ほんとーだあー、ジャストの社長、代表権のない会長に退いてますね
http://www.justsystems.com/jp/just/finance/j0906181.pdf(PDF)
この件に関して、ここ(2009年6月20日)に(たぶん)パッケージ会社関連で「ない」先生からのコメントがあるけど、パッケージ会社の人は、きっと違った見方をするだろうから、ま、その呼び水ということで、パッケージ会社にいた、ウィリアムのいたずら様が、独断と偏見で、ちょっとコメントさせていただきますかね・・・
まず、日本では、一般の価格帯(3万円以下)で、パッケージだけでは、ソフトウエア業は成立しません。
そのからくりについて。
小売価格の6割を、開発会社が受け取るとして、3万円なら、1万8千円。
1万人が買ったとして、1億8000万が、開発経費です。
かりに、CDただ、パッケージただ、ぜーんぶただで、その全額を人件費に渡すとすると、
年収400万の人(製造間接費を200万として、計600万)の人を、30人雇えます・・・
・・・が、開発の人が、サポートをするのは、精神的に無理なので、
(無慈悲な客が、俺は3まんだしたんだあ・・・客はかみさまだあ。。。という勢いで、
サポセンの人間の精神をぼろぼろにさせる。そのため、さぽせん電話ウケを、ずっとさせるのは無理。
ふつう、ローテーションを組むが、結局やめてしまう。そこで、この人たちは、派遣を利用するなどして、
開発とは別枠で取る)
サポセン要員+営業に10人とると、のこり、20人しかいない。
パッケージソフトの開発スタッフの担当ステップ数は、10万行ぐらい、いけるので
(「パッケージソフトの開発スタッフ」という限定つき、
パッケージの連中と、ほかの下請けの人間と、両方のプログラム、システム作る人を見てきたけど、パッケージの人のほうが、
優秀な人が多く、10万ステップくらい担当できる(=現象を言っただけで、どこがおかしいか瞬時にわかり、関係各位に、
的確な指示が出せる、また、そのチームワークが組める)人も多いよね。。。)
システム全体で200万行くらいかなあ。。。
たった、200万ステップだよ、そんで、何がかけるというの(^^;)
エラーとかチェックしてたら、Javaだって、1画面で、20000とか、そこら、いっちゃうでしょ・・・(1画面10イベントあったとすると、1イベント2000ステップ・・・くらい、モデルDB操作で行ってしまう)
そしたら、100画面しかない。
(どんなソフトにも、「ファイル」、「編集」、「表示」、「ヘルプ」に相当する機能は必要。このほかに、2、3の機能グループを追加する。この機能グループに対し、平均10個の機能をつけると、もう、6*10=60機能、これに、サブ機能をつけると、100機能ぐらいになり、各機能1画面で・・・)
ちょっと大きなシステムを作ったら、それよりステップオーバー=開発人員必要=開発経費増大=赤字なわけよ・・・
さらにだ、今のは、1万さばたとした話。
そーすると、「いや、バンクに8000、Waveに2000さばけばいいんでないの?」
(いま、バンクやWaveじゃないのかしら?卸の話)っていうのは、お偉いさんの見方。
結局、末端の小売に流れるんだから、小売が何本引き取ってくれるか?って考えないといけない。
ヤマダ電機2000,ビッグカメラ2000,ソフマップ2000、石丸1000、九十九1000、Laox1000、その他1000
流して1万、大変でしょ。
で、そのヤマダ電機に2000流したとする。ヤマダ電機の店舗が、297店舗ってことは、1店舗、7本。1店舗1年に7本売るって、結構力のあるソフトだよ・・・みんな、ソフトを並んで買ってるなんて様子、見ないでしょ?
で、ここでソフト流通の問題。
もし、返品ナシ(=バージョンアップによる交換なし)とすると、卸も怖いから、取ってくれる本数は少ない。
そーすると、ソフトハウスは干上がってしまうので、返品というか、交換アリにしたとする。
つまり、売れ残った場合、バージョンアップ品と交換する。
この契約をしたとたん、バージョンアップ「しなければならない」
じゃなかったら、売れ残ったものを、回収して、返品=返金しないといけない。これは、キャッシュ的に痛い。
ってなことで、パッケージで、キャッシュがほしいなら、返品=交換を認めることになる。
となると、バージョンアップが必要だ。
したがって、パッケージソフト会社は、常にバージョンアップ、開発が終わったとしたら、もう次期バージョン、開発要員をフル稼働させるのが普通(もっとも、リリースしたバージョンの修正もあるので、すぐにバージョンアップしなくても、稼動するんだけどね)
ってことで、人は減らせない、っていう感じになる。とくに、1発でも失敗して、交換対象品が増えたら、アウトだ。
次は、それを上回るほど、出荷しないと、採算合わなくなる。
パッケージソフト会社は、よくて、こんなかんじ。たいていはここまでうまくいかないので、結局、
・ものすごーく高価なパッケージをつくる(10万以上):ADOBE,SAP
・マシンにバンドルして、大量にさばく:Microsoft
・他の業務(受託など)をやる:管理工学研究所(松、桐)
・もっと、もーっと、利益が取れるまで小規模にやる
プログラムを小規模に:ソースネクスト
会社を小規模に:カタカナ7文字(あえて、書かないけど ^^;)
のどれか、ないしは2つ以上の組み合わせをおこなう。
ジャストは、たしか、80年代後半、90年代前半もかな?、受託を受けること(=この戦略をとった管理工学)を非難していたので、受託戦略は、まあ、取れなかったであろう。高価なパッケージ作戦である、大地は、失敗した(DTPソフト販売は流通が違う。Tooをおさえることが重要なのに、そのような戦略をとらなかった?)、バンドル戦略は中途半端(Microsoft以外、この戦略をとるのは難しい)、上場したので、小規模にやるのは無理・・・
・・・となると、やっぱ、社長がやめて、キーエンスとともに歩むしかないか?
(キーエンスの受託はアリかも。。)
というわけで、パッケージ会社は、いまの流通では採算が取れない。そこで、まあ、滅んでいった会社がおおいということだよね。
唯一創業者が残っている(関根氏)管理工学研究所は、もはやパッケージソフト屋さんじゃないし(って、桐のファン、関係者がみたら、怒りそうだが ^^;)、Linuxのディストリも、結局残ったのって、redHatとturboなの?日本じゃないし・・・
流通が変わらない限り、この状況は変わらないわけだけど、ただ、ネットによって、日本の流通が変わる可能性はあるよね。
ま、これは別の機会に書くとしよう。。。