ワイズクリエイトを日本橋小舟町で設立したのが1999年11月でした。大中判カメラ専門店のオープンを知らせるべく、開店前後の数週間に日本橋界隈に自転車を使ってポスティングを敢行しました(若かった)。マンションポストに投函しようと夜間の防犯灯に照らされてビックリした事も何回もありました。投函枚数は一万枚近くにも及びましたが・・・・・その結果、今でもこのポスティングが縁でお客さんとしてお付き合い頂いている方が数人います。その中の一人が日本橋・大伝馬町で開業医をされていたSさんと言う女性でした。2000年の正月に「写真を始めたいと思うのですが・・・」とポスティングスしたハガキを持って来店されました。結果、初めて使って頂いたのが富士GA645ziで写真家の山崎正路さんの基礎勉強会コースを受講頂き、その後はペンタックス645へステップアップされ、更に大判カメラ・リンホフを使い写真家の石橋睦美さん、花畑日尚さんの撮影会にも積極的に参加されメキメキと腕を上げられていきました。そのSさんには個人的にも大変お世話になって、私が帯状疱疹になった時や尾瀬の水にあたり数日間唸っていた時、インフルエンザに掛かった時、喘息を発症した時など、まるで主治医さんの様に対応して頂き足を向けて寝る事の出来ない人にもなりました。そのSさんが数日前に来店され昭和56年に開院し地域医療に尽くした医院を昨日10月31日で閉院するとご挨拶のお手紙と大判カメラで撮影した作品5点と共にお持ち頂きました。挨拶文の中にはスタッフの皆さんや前述の3人の写真家と私に対する感謝の言葉も綴られていました。少し寂しい話ですが何時も多忙だったSさんも、多少は自由な時間が出来ると思いますので好きな写真を撮影頂けたらと思います。本当にお疲れ様でした。