのこと。やったね!\(^o^)/
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『十月囲城』

2010年05月01日 | 映画
1906年10月、東京で中国同盟会を結成した孫文は革命派の代表たちと会見するため、香港へと赴くことに。それを知った清朝の軍人閻孝国は、孫文を暗殺するべく着々と準備を進めます。一方、革命派の人士と親しい大商人李玉堂は、有志を募って孫文を護衛させることに。朝廷側と革命派の思惑が交錯する中、いよいよ孫文が到来し……

ということで、この間上海新天地で買って来た『十月囲城』を鑑賞。一芸に秀でた奴らが武功とギミックを駆使して圧倒的に不利な状況を克服し、孫文を守り抜くという展開を期待していたら、どうもそういう話じゃない…… 孫文の(正確には孫文の影武者の)護衛がみんなカンフーマスターで、ひたすら武功と根性で朝廷側の襲撃から仲間たちを守り、死んでいくという展開が続きます。ここらへんはあともう一ひねりも二ひねりも欲しかったところです。

『ウォーロード』(原題『投名状』)の監督陳可辛(ピーター・チャン)がプロデューサーをつとめていますが、『ウォーロード』の方が出来が良かったなあと……

あと、我らがアニキ胡軍が今回はラスボスの閻孝国を演じてますが、この人、眉毛を剃ると悪役に見えますなあ(^^;)
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