はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

肥満はなぜ体によくないのか

2019年09月11日 | 健康

2019/09/10

 『臓器たちは語り合う』(丸山優二 NHKスペシャル人体取材班 NHK出版)という本を読んでいます。

 

NHKスペシャルで、タモリさんと山中伸弥教授が出ていた番組を本にしたものです。

これまでは、脳が全身を支配し、その他の臓器はそれに従っているというイメージがありました。

しかし、臓器同士は脳を介さずに連携し、そのネットワークが人体を機能させているという考え方にシフトしているのです。臓器たちはメッセージ物質を出しています。メッセージ物質のことを、この本では「Twitterのつぶやきに近い」と表現しています。

いろいろ目からうろこの本なのです。

そのなかのひとつに「肥満はなぜ体によくないのか?」という問いがありました。

皆さんはどう考えますか?

 

「メタボリックシンドローム(メタボ)」ってよく聞きますよね。

それについてこう書いてあります

「メタボリックシンドローム」は日本語では「内臓脂肪症候群」と訳されます。

肥満した脂肪細胞はメッセージ物質を出しているのです。脂肪細胞の出すメッセ―ジ物質「炎症性サイトカイン」こそメタボリックシンドロームの原因なのです。

炎症性サイトカインは「敵が来たぞ」という警告サインを出して、これを受け取った免疫細胞は活性化して臨戦態勢に入ります。ウィルスや細菌感染がないのに全身の免疫が過剰に活性化している状態を「慢性炎症」と呼んでいます。

最新の研究では、動脈硬化、糖尿病、高血圧はどれも「慢性炎症」をきっかけにしている可能性が指摘されているのです。さらにがんや認知症といった病気の背景にも「慢性炎症」が深くかかわっています。

血管にコレステルールが溜まるだけでは、動脈硬化になりません。慢性炎症で過剰に活性化した免疫細胞が、コレステロールを攻撃することが原因なのです。

マクロファージは異物であるコレステロールを見つけるとどんどん食べていきます。最後にはパンパンに膨れ上がって死んでしまいます。このマクロファージの死骸が血管の壁にたまった状態が動脈硬化なのです。


肥満した脂肪細胞 → 炎症性サイトカインを出す → 慢性炎症が起こる → 発病

だから太りすぎはよくないのです。しかし、慢性炎症を鎮める物質もあります。それが筋肉の出すメッセージ物質「マイオカイン」。

運動による大腸がんのリスク低下は、今までも言われていますが、食生活の改善よりもさらに有効らしいのです。これは筋肉がメッセージ物質を出して、大腸に働きかけてがんの発生を抑えているらしい。

さらにマイオカインは、うつの予防や記憶力を高める可能性も報告されています。

筋肉の働きってすごいですね!体内でバランス取り合うようにしているのもすごい。

運動した後は気分がすっきりと晴れ晴れします。単にスリムになるとか、見かけがかっこよくなるだけでなく、病気を防いでいるのです。

「太り過ぎにならないようにして、筋肉のつく運動をする」ことが健康の源。以前からいわれていることの再認識ですけどね。こうして説明してもらうと説得力があります。

私は運動が苦手で体も弱いけれど、五十肩になって以後、体を動かすように心がけてます。フラダンス、体育館のストレッチクラス、(時々バレエクラス)、コグニサイズ。家では毎晩ストレッチとダンベル、腹筋をやっています。

この努力も健康のため、いえ、筋肉がマイオカインを出してくれるようにという願いから・・。

 

 


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