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見えないものを見る 感じたことを写真と文章でつづる暮らしと自然のフォト日記

受け継がれ守られていく村祭り

2012-10-14 11:50:05 | 民俗


新東名金谷ICから北へ8キロ 道は山の中腹で高所を走る
その登りきった峠を右に折れると 神尾という集落がある

大井川鉄道神尾駅からだと登ってくることになる
そこの若宮八幡神社の祭典がきょうの午後からだ 

それに先だって火起こしの儀式が朝から行われた 
桧の火鑽臼( ひきりうす)火鑽杵(ひきりきね)は こごめの木

杵を手でもみ摩擦で種火を作る 古代の作法を取り入れている 

白装束の男衆が真剣に手もみするが簡単には火は起きない
ようやく煙が出て熾火ができるとそれを杉葉とワラに移す

ワラを8文字に降り 火を大きくして釜戸の焚付けとした
その火で炊くおこわは神前に供えたあと御供物として参拝者に配る

神尾という地名からして神事にふさわしいが ちなみに対岸は神座という
神様は大きくて対岸に座った神様の尾っぽがこちらにあったとされている

神尾は街からさほど離れていないが過疎地域で
数年前まで30件あった集落も 今は16件しか残らない

それでも昔からの神事は地域の氏子によって受け継がれている
またこの辺りには地層が波状に曲がる横臥褶曲の露出も見られる

そこから峠を北へ下った福用地区の祭りではどぶろくを作る
これも長年受け継がれている伝統だ 祭りは同じ日だが 

どぶろくは前日仕込み早朝に絞られて すでに瓶に移されていた
興味を持てば近場でも見どころはいっぱいあることになる