こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

近代史に通底する認識の誤謬

2008-08-09 08:12:05 | Weblog
資源に恵まれなかったこの国は 入植地と地下資源を求めて領土の拡張を図った

大東亜共栄圏という壮大な構想には 

地下資源の安定確保という意図が籠められていた


太平洋戦争の末期 原爆の投下実験を二度受けたのちに

日本は 敗戦という結末を受け容れたのだった

戦後日本の再生がどのようなものであったのかということは 経験してきた通り


戦後の困難な時代を耐えて 生き抜いてきた世代が 

今や 後期高齢者という名称でひと括りにされるようになってしまった


日本を作り上げてきたのは 我武者羅に働いてきたもの言わぬこの世代

営々と築き上げてきたこの国の資産は 

いつの間にか アメリカへと還流する仕組みに載せられていた


ドル資本に日本を買収させてきたのは 政権与党と歴代内閣を構成する面々

外資導入を政策とするようになったのは ブッシュと昵懇の間柄になろうとした

ある総理経験者がその濫觴に健在である


外資が大挙して日本へと押し寄せてきたら どうなるのか

配慮したことなど 形跡もみられなかった

市場で余っているドルを回収して円を買うのだから 当然ドル安円高になる

円高になったら どうするか


日銀が非公式に為替市場へと介入し ドルを買って円を売る


買ったドルを どうしたのかというと

5%がドルの現預金 5%が金の現物 

残りの90%がドル建ての公債に振り分けられている


ドルを買うためには 大量の円が要る

その円を調達してきたのが 財務省

短期証券を発行して 金融機関に押しつけて資本を調達してきた


外貨準備高とは これらを合計したものの総額のこと


日本がもつドル建ての債権価値は 外資導入が続く限り果てしなく下がっていく

円高が続くのだから ドル安も同じように一定の振幅で追随する道理

投下した資本を日本へ還流させるには ドルを売って円へと戻さなければならない


一旦利益が確定し経理処理が終われば ドル資本は

高くなったドルで 下がった円を買い戻す 
 
1ドル360円だった頃に買った債権は 今では110円にまで下落している

三分の一 以下


利潤の回収と再投資のそれぞれで 為替差益まで上乗せしている手口


国は外資を導入することで 回収できない不良債権をひたすら積み増してきた

円高になればなるほど ドル資産の価値は下がりつづける

下がったドルで高くなった円を買い戻せば 損失と円高とが同時に生起する

処分することができない資産だから 不良債権ということになるわけ


そんなことを繰り返して 100兆円を超える外貨準備高を抱えてしまったのだ

アメリカの意図を読み解くことなく 

ひたすら迎合し続けてきた歴代政府の姿は ま こ と に 醜いものがある



われわれはこのような国に生まれ合わせ 愚かなる政府の生贄となることによって

生活することを かろうじて許されている 

実にあわれな 存在だったのだ



アメリカが投下した二発目の原爆が 今日 長崎に落とされた

非戦闘員の大量殺戮は ハーグ陸戦条約に明らかに違反する行為


政府は 国際法廷に提訴しないまま 63年の歳月が今月過ぎ去る

一度も守られたことがない条約だからこそ 唯一の被爆体験国である日本が

率先して加害国を告発しなければならなかった



審判の結果がどのようなものであれ 日本政府はアメリカの非道を

世界に対して公式に訴える必要があったのだ


しかし 核の傘の下に隠れて 経済成長することだけに専念し今日を迎えた

その間 90年四月にはじまるバブルの崩壊を経て

積み上げてきた資産の殆どをアメリカへと移転させてしまうことになったのである 


95年の驚異的に突出した円高は ドル資本による日本攻略という意味をもつ

その年の暮にEUが正式に発足することが半年前の六月に決定している 

その直前の四月に ドルが欧州12ヶ国で余ることを察知したドル資本によって

衝動的な円買い(円資産への投機【逃避】)が一斉に引き起こされたのだった


これが あの80円を超える円高の原因だったのだ


日本の自立は アメリカの行った行為の非人道性を

世界に対して訴えたとき はじめて 成る



筋を通そうともせず 曖昧に放置したまま 

アメリカの責任を明確化しようとはしなかった

その結果
 
アメリカに迎合したがる政府を熱狂的に支持する国民が 

大量に生み出されていった


背景にできていたものは 

アメリカのための黄色い愛国者を作り出す という目的をもった

現在の教育システムの姿であった



自立していない国の愛国教育は 宗主国に対するものにしかなり得ない 
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