座敷ネズミの吉祥寺だより

吉祥寺って、ラッキーでハッピーなお寺ってこと?
中瀬の吉祥寺のあれこれをおしゃべり。

古い大般若経の帙

2010-02-14 | 古いもの
去年、落慶式の後片付けが一段落してから 住職と物置の整理をしました。

出てくる、出てくる!

役に立たないような ガラクタばっかり!(笑)

その時に出てきたものの中に、古い大般若経のケースがありました。





帙「ちつ」と呼ばれるケースです。

この中に お経本が入っていて 擦り切れたりするのを保護してくれていました。




  

転法輪と唐草の模様です、こんなのがどっさり出てきました。








外側は紙ですが、内側には うす~い、うす~い 板が挟まっています。

これで ガッシリと 中身を守ってくれていたんですね。





しみだらけの、虫食い穴だらけのもアリ。








おや、文字が書いてあります。

天保年間ですか。

天保9年2月。

天保9年は 1838年。

徳川斉昭公が 幕府に意見書を提出した年だそうですよ。

天保と言えば、「棟札 その1」に書きましたように、
当時の観音寺の山門が成ったのが天保2年。

現在の川の土手の向こうに 観音寺というお寺があって、
なかなか凝った造りの堂舎や山門が すでに建っていた頃なんですねえ。







おっと、出ました! 乗圓さん。

明治36年3月、新井乗圓さんの時に 修復なさったんですね。

棟札 その2」に書きましたように、
新井乗圓氏が観音寺を兼務して 山門を修理なさったのが明治15年。

それから16年経っています。





こちらは明治35年の2月になっています。

新井乗圓さん、意外とお茶目。

「新井」を「安楽居」と書いていますよ。

晩年の、ご隠居生活の頃だったんでしょうか?








こちらは観賢さんの代に 修理が加えられているようです。



こうして 何代にも亘って 修理を繰り返して
何十年、何百年と 使われてきた大般若経なのですね。





吉祥寺の大般若、今年は2月20日(土)です。



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