jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

FLUTE FEVER / JEREMY STEIG

2018-03-25 | ジャズ・その他sax等

  

 

上がオリジナル・カヴァ(盤は国内盤)、下はタイトルも”FIRST ALBUM”と変えた国内盤。

国民性の違いがこれほどハッキリ出ているカヴァも珍しく、オリジナルはスタイグ自身が絵と裏のイラストまで手掛けている。

ただ、これでは流石にスルーされるリスクを回避しようとしたのか、曲名をズラリと並べている所が如何にもメジャー・レーベルらしい。

その点、国内盤は雰囲気一発に賭けている(笑)。日本人好みのいいショットですね。

この作品は、一見、超マイナーに思えるのだが、意外によく知られている。内容の良さもさることながらイマジネーションが膨らむ「一発勝負カヴァ」によるところも大です。

 

もう一つ、エヴァンスの”WHAT'S NEW’の存在です。曲目もどことなく似ており、2曲は同じ。

エヴァンスは”FLUTE FEVER”を当然のように教材にしているフシがあり、”FLUTE FEVER”はスタイグの動とザイトリンの静のコントラストをベースにしているのに対し、”WHAT'S NEW”は二人の交流を浮き出させている。

特に同じ2曲は徹底分析、否、解剖までしているようだ。

”Lover Man”はまるでデュエットのように、”So What”ではクライマックスでザイトリングはスタイグに呼応するが、エヴァンスは逆に手を止めている。また、キーとなる二つの音からなるべく離れないようタイトなプレイを。エヴァンスの眼に・・・・・・・・・・

そもそも”FLUTE FEVER”は驚異の新人のデヴュー・プレゼンが主眼なので、比較するのは無理な話。

ただ、エヴァンスが”FLUTE FEVER”をベンチ・マークにした、と言ってもおかしくないほど本作に内容があるというワケです。


オッ! B・EVANSが ・・・・・  GOLDEN MOMENTS / TONY SCOTT

2015-12-26 | ジャズ・その他sax等

 

 

こんな一枚が出てきた。右上にPROMOTION COPYとプレス印が。

 

当時、エヴァンスのボスだったT・スコットがプライベート録音した音源をMUSEから、1982年にリリースしたブツ。1959年8月1日と8日にNYのクラブ‘SHOWPLACE’でのライブ。

 

リーダーのスコットには申し訳ないが、モダン・ファンの目がいくのは、やはりリズム・セクション。

MUSE側(多分、スコット自身も)もその辺りよく承知して、いきなりエヴァンス・トリオで‘Like Someone In Love’からスタート。途中、一瞬音が途切れ「ヤバイ」と思うが、後はそうしたアクシデントはなく音も心配するほど悪くない。

 

収録曲は、

A面が‘Like Someone In Love’、‘Walkin'’、‘I Can't Get Started’、

B面が‘Free And Easy Blues’、‘My Melancholy Baby’

 

 

それにしても観客のうるさい事!今では「天下のエヴァンス様」だが、当時、ここにいる人達にとっては「誰?それ」てな感じですね。

 

騒がしさと無関心さに業を煮やしたエヴァンスが「お前ら、いい加減にしろ!」とばかり鍵盤を叩きつけ、どやすハプニングもあり妙な臨場感が漂っている。通常は「ボツ」だが、スコット?の粋な計らいか。

全体に緊張感はなく、50年代の大らかさに包まれている。

 

 

本作は既にリーダー作を2枚リリースし、あの‘KIND OF BLUE’にも参加しているにも拘らず書生気質のエヴァンスと、異質と思われるラロカとの組合せが貴重か。

 

なお、続編‘I'LL REMEMBER’もありますが未聴です。 

 

 


エロぃす! ・・・・・ THE COOL SOUND / PEPPER ADAMS

2015-11-08 | ジャズ・その他sax等

 

 


とてもバリトンsx奏者のアルバムとは思えないカヴァ、アダムスのリーダー2作目。

 

 

アダムスのイメージとCOOL、しかもRED、そして決して育ちが良いとは思えない・・・・・・・・

でも、このギャップこそ、REGENTでしか出せない「味」か。

 

 

パーソネルは、

PEPPER ADAMS (bs)、BERNARD McLINNEY (euphoniun)、HANK JONES (p)、GEORGE DUVIVIER (b)、ELVIN JONES (ds)

録音は1957年11月19日

 

A、B面、各2曲で種も仕掛けもない純正ハード・バップがたっぷり聴かれる。しかもフロントは低域2管で、ハードなバリトンと柔らかなユーフォニアムと対照的。

この作品、好き、と言うファンが結構いますね。

H・ジョーンズのpが良い味を出しています。ただ、所有する盤は国内盤だからかもしれませんが、E・ジョーンズのdsは奥に引っ込んでいる。



今日のような雨の午後、偶には大らかなジャズも良いもんだ。

 

それにしても「エロいな」。絵ぽく見えますが、写真?ですね。