音楽愛好家の筆者は考える、旧約聖書はバッハ「平均律クラヴィーア曲集」であるが新約聖書はベートーベンのピアノ・ソナタの何番を指すのでろう?
ベートーヴェンは、第14番で第1楽章に緩徐楽章をおくなど更なる多様な試みを行い、 古典派ピアノ・ソナタの最大の完成者として、そのピアノ・ソナタ集は「ピアノの新約聖書」 として知られており、音楽学生にとっては世界的に避けて通れないレパートリーとなっているそうです。
現在、我が家のエンクロージャーはIIILZ をGOODMANS AXIOM 80の箱に移植したので聴くがTANNOYIIILZ in Cabinet(Chevening)で聴くよりレンジの幅が広く聴こえる、パワーアンプも真空管に変えた効果かもしれない。特にピアノ曲はいかにもグランドピアノらしい響きが聴ける様になったことは大変ありがたい。
それにしても玉転がしには多くの真空管を買いすぎたが、これも色々聴けた楽しみであった。
しかも真空管一つで音質の変わる真空管アンプは大変道楽者ですが、嵌まると抜け出せない魅力が麻薬的だ。
現在接続ケーブル、真空管等パーツもエージングも無事進み、すべてバランスよく聴けるようになった。
綜合的には、もちろんグレードアップされたものは美音の音域も広がるものだが、これには全体的なハーモニーや音域のバランスを考慮しなければならず、パーツの一部をよくしたぐらいでは、たとえばピアノであれば、その高い音域だけがよくなるので、極言すれば、高い音と低域ではピアノ自体の音色が違い、
驚嘆な言い方をすれば、二台のピアノを左右片手ずつで弾く感じになる。ピアノの再生は微妙で難しい、パーツにも相互の相性があるからで、そのあたりの調整が腕の見せどころであろう。
将来は音質重視のLS3/5Aのポータブルスピーカーも手懐けたいが高額のため手も足も出ない事が残念でもある。
少し前のピアニストで、本日は個人的趣味でアニー・フィッシャー(Annie Fischer)1914-1995を選んでみました。
実は最近ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集アニー・フィッシャーの名盤が復活して話題のようです!
コメントをみて早速CDを衝動買い、早速聴き始めたが、実に良い演奏で気に入ってます。
勿論ベートーベンの三大ソナタといえば一般的には・・・・・・・・・
その3曲とは、 「悲愴」と呼ばれるソナタ第8番ハ短調作品13 『大ソナタ悲愴』、
「月光」と呼ばれるソナタ第14番嬰ハ短調作品27-2、
そして 「熱情」ことソナタ第23番ヘ短調 作品57のことを指している。
尚、標題は「悲愴」のみ作者自身が付けたもので、他の2曲は後世の人が曲の雰囲気から勝手に呼んだものである。
筆者の思うはビューローがピアノ音楽の「新約聖書」と呼んだベートーヴェンのピアノ・ソナタは、数あるピアノ・レパートリーの中でも中核をなす最も重要な作品群。その中でも最後の3つのソナタは、
ベートーヴェンが到達した孤高の境地が示されています。
ベートーヴェン :ピアノ・ソナタ 第29番「ハンマークラヴィーア」 Op.106 変ロ長調で始まり第30番、第31番からスタートしました。続いて1977年の第32番と続く3つの作品が該当するように思う。
● ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
● ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Op.110
● ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
ハンガリーの生んだ大ピアニスト、アニー・フィッシャー[1914-1995]。
彼女は円熟著しかった60代前半の1977年から翌年にかけて、ブダペストのフンガロトン・スタジオでベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を録音しました。
2002年に発売され話題となりましたが、長く入手困難となっていました。
当時、フィッシャーのベートーヴェンのソナタをコンサートで聴いたフンガロトンのプロデューサーが感激し、全集録音を打診。好きなだけテイクを重ねること、好きなだけ録音時間を費やして良く、結果が気に入らなければ発売しないという破格の条件を添えたといわれます。
録音は1年で完了しましたが、編集に対するフィッシャーのこだわりは果てしなく、数年にようやく一枚を許可する(数日後に却下もあったそう)というペースで、1995年に彼女が歿するまでにすべてが刊行できなかったいわく付きのものです。
フィッシャーの死後、フンガロトンのスタッフや評論家たちが検討した結果、文句なく素晴らしい出来ということで日の目を見たといわれます。
実際、ちょっと想像を絶する出来です。フィッシャーのベートーヴェンは造形が大きく、感傷性や曖昧さのかけらもありません。
テンポは早目で、聴き手の気持ちを煽るようなボルテージの高さが独特。有名な『悲愴』『月光』『熱情』など、はじめて聴く作品のような新鮮さに満ち、また緩徐楽章での語り口の巧さに引き込まれます。
正統派でありながら、こんなベートーヴェンは絶対に聴けません。
A.セーケイとE.ドホナーニより受け継いだ知的な解釈に加えて、男性的な力強さにも不足しないフィッシャーの持ち味が、ここでは見事に結実しています。
ベーゼンドルファーの深みある響きも、彼女の解釈に相応しい効果を上げており魅力的。正にTANNOYの独壇場です。
戦時中はスウェーデンに戦禍を逃れていましたが、戦後ブダペストに戻ると、夫のアラダール・トートがブダペスト歌劇場芸術監督に就任、トートがオットー・クレンペラーを音楽監督に招いた繋がりもあって、アニー・フィッシャーはクレンペラーと親交をもつようになり、
クレンペラーがブダペストを離れた後も、ロンドンやアムステルダムで共演していました。
モーツァルトやシューマン、ベートーヴェン、バルトークの演奏でも高い評価を受けており、
その演奏はリヒテルなども称賛、ショルティはハンガリー最高のピアニストと称えていました。
アニー・フィッシャーは、生涯ブダペストを拠点として活動していたため、遺されたレコーディングは少ないのですが、ここでは彼女がEMIでおこなったレコーディングを集めています。
独奏曲では、アビーロード・スタジオで録音したベートーヴェン、シューベルト、シューマンが収められており、アニー・フィッシャーの詩情豊かな演奏を味わうことができます。
そう言えば、彼女は晩年にフンガロトン・レーベルでベートーベンのソナタを全曲録音しています。
まずは、録音にどれだけの時間を費やして、好きなだけテイクを重ねてもいいこと。
さらには、(これがすごいのですが)、それだけテイクを重ねても結果として気に入らなければ発売しないという条件です。
幸いにして、録音そのものは1年で完了しました。
1995年に彼女が歿するまでにすべてをリリースすることが出来ず、彼女が亡くなった後にレーベルの独自判断で残された録音がリリースされたそうです。
このエピソードを読んで、何故に彼女が録音を嫌っていたかが少しは分かったような気がしました。
おそらく、彼女は録音を嫌っていたのではなくて、録音を恐れていたのだろうと思います。
ピアノの新約聖書も素晴らしい演奏が聴けました。ブラボー!
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