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28日(水)午後1時30分から、下諏訪町総合文化センター大ホールで長野県町村会の主催により行われました。
▽ 開催に当たって藤原町村会長さんより、長野県の町村は人口規模、面積や気候風土など様々な特色を生かしている農山村の存続や新たな発展とともに、都市住民の若者や子育て世代において多様な価値を再評価し、活用しようとする「田園回帰」の風潮が高まりつつあり、この潮流における都市と農山村がそれぞれの役割を認識する中で、解題による問題提起、事例発表やパネルディスカッションでの議論の中で、持続可能な農山村づくりにつなげていければなどと挨拶されました。
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▽ 地元の青木下諏訪町長さんからは、今年は7年に一度の御柱があり、地域のまとまりを感じ、誕生した子供は地域にデビューする年になるなど特別な年であり、御田町商店街は「みたまちおかみさん会」などの活動により、空き店舗がない状況で経済産業省の「がんばる商店街30選」を受賞された事例などの挨拶をされました。
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▽ 解題「田園回帰がひらく未来」と題して、明治大学農学部教授 小田切 徳美氏がご講演をされました。
「田園回帰」は、20~30歳代が中心になってきて、移住者数の推移は5年間で4倍になり、2014年度では移住者が多い上位5県(長野県は3位)で全国の48%と、大きな地域差があることは、偏在は田園回帰の特徴とのことでした。
それは、「みがかれた地域」に人が集まるから、「地域みがき(づくり)」が大切であり、人口減少下でも、地域をみがき人々が輝き、選択される「地域づくり」と「田園回帰」の好循環が生まれることで、都市農村共生社会づくりの前進により、日本社会の未来が開かれることなどと講演をしてくださいました。
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▽ 事例発表「池谷集落の活動から展望する 都市・農村共生社会」と題して、新潟県十日町市地域おこし実行委員会 事務局長 多田 朋孔氏から発表されました。
池谷集落は、新潟県中越大震災でJEN等の復興支援ボランティアとの出会いから集落住民主体の「十日町市地域おこし実行委員会」を結成され、2年間で20回のワークショップを重ね、「地域復興デザイン計画」を策定しました。
そのデザイン計画の理念は、集落での暮らし・人の営みを継続させるための条件整備として、「住居・人・仕事・収入」の確保に向けて取り組まれたとのことでした。それは、米直販の本格実施、都市交流の促進・事業化を模索、後継者の育成・定住促進等のために、多くの活動をされました。
また、多くの方の手垢がついた農業後継者育成住宅「めぶき」の建設、インターンの受け入れからの移住支援、田舎での起業支援等により、平成21年の6軒13名、高齢化率62%、年少人口割合0%から平成28年は、10軒+民宿1軒24名、高齢化率38%、年少人口割合21%になったということなどを話されました。
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▽ 情勢報告「移住定住相談の状況について」と題して、NPOふるさと回帰支援センター相談マネージャー 宗像 真弓氏から報告がありました。
ふるさと回帰支援センターの問合せ・来訪者の推移は、2008年から2015年では8.7倍になり、利用者の年代推移は、2008年の50~70代の69.6%から2015年の20~40代の67.4%の逆転状況になったとのことでした。また、センターの移住希望地ランキングは、2015年は長野県であり、Iターンが断然多く、30~40台が多い状況でした。
その他、「生活はできるのか?」、「地域にうまく入れるのか、どのように地域に入るのか?」という相談内容が多く、情報収集不足や理想と現実のギャップ等による失敗事例も報告いただきました。
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▽ パネルディスカッション「移住者と創る新しい農山村」と題して、コーディネーターに明治大学農学部教授 小田切 徳美氏 パネリストに松川村長 平林 明人氏、フードコーディネーター 中村 忍氏(生坂村へIターンして、農園「ぷてぃ・べるじぇ」を旦那さんと経営)、飯島町地域おこし協力隊 木村 彩香氏、コメンテーター 多田 朋孔氏で行われました。
最初に3名のパネリストから自己紹介があり、移住の切っ掛けや現状の仕事、課題などを話されました。
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そこで、移住者が地域に溶け込むこと、移住者を選ぶことが出来るかなどの対応には、移住コーディネーターによる切っ掛けづくりやプラットフォームづくりが大切であり、行政がそれらの情報を正確に与えたり、短期のインターンシップやお試し移住の方法をお聞きしました。
田園回帰で未来を切り開けるかは、それぞれの方が現状に対して話され、行政として、移住者は多様な実態があり、定着していただくためのノウハウや情報を提供し、きめ細かい対応が必要であるなどと説明を受けました。
出席された皆さんには、しっかりと自分のお考えを話され、小田切先生の進め方とまとめ方、平林村長さんの行政の立場からのご発言、中村さんの当村での生活のお話など、とても参考になりました。
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▽ シンポジュウムが終了後、下諏訪町総合文化センター大ホール前で、中村さんを囲んで記念撮影をしました。
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▽ 地区の皆さんで植えた上生坂西手集落の曼珠沙華の風景です。
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今日生坂村では、保育園でイングリッシュランド、小学校で身体測定(高)・あるぷ巡回支援・高学年タブレット模擬授業、児童館でマラソンクラブ、ボランティア配食サービス、農業委員会、特定健診結果返却等が行われました。