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見えないものを見る 感じたことを写真と文章でつづる暮らしと自然のフォト日記

下山の思想

2012-01-13 18:38:18 | 商品


興味がある題名だった 売れている本らしい
三軒目の本屋にあった 五木寛之著『下山の思想』

山は下りてこそ次の山頂を目指すことができる
登山して下山する それが山に登ることの総体である

どんなに深い絶望からも人は立ちあがざるをえない
核に汚染された大地にも雑草は生え 樹木は根づいてきた

私たちの再生の目標は経済大国と言う頂上を目指すのではなく
実り多い成熟した下山こそ思い描くべきではないのか

目指すのは山頂ではなく出発地点だ
安全に 優雅に出発点に戻り いつか再び次の山頂を目指す

時代は下山にさしかかっている そのことをマイナスと受け止める必要はない
一国の歴史も時代もそうだ 文化は下山の時代に成熟する

下山は遠くを見渡せる 足元に咲く花も撮れるどこか心に余裕が生まれる 
自分の人生の来し方 行く末を思うことができる 

実りある下山の時代を見事に終えてこそ 新しい山行きの計画もできる
ちゃんと下山する覚悟の中から新しい展望が開けてくる

本より抜粋