野球少年は夢を見る…MLB篇

Major League Series 2022

長谷川滋利、引退!(23日)

2006-01-23 20:29:44 | Seattle Mairners
 勿体ない、と思う。まだやれるのに、と思う。確かあと1年で年金(MLB選手会)を満額で貰えるはずだが……長谷川滋利(前シアトル・マリナーズ)引退! 読売ジャイアンツからのオファーを断って、ロサンジェルス・ドジャースとサンディエゴ・パドレスが有力な移籍先として挙げられながら、この決断。潔いと言うか……本当に勿体ない。

 マリナーズでの4年間の内、後半の2年間は苦しいシーズンだった。チームは最下位に低迷し、自身のピッチングも不調に陥った。2003年に2勝4敗ながら、防御率1.48で16セーヴをマーク。生涯初のクローザーを任され、“大魔神”佐々木主浩(引退)が去った後のチームの窮地を救った。
 その年、夢のオールスターゲーム出場も果し、その年がピークだったか……2004年と2005年の悪夢。チームの世代交代の波に押され、敗戦処理要員に甘んじ、その敗戦処理さえ、若手の貴重な経験の場である為に、その役目さえ奪われ、ブルペンで所在無く座っているしかなかった。この悪夢……

 この2年間が長谷川から「気力」=モチヴェーションを奪ってしまったのかもしれない。思えば、アナハイム・エンジェルス(当時)からシアトルに移籍した2002年に古巣エンジェルスが優勝=ワールドチャンピオン(世界一)になった。この不運……
 長谷川がアナハイムに在籍した2000年と2001年にはシアトルがポストシーズンに進出。長谷川がシアトルに来てから、チームは下降線を辿っていった。悉く優勝に恵まれなかった長谷川。それだけが「悔い」だろう。その「悔い」があるから、まだ現役を続けるものだとばかり思っていたが……

 お疲れ様、と言いたい。メジャーリーグで9年間も戦ってきた。1年や2年で挫折して、日本に帰ってくる選手がいる中、この9年間は≪珠玉≫の歳月だった。だが、野茂英雄(元タンパベイ・デヴィルレイズ)のように、ボロボロになってまで現役に拘る、そんなスタイルは好まなかったのかもしれない。
 残念がっているのは、日本のファンだけではないだろう。長谷川の≪熱投≫を目に焼き付けたメジャーのファンも、長谷川の「現役」を信じて疑わなかったことだろう。セットアッパー(中継ぎ投手)が不足しているメジャーのGMや監督たちも、その決断を惜しんでいるだろう。
……日本人メジャーリーガーの成功者が、また一人去っていった。

マリナーズ長谷川が引退 23日表明(MAJOR.jp)