はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

読み比べ  フィギュアスケート「6分間練習」と「靴」

2017年01月09日 | フィギュアスケート
2017/01/09


荒川静香さんの『知って感じるフィギュアスケート観戦術』(朝日新聞出版 2013年12月発行)と
鈴木明子さんの『プロのフィギュア観戦術』(PHP新書 2016年1月発行)
の読み比べをしてみました

☆選手にとっては、とても大事に思われる6分間練習

・荒川静香さん

6分間練習が終わって何番目が有利か。
2番目か3番目がいいのです。体が冷えていなくて待ち時間が短い。
最初の選手は練習が終わった直後は体を休めるために、1分くらい早く引き上げなくてはならない。

練習でジャンプをすると氷に穴があいて、そこにエッジを引っ掛けると大変なことになるので、
本番でジャンプをする場所と違った場所でジャンプを飛んでおくのです。

リンクの大きさは場所によって違いがあり、アメリカなどは長いのです。
だから、どこでジャンプを踏み切るか、何歩でカーブに差し掛かってしまうか注意を要します。
直線でスピードが出すぎると大変です。
  

・鈴木明子さん

公式練習では絶好調でも、6分間練習では氷の状態が変わっていて、
温度が上がってやわらかくなっていたり、溶けていたりすることがあります。
ジャンプの転倒は氷の状態に左右されることがあるのです。

6分間練習では体の状態と氷の状態を読むことをしています。

練習後に選手がコーチと会話をかわす表情を見ていると、「何かがしっくりこないんだな」とわかります。


(明子さんは6分間練習では人に譲って逃げ回ってばかりいて、コーチに怒られていたそうです。
フルスピードで迫ってくる他の選手がいても、自分の調子と演技の確認、氷の状態を
確かめないといけないから大変ですね)



☆スケート靴について

・荒川さん

自分に合ったスケート靴を選ぶのはとても難しく、選手の9割は靴に満足していないと答えるかもしれません。
特注で3足同時に注文して、3足とも手作りで履き心地も違っていました。
靴は履きこんでみないとわからない。

滑りやすいけれど痛くなる靴と、履き心地はいいけど、滑るのに注意を要する靴、
どちらをトリノオリンピックで履くか迷いました。
そのときは履き心地はいいけれど不安のある靴を選びました。
というのは、痛い靴はまったく履けなくなってしまったからです。

羽生君のスケート靴はつま先のほうは防弾チョッキの素材と同じ材質でできています。
エッジはほとんど刃物なので、ステップのときにもう一方の足を傷つけてしまうことがないように。



・鈴木明子さん

選手は靴は1足のみで、スペアはありません。
氷が硬いときには刃が氷にはじかれてしまうので、
しっかり氷を押すために膝と足首をいつも以上に曲げるようにします。
重心を下げないと氷を押せないから。

オーダー靴でもフィットしないものはフィットしません。
私は既製品で同じものを3足注文します。
刃はミリ単位で重心が変わってきます。
緻密に計算して刃を取り付けても飛行機の移動中に振動でずれてしまうことがあるので、
試合のたびにコーチに調整してもらっています。

エッジカバーはとても大切で、エッジカバーを付けないでペアピンでも踏もうものなら、
もう使い物にならなくなります。
刃にちょっと溝が入るだけで横滑りしてしまうのです。

(スケート靴のエッジって、繊細なんですね
明子さんは、ソチオリンピックの時に足にまめができてしまって痛みに耐えながら滑ったそうです
スケート靴が防弾チョッキと同じ素材だなんて、優雅に見えながら、どれだけ危険なスポーツなんでしょう)
コメント
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