jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

もう一つの”Stolen Moments” ・・・JAZZ CONFERENCE IN EUROPE / CURTIS FULLER AND THE AMBASSADORS

2022-11-25 | Legacy of Freddie Hubbard


 

一昔前、地元の円盤屋で安く手に入れた一枚。ある時、吉祥寺のオープンして間もない廃盤屋(個人店)へ行くと、この作品が一番、目に付く場所に飾ってあった。青摺りのモノトーンがカッコ良く見えるからだろう。気になる値段は地元と殆ど変わらず、ヤッパリと思ったけれど、ここは東京、吉祥寺、そんな安価なものをわざわざ飾るワケはないだろう、と目をこすってよく見ると、一桁違っていた(笑)。たしか諭吉が3枚でお釣りが少々でした。

流通上、米SMASH盤が一般的ですが、このオランダ・フィリップス盤とカヴァが異なり、ややインパクトが弱く内容の良さの割に軽んじられている。

中身は1961年3月10日、スイスのチューリッヒで行われたQ・ジョーンズ・オーケストラ公演のメンバーの内、10名がコンサート後、アフター・アワーズ・セッションで演奏した音源で、建前上、C・フラーのリーダー作になっている。全4曲ですが、腑に落ちないのがB-1の”Stolen Moments”です。いきなりハバードのソロで始まり、E・ディクソン(ts)のソロも途中でフェード・アウトしてしまう所です。

 

 

 

 

長年の疑問が氷解した作品が1984年にリリースされた発掘盤(マーキュリー)のこちらです。

 

 

似たようなカヴァがあるので紛らわしいけれど、コレが1961年3月10日、スイスのチューリッヒで行われたQ・ジョーンズ・オーケストラのライヴ音源です。ここにフルサイズの”Stolen Moments”が収められている。

ステージでQ・ジョーンズに紹介されたF・ハバード(tp)の5分半を超すロング・ソロについて、ライナー・ノーツでD・モーガンスターンは、

「”Stolen Moments”が初めて収録されたO・ネルソンの名作”BLUES AND THE ABSTRACT TRUTH”(インパルス盤、1961.2.23)からほんの二週間ほどしか経っていないにもかかわらず、ハバードは全く違う、しかも同等の素晴らしいソロを吹いている。僅か23歳(実際はまだ22歳)にしてこれほどまでに格調高く、自信に満ち、独自性に富んだ表現力を身に付けてけているのは驚嘆するほかない」と語っている。

Q・ジョーンズがハバードを演奏の前後、二度も紹介しているのも頷けます。

話を本題に戻すと、頭の部分をカットし、終りをフェード・アウトしてまで本番の一曲を流用した理由は、制約上、4曲共、コンサート後の演奏と見做すことにより、このハバードの名演を何としても埋もれさせず、世に出したかったのでしょう。関係者の熱い計らいです。いい話ですね。ハバードをカヴァのセンター(右がフラー)に据えたワケも解けます。

なお、フィリップス盤、SMASH盤、共に翌1962年にリリースされている。フィリップス盤(モノラル)は音がリッチでヴォリュームを入れると俄然、リアリティが増します。

 

 


かっては知る人ぞ知る・・・・・ 永保寺(岐阜県多治見市)

2022-11-19 | 日記・エッセイ・コラム

 

あまりの好天に思いつくまま車を走らせた。途中でデジカメのSDカードを抜いたままだったのに気付いたが、もう遅い。永保寺(えいほうじ)までの到着時間が15分を切っていた。こうなったら、最近、ガラケーから切り替えたスマホのカメラ性能を試す絶好のチャンスと割り切った。

今から30年ほど前、何気なく寄った永保寺の紅葉模様に脳天をぶち抜かれた。夜半過ぎの雨、風の後、見事に色を染めた落葉が境内の隅から隅まで覆い尽くし、木漏れ日が差し込む中、まるで見知らぬ世界にいるような錯覚を覚えた。それまで、紅葉なんてジジババが楽しむものだとばかり思っていたが、認識が変わった瞬間だった。

 

 

 

 

シンボル・ツリーの樹齢700年と言われる大イチョウです。

 

 

 

 

 

 

臨済宗南禅寺派、1313年(正和2)夢窓疎石により創建される。

かっては、知る人ぞ知る「紅葉の名所」でしたが、最近は・・・・・・・・、今日も関東ナンバーの大型観光バスが4台も止まっていた。タイトルは「下呂温泉で泊る香嵐渓紅葉ツアー」でしたよ(笑)。下呂へ行く途中ですね。

それはさて置き、ここのお寺のちょっと面白い所があります。実は専用駐車場からお寺に入る前にJR中央西線(名古屋ー塩尻間)の踏切を渡らなければなりません。こちらは名古屋方面の列車です。上り、下り、結構の本数が通ります。駐車場にある茶店で一休みしている間に、少なくとも5~6本は通過していきました。

 

 

上から二つ目の画像をUpしてみましょう。国宝の「開山堂」です。列車がすぐ後ろの木立の中を音を立てて走り、隙間から車体も見えます。こんなロケーション、珍しいですね。

なお、この建物は1382年頃、足利尊氏により建立されたと言われる。拝観料ナシも今では貴重ですかね?また、駐車料金もナシです。

 

 

ところで、スマホのカメラ性能って上等じゃないですか。前回の香嵐渓はライカ(パナのOEM)で撮りましたが、素人目にその差は分かりません。

 


燃える紅葉 ・・・・・香嵐渓 2022

2022-11-17 | 日記・エッセイ・コラム

 

 

