菜の花舞台の日 小土肥に早めに着いた
駐車場を確保しようと探した
おばさんが軽自動車を車庫に入れるのを
先に降りて見ている人に 駐車場を訪ねた
その人は ここには初めて来たので
わからないからと 車庫のおばさんを呼んで来た
おばさんがやってきて 親切にも その車庫の前に停めてもいいといってくれた
その上 家に寄ってお茶でもどうぞと誘ってくれた
駐車させてもらうだけでもでありがたいのに 親切な人だった
申し訳ないと思いながらも開演までは間があるのと
何よりも展開が面白くなりそうなので 遠慮なくお邪魔した
みかんや草もちまで出してくれた 「鶴瓶の家族に乾杯」のような気分になった
おばさんは息子の住む東京で暮らしていてこの家は時々草取りにやってくるだけ
普段は空き家になっているといった それでも 部屋はきれいに掃除してあり 仏壇もあった
聞くと一緒の女性も東京の画廊で知り合った他人で この日は招待されたという
年老い ここに来るのも大変になるからと 家を使ってくれる人を探していたそうだ
話をしていると また一人婦人がやってきた この人が家を使ってくれる人だと紹介された
まだ現役で働いているので夫妻で別荘に使うらしい 「温泉も引いてあるので」と喜んでいた
おばさんは知り合った人みな友だちになってしまうようだ
となりの人は宝物 声をかけなければもったいないと言う人もいるが うなずける
ガイドブックの名所を確認する旅よりも 良き出逢いがある旅は 何倍も楽しくなる
(きのうにつづく)