今回はパイプオルガンでのゴルトベルク変奏曲BWV 988を聴くが、実に心地よい。
300Bの球でSV-501SEとGOODMANS AXIOM80の箱にIIILZ in Cabinetを移植したもので聴くが、
今まで味わったことのないリアル感のある水々しい演奏が聴けた。
10歳のモーツアルトが弾いたハーレムの聖バフォ教会の巨大パイプオルガン聖バフォ教会のクリスティアン・ミューラー制作の大オルガンを使用。
パイプオルガンの常識を覆し、クラシックの名曲を自ら編曲・演奏してきた日本人
オルガニスト塚谷水無子が、バッハが残した名曲中の名曲、
ゴルトベルク変奏曲をパイプオルガン演奏で録音を聴く。
ハーレムの聖バフォ教会の大オルガンです(クリスティアン・ミューラー、1738年制作)。
このオルガンは巨匠マリー=クレール・アラン、ジグモント・サットマリーなど、
世界の名だたる選ばれしオルガニストのみが録音を許された世界的名器で、
音の広がり、響きの美しさ、そして存在感は圧倒的なものがあります。
オルガン版のゴルトベルクではストップを多用するあまり旋律が曖昧になり
本来の美しい響きを損ねてしまうことがしばしばありますが、
塚谷水無子のこの演奏は透き通るようなストップのみで構成し、
また過度な装飾音は控えたことにより、楽曲の本質と美しさを見事に表現しております。
オルガンの大音量が苦手の方もこの演奏を聴けばその素晴らしい音色に感動しました。
本来この曲はチェンバロでの演奏が馴染みがあり、ピアノでの演奏も多くありますが、
鍵盤楽器でそれもパイプオルガンでの演奏は録音ではワンポイント録音を採用し、
臨場感に富んだ演奏を楽しむことができます。
これぞ、まさしく真空管の300Bの独壇場の音源かもしれない。
PSVANE 貴族之声 300B(黒袴)購入後約100時間エージングしたが、落ち着いた音を奏でるようになった。
以前のPSVANEより楽器が生々しく聴こえる。
改良ロット品と明記してあるが間違いなく音質は向上したように聴こえる。
この価格で購入できるのなら今後益々の真空管マニアが増えるのかもしれない。
この辺りは明細見ても測定器で図っても、わからない部分でもあり、エージングをしなくては
解明できないのが音の不思議でもある、同様の球を購入しても同様に鳴るとはいえない。
筆者も一応真空管で聴くのは長いがこの300BのST管は基本中の基本であろう。
なお現在愛聴するSV-501STは300Bを変えてもそう効果は余り違わないと解説もあるが
書いた評論家はよほど耳が悪く、音楽も余り聴いたことがない人の記事と思う。
オーディオ解説、または評論はつくずく難しいと思う今日このごろである。
最近はまた購読する冊子も真空管に関する物が多く、大変興味深く読んでいる。
やはり基本は直熱管300B無くして真空管オーディオは語れないとまで言われる
また海外でもこの真空管製作する会社も多く、勿論本家、米国、支那、ロシア、日本と製造会社
は数多くある、安価な物が安定して供給される事を望む。
国産品の300Bも大変良いと聴くが少し価格が高額すぎ手も足も出ない。
また本体も真空管ブームの影響か安価なアンプも出回っているので注目したい。
SV-501SEの初段MT管の玉転がしも海外問わず購入したが、今回の300Bの交換での
マッチングもすべて交換したが結果は以前と同し松下製が一番相性は良く、ワイドレンジで
リアル感のある演奏も聴けた、やっとこの真空管アンプのポテンシャルが理解できたようです。
《ゴルトベルク変奏曲》(BWV 988)は、
バッハが《クラヴィーア練習曲》と題し出版した最後の作品で、
低音主題を優雅で技巧的な変奏で華やかに飾った大作である。
バロック時代に出版されたクラヴィーア曲集では最大の規模を誇り、
ベートーヴェンの《ディアベリ変奏曲》が古典派を代表する変奏曲として
広く認められているように、《ゴルトベルク変奏曲》はバロック音楽を
総括する作品としてそびえている。
1741年に刊行されたこの《ゴルトベルク変奏曲》の出版譜には、次のような表題がついている。
クラヴィーア練習曲
2段の手鍵盤のチェンバロのためのアリアと様々の変奏曲からなる。
音楽愛好家の心の慰めのために、ポーランド国王兼ザクセン選帝侯宮廷作曲家、
楽長、ライプツィヒ合唱音楽隊監督ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲。
ニュルンベルクのバルタザル・シュミットより刊行。