今年の色付きは10年、否、20年に一度との情報を耳にしたので、15日(火)に行ってきました。平日なので大丈夫かなと思いましたが、念のため迂回路(南下)で大正解でした。153号線を北上する通常ルートは駐車場を探す車で大渋滞している。自分は少し離れていますが秘密基地を知っていているのでスンナリと。

 

 

すれ違うたびに「わ、キレイ!」、「凄い!」、「こんな良い天気で紅葉、幸せ!!」と若い女性の声が飛び交っている。いつもはスマホと睨めっこしているけど、今日はさすがにスマホを立てている。若い女性のグループが多いのは結構なこと。紅葉、川、橋の三点セット、もう決まりですね。

 

 

しっかり色付いた枝の下、昼ごはんが進みますね。

 

 

三州足助屋敷の前です。

 

 

ここは薄暮からライト・アップされる小径ですね。若いカップルには最高でしょう。羨ましい~

 

 

 

 

香積寺(こうじゃくじ)の山門を出た所で、先は下りの石階段、もう、画像では伝えきれないほどの雰囲気、抜群です。要するに腕が下手なんですね。周りはカメラマン、ウーマンが一杯で順番待ち状態です。階段を下りる二人のシルエットをもっと大きく、わかるように撮りたかった。

 

 

落着いた深みの有る紅葉を期待するなら、今度の週末でしょう。でも、この燃え盛る紅葉も見応え充分です。

 

 

 


秋空に背伸びする大型クレーン

2022-11-15 | 日記・エッセイ・コラム

 

気温が下がり空気が澄んでいる。自転車に跨り、ペダルを漕ぎだす。早朝の風がウィンド・ブレーカーを突き抜けてくる。極暖ヒートテックはまだ早いか。

7~800坪ほどの敷地面積に鎮座していた鉄筋コンクリートの大豪邸が跡形もなく破壊され、大型クレーンがまるで勝利者宣言のように拳を挙げている。他人事ながら今まで固定資産税が大変だったでしょう。跡地にマンションが予定されている。余計な推測だが相続問題が発生したのだろう。固定資産税でしっかり取られ、更に相続税でガッポリ取られる。この国は税金だらけだ。

 

こちらは以前、Upした「サンプラザ ・シーズンズ」(旧名古屋サンプラザ)跡の状況です。3本立ちです。

 

 

少子化、空き家問題が叫ばれる中、マンションばかり立てて、どうなるのか?

気持ちよさそうに澄んだ青空に背伸びするクレーンに虚しく問い掛けた。


美味しさに酔いました ・・・・・醸し人九平次

2022-11-11 | 日本酒・洋酒

 

東京にいる娘が出産のためお盆休みから里帰りしていた。無事、男の子が生まれ、先日、お宮参りを済ませ東京へ送り出しました。三ヶ月間、面倒を見たカミさんのサポートぶりには頭が下がります。今の若い男の人は兎も角、昭和前半生れの男は何の役にも立ちませんね(汗)。

名古屋駅で見送った後、ちょっと美味しいお酒でも、と思い、高島屋の酒売り場へ。「醸し人九平次」が目に留まりました。

 

 

 

 

一安心したのでしょう、「醸し人九平次」の美味しさに心から酔いました。


密かな愛聴盤 ・・・・・ REー ENTRY / CHARLES SULLIVAN

2022-11-06 | ジャズ・tp

 

現役時代、所用で大阪へ行った際、時間が有れば天王寺の交差点の角のビルの地下にある「トップ・シンバル」に寄っていた。ここは筋金入りのジャズ喫茶、ハード・バップ生一本と言う雰囲気が充満していて好きな穴倉だった。初めて寄った時、レコード・リストを見せて貰うと、このアルバムがあった。本作を置いてあるジャズ喫茶は意外の少なく、まさか、とちょっと驚き、リクエストすると、マスターも「これ、お持ちなんですか」と少々、驚いた様子だった。

C・サリバンと言っても、今となっては首をひねる人の方が多いかもしれないが、一度聴けば決して忘れられない程、素晴らしい出来映えです。

一曲目のサリヴァンのオリジナル”Re-Entry”、アップテンポでドライブ感溢れる演奏は、圧巻。ギュッと聴き手の神経を捉えて離さない。ペットが冴えに冴え渡るし、バロンのpの凄みは今では信じられないほどです。
巷で代表作と言われる”The Moment”の演奏がまるで余興のように聴こえる。いくら褒めても、バロンからは素っ気ない言葉しか返って来ないそうで、それも当然。バロン自身が一番良く知っているからだろう。

一転して2曲目のバラード「ボディ&ソウル」。うぅーん、これも痺れますよ。力量を問われるバラード演奏だが、実に堂々としたプレイに言葉を失う。知られざる名演とは正にこのことですね。

A面はtpカルテットですが、B面はルネ・マクリーン(as)が入ったクィンテットで全て、サリヴァンのオリジナルが続き、これがクールで小粋な演奏が収められている。土台となるバロン(p)、B・ウィリアムス(b)、B・ハート(ds)のリズム・セクションも出色の働きを聴かせる。

 

 

このアルバムのWHY NOTレーベルは、自分の記憶に間違いがなければ、1969年頃、SJ誌が主催した懸賞論文で主席の賞に輝き、その後、ジャズ評論家の道に進んだ悠雅彦氏が、1975年、トリオ・レコードと立ち上げた我が国のジャズ・レーベルで、その内の一枚です。録音は1976年8月17日、NYで行われている。気合はハンパじゃない。

なお、風の便りでは「トップ・シンバル」は10年ほど前?に店を閉められたそうです。記憶に強く残るジャズ喫茶でした。