こ と の 端

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盛 者 必 衰

2008-11-14 05:50:29 | Weblog
おごれる者 まことに久しからず  

ドルの発行権を恣意的に使い続けたアメリカは

自らのやってきた行為を極めたその果てに

金融システムを含む経済機能全般へと

多大なる影響を及ぼし

世界最大の債務国である という迫りくる現実を前に

身を震わせはじめている


世界中の国が米国債を保有していることから

アメリカが最も債務を抱えている国であるということが やがて明白となる




ドルの発行権(シニョレッジ)を振りかざして

不遜な態度で世界を支配しようとしてきたブッシュ共和党政権の目論見は

さきの中間選挙の段階で 既に頓挫していた

権力を恣に操ってきたブッシュとその一味は 

これから糾弾される側へと立たされる


栄枯盛衰は世の倣い

真実を知る日がくるのを待つまでもなく 

凋落という結果が 先にやってきた というわけ


不正義というものは 必ず いつか 

どこかで 暴かれる


世界の覇者となることを目指していたアメリカは

自らが選択した放任型の資本主義を極めた末に

もののみごとに

金融システムを行き詰まらせてしまったのだった


石油の価値で裏付けられていたドルの発行権を乱用し

基軸通貨となっていたドルを勝手に濫発して 

ドル余り現象を世界中で生み出している

石油が市場経済を支える価値基準となっていたことから

二酸化炭素濃度は 日々あがり続けるだけの展開へと陥り

一向に下がる気配をみせようとしない

温暖化を日増しに悪化させつづけている地球は 

このところ 温帯を熱帯へと変化させるほどにまで変わってしまった


この現状をつくりだしてきたそもそもの原因は

金にとって代わった通貨システムの採用(ドル・ショック)にあった

基軸通貨であるドルの通貨価値を支えていたものは

その時以降 金から石油へと変更された


最近の数年間に関しては

先進国の蔵相と中央銀行総裁が集う定例会議の場で

国家間の金の移動を戒める相互監視体制を確認するための一文を

合意文書の中に盛り込んだものが毎年発表されるようになっている


石油を消費しない経済政策をとれる国は もともと存在しなかった


戦後の経済復興を急ぐための共通基盤とすることを目指して 

ブレトンウッズで採択された

ドルを基軸通貨と定めた戦勝国グループのあの時の合意は

終戦の一年以上前に実施されていたものなのだ


国際社会の保安官となることを目指していたアメリカは

戦争の終結を急ぐ必要に迫られていた

コムニズムが台頭する機運が濃厚となっいく状況だったとしても

原爆を用いる示威行動を実施したその拙速を正当化し

かつ合理化することができる理由など この世にあろうはずがない


今回の選挙で大統領が代わったからと言って

問題の根源となっていた石油・ドル本位制というものを

あたらしい枠組みへと切り替えるなどということは 

できない


深刻化した金融危機を乗りきるためには 

ドルの権能を更に強化しなければならない と世界中で信じられている

この誤った認識は 

石油の価値を安定的に高めておかなければならない という意味をもつ

したがって

温暖化現象はこの先も 当分の間 

続くことにならざるをえない


問題の持つ本質の部分を理解することができてさえいれば 

有効解が何かということは すぐにみえていたのだった

それには

現象を成り立たせている要素群を 可能な限り漏れなく洗い出し

見比べてみる という方法しか打つ手はない


要素を抽出してしまえば

要因を分析することなど いともたやすい作業である


問題の所在が判明したら 解はその裏面に書かれているものなのだ


迷妄の原因は 

何が問題なのか ということそのものが

あやふやなままになっていた という点にあった

既存の慣れ親しんできたシステムを 権威が守ろうとすればするほど

状況は どんどん 悪化していく

その極めつけが 

金融機能をマヒさせた今回の信用収縮というものであった


基軸通貨となっていたドルの発行権を最大化してきた米政権が

膠着状態へと陥ったイラク戦争で失った体面を繕おうとしてきために

十万人を超える将兵を 

長期間

中東地域へ展開させておかなければならなくなってしまったのである


その戦費を 増税なしで 速やかに調達しようと謀ったことが

原油相場を強引にひき上げる結果となり

ドルの需要そのものを嵩上げするという結果を生み出したのだが

このことが 世界的なインフレと

金融破綻へとつながるドル余り現象を急速に加速してしまったのだった



貿易黒字国ではドル安政策によって

高められたローカル通貨の価値を復元させる目的で

為替市場への介入が 何年も前から行われるようになっていた

当該国の中央銀行が買い支えたドルの総額は

外貨準備高とよばれ 取り戻すことのできない不良債権となっている

米国債の発行元である米政府は この方法を頻繁に用い

議会の承認を経ることなく

イラクで使うための戦費を 滞りなく調達することができたのだった


発行し過ぎたドルは ドル資本の手によって速やかに回収され

いろいろな国の市場へ投資されていった

これが 俗にいうドル安政策というものの本質であった


そのドルの過剰流動性が 米国の国内市場へも向けられたため 

住宅需要を底上げすることで 

国内経済を浮揚させようとした低所得者向けの住宅を担保とする貸付競争が

はじまったのだった
 

所得水準が向上する前に 借り入れた金利の方が先に上がったことから

計画したのとは正反対の結果である 

債務不履行という拙い現実が生み出されてしまったということなのだ

これが

サブプライムローンと呼ばれる金融破綻の原因になっている


アメリカが栄え続けることなど 固より不可能な話であった

経済原則を無視し ドルの発行を強行しつづけてきたその果てに

自らの手で 営々と構築してきた資本主義体制を

もののみごとに追い詰めてしまった

ということができるだろう



今回の金融危機を 当事者たちは

どのような方法で正当化し

万人を納得させる説明へと転化しようとするのだろうか? 

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