この曲集は二つの手鍵盤をもつチェンバロのために書かれているが、
バッハの晩年の作品に顕著な壮麗な構造美はもちろんのこと、
当時のバッハとしてはモダンで古典派の表現要素を多く提示しているのが大きな特徴である。
その曲の構造を統一しているのが、全部で32音にわたる低音主題とそれが内包する和声進行である。
その和声リズムは楽曲を通して一貫しており、全32小節から成る冒頭のアリアの各小節に一つずつ丁寧に割り当てられている。
この主題はその原形では一度も現れず、常に線的に装飾されている訳であるが、
曲によっては和声的にも多少の変化が加えられていたり、腕の交差を用いた変奏では、高音部に移行されていたりする。
このアリアは繰り返しを持つ二部形式のサラバンド舞曲で、曲の前半と後半が16小節ずつに均等に分けられている。
他の30の変奏曲も、曲の性格を決定づける拍子記号や小節数こそ変化に富んでいるものの、
このシンメトリーの構造は主題と共に受け継いでいる。
この構造の概念は、曲集全体にも明確に反映しており、全32曲は、16曲ずつに二分されている。
第2部の冒頭である第16番はフランス風の序曲であるが、
その前の第15番のカノンがト短調であることも手伝って、
華やかに幕を開けている。このように「数」とシンメトリーの概念が曲の構造の要になっており、緻密に秩序だてられている。
各曲の配置に目を向けると、冒頭と巻末に「アリア」と題された優雅なサラバンド舞曲があてがわれ、
それに挟まれるように30の変奏曲が置かれているのがわかる。
変奏のうち、9曲が厳格なカノンで、3曲毎に現れ、しかも同度のカノン(第3変奏)で
始まり最後の9度(第27変奏)まで順次上行するように配列されている。つまり、
カノンは「3」という数字によって支配されている。
より細かく見てみると、実は3曲が1組になり、それは概して自由な変奏、デュエットによる変奏(主にトッカータ)、
カノンにより構成されており、それが10組存在する。
最後の変奏である第30番は10度のカノンではなく、「クオドリベット」という特殊な曲がクライマックスとして配置されている。
長い間忘れていたアリアへと戻る際に、これまでの逸脱をはにかむバッハのユーモアが感じられる。
また、その他の自由な変奏には、2声のインヴェンション、フゲッタ、フランス風序曲、
トリオ・ソナタ、それに種々の舞曲が取り入れられ、特に曲集のクライマックスに向かって技巧的な性格が顕著になってくる。
その中でも特に迅速で派手に動き回るパッセージや、猛烈なスピードを要求する腕の交差のテクニック、
それに内声部に現れるトリルは、バッハの他のクラヴィーア曲にはあまり見られない曲芸的な技巧で、
バッハは自分が演奏の大家であることを意識的にアピールしているかのだ。
『ゴルトベルク変奏曲』を3種(パイプオルガン演奏、ポジティフオルガン演奏、
ブゾーニ版のピアノ演奏)リリースしてきた塚谷水無子。
期待の新録音は、昭和の象徴的なおもちゃ楽器でもあり幼児音楽教育の
扉でもあったトイピアノで『ゴルトベルク変奏曲』に挑戦します!
興味湧く演奏なので早速取り寄せて聴いて見ます。
収録情報
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988
塚谷水無子(トイピアノ/使用楽器:KAWAI製トイピアノほか)
録音時期:2018年12月15-17日
録音場所:山梨県小淵沢、フィリア美術館
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
多くの職人やメーカーや創り出してきた音色はさまざま、
それらを組合わせて丁寧に仕上げていくプロセスはまさにオルガンのレジストレーションと同じ!
音痴だったりメカ音がうるさかったり、
小さな楽器たちに愛おしさを感ぜずにはいられないワンダーランドの音楽世界です。
クラシック音楽ファシリテーターであり自らもトイピアノ奏者である飯田有抄との化学反応コラボ。
録音は今回もオーディオ誌でお馴染みの生形三郎が手掛けています。
今回取り上げたおもちゃとしての幼児音楽教育としてのトイピアノというアナログの楽器が、
すでにデジタル技術を使ったミニ・キーボードへ置き換えられており、
その役目を終えようとしていること、消えつつあること、
つまり昭和のあの時代へは立ち戻ることはないことへの寂寞で複雑な思いを込められています。
遊び心の中での発見は実に愉快である、ブラボー!