3連休の真ん中に仕事があった
あるだけましだと思いたいが
その境地におちいっていない
いやいやの仕事は疲れる
夕方からは自分への褒美に居酒屋へいくことにした
どうせなら新しい店を開拓しようと出かけた
めぼしをつけてあった店へ向かう途中で
思い出した店があった
「お茶ぼっこ」さんのお客 宮ばあさんに紹介してもらった店 そこに行くことにした
名前もない 休みもない 店主は美人とはいえない
ただ漬物がおいしくて値段が安いそれだけだと紹介してくれた
まだ早い時間に店に着いた 暖簾はない 店先には「今出かけてます」の看板がでていた
が中であかりがついている ドアには鍵がかけてない 中に入ると
客の70歳位の女性客が二人カウンターに座っていた
イルミネーションがきらきらしてクリスマスバージョンの店だった
奥にステージがありカラオケの設備がしてあった
カウンターの中の女性店主はミニスカートをはいた60代だった
歌を唄わなくてもいいかと念を押して 席に着いた
カウンター後ろのドアを開けると外に出る そこから注文したビールを持ってきた
外に冷蔵庫があるのか外気で冷やしているのかわからないが敵に冷えていた
つまみは注文したくてもメニューがない黙っていたが適当に見繕って出てきた
どれも味がよくおいしかったが 店内が暗いのでなにを食べているかわからなかった
カウンター客の友達が入ってきた同い年ぐらいだった 店内は演歌が響き渡っている
三味線お師匠さんだというひとが 新人歌手の演歌を唄いだした 又 客が来た
高齢者だった直ぐに「ここに幸あれ」を唄いだした 80歳だと店主が言った
「千の風になって」も「吾亦紅」も唄えるそうだ
通信カラオケで新曲は何でもある 新曲も歌うそうだ
この女性達は「家でオヤジの難しい顔を見ているよりもここに来ているほうが楽しくて良い」
「お金はいっぱい持っているので ここでも飲むぐらいは問題ない」 「昨日も来たし一昨日も来た」と語った
なるほどと思った しばらくいたらマイクがまわってきた「千の風になって」を唄って店を出た
いつもの三笑亭で飲みなおして帰った