jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

やはり文句なしの名盤だった ・・・・・ THE MAGNIFICENT / THAD JONES

2022-12-30 | ジャズ・tp

 

今年の最終便です。「鳩のサド」でお馴染みのアルバムを。

先日、DU名古屋で高額のプライスが付いていた一枚。昔から常連盤なのでさほど驚きはしなかったが、以前の記憶よりかなり値上がりしていた。このクラスは上がることはあっても下がることはないので当たり前と言えばその通りですね。手持ち盤は前回の”INDEED / LEE MORGAN”と同じ再発UA盤です。

ちょっとした思い出があるレコード。初心者の頃、地元のレコード店で時々顔を合わせる内に知り合いになった同い年の慶應ボーイがいた。中学の時からジャズを聴き、知識が豊富でいろいろ教えてもらった。卒業後、レコード店で久し振りに会うと、「最近、新しくオーディオ・ルームを作ったので聴きに来ないか?」と誘われ、出掛けると、次元が違うオーディオ・ルームにビックリした。大きな工場を経営する会社のボンボンで倉庫として使っていた建物を改装し、20坪を超す広さに天井も高い部屋にALTEC A7がでーんを据えられていた。もっと驚いたのは、コンクリートのSP台がフローリングをくり抜き、床下の地面に直に置かれていた。無用の振動を遮断するためです。そこで最初に流れたレコードがコレなんです。今まで聴いたことがない、そんじょそこらのジャズ喫茶でも太刀打ちできない程の音が溢れ出した。二つのSPの真ん中上方の空間に柔らかく、それでいて輪郭が崩れないサド・ジョーンズのtpが浮かび上がり、どう表現したらよいのか言葉を失った。そのころ、安アパートでちまちましたシステムで聴いていたけれど、バカバカしくなり、しばらくの間、聴くのを封印した(笑)。

その後、本作を購入した時、複雑な気持ちで一度だけ針を降ろし今日までそのまま。カヴァにシュリンク(シールド・フィルム)がまだ付いたままなので画像がてかり気味なのはそのせいです。それどころか、B・ミッチェルのtsが入ったクインテットでさえ忘れ、リズム・セクションのメンバーも初めて気が付き驚いたほどです。TOPの”April In Paris”は定評ある名演ですが、ラストの”Thedia”でのミッチェルとジョーンズの長めのソロも負けず劣らず素晴らしいです。

マイルスやエヴァンスを押さえて、あの若さでこの渋い一枚を一番にチョイスした慶応ボーイのセンス、感性は今思えば並み大抵ではありません。言い換えれば、自分の半世紀先を既に聴いていたのだから ・・・・・・(笑)。それ以後、会う機会がありませんでしたが、元気にされているだろうか?

なお、前回の”INDEED”同様、再発UA盤にしては上等な音です。

 

今年も残り一日となりました。一年を振り返ると喜ばしいこと、嬉しいことがありましたが、そればかりではありませんでした。でも、総括してワン・ショットで表すと、こちらです。誰が撮っても同じ景色になるでしょう。けれど、それぞれの想いが籠められ、同じものは一枚もありませんね。

 

 

この一年、訪問を、リアクションを、そしてコメントを頂いた方々、ありがとうございました。

皆さん、よいお年をお迎えください。


所有欲を擽る ・・・・・INDEED! / LEE MORGAN

2022-12-26 | ジャズ・tp

 

少し前、ディスク・ユニオン名古屋へ初めて行った時、確認できた最高値は諭吉が40枚でお釣りがほんの僅かの”INDEED / LEE MORGAN”だった。緑がかったモノトーンが何の説明も要らず”BLUE NOTE”を見事に象徴している。Goldmine誌(2nd Edition、2004年発刊)では、アドレスがLexington Ave.のNMで最高値、W.63rd St.になると、何と1/3に低落する。恐らく、レキシントンものでしょう。ブツのコンディションによりますが、レアものは年が経てば経つほどヴィンテージ価格は上がり続けます。で、自分も持っていますよ ・・・・・・と、胸を張って言いたいところですが、70年台後半?に、直輸入盤として再発されたUA盤です(ガクッ)。

ところで、本アルバムのオフィシャルのタイトルは”INDEED”なのか”PRESENTING”なのか?Goldmine誌を始め、ジャズ本を見ると 通称の”INDEED”でいいようです。

 

 

このUA盤はMONO盤ですが、その時代(70年代後半)、果たしてモノラル・カッティングされているか、不明なので、SHURE44Gに一応、ステレオ盤もOKとされるDUオリジナル?のJICO・N44G MONOを装着して聴くと、これが意外にGooなんですね。ひょっとしてモノラル・カッテイングされているかもしれない。また、RVG印はなく、かえって良かったりして(笑)。

 

 

内容はリアル・タイムで入手して以来の聴き込みですが、「初リーダー作、それもまだ18歳!」というキャッチ・コピー以上でも、以下でもないと、再度、同じ思いをしました。18歳ならではの覇気、若さをもっと前面に出して欲しかった。シルバー、ウェア、フィリーの猛者たちに囲まれ妙に老成し、ビビらないようわざわざ呼んだフィラデルフィア時代の仲間、C・シャープ(as)も一本調子で全体のレベルを下げ、逆効果になっている。この辺り、ライオンの読みからはずれ、規格内に納まっている。

ただ、オリジナル盤価格とのギャップの大きさが、モーガンの人気の度合いと比例し、高嶺の花ですが、所有欲を擽る一枚に違いありません。


街道を行く ・・・・・歴史国道・東海道「藤川宿」

2022-12-23 | 街道

 

先日、岡崎城に行った際、藤川宿(岡崎市)のまち歩きマップを入手し、なかなか出来が良くて再度出掛けた。江戸から37番目、岡崎宿の一つ前の宿場町です。

国道1号線沿いの町並みですが、間に名鉄名古屋本線が走ると言う土地環境で、60~70キロのスピードでバンバン走る1号線からのイントロを見落とし、結局、1号線沿いの道の駅に車を停め、人専用の狭い踏切を渡り東海道に出ました。ちょっとタイム・ロスを。

 

 

さすが東海道、町並みは整然と小綺麗に整備されていて、車の通りもかなりあり、よくある宿場町のイメージと異なります。

旧東海道で最も古いと言われる江戸時代の町屋の「銭屋」です。

 

 

こちらも格子に歴史を感じる江戸末期の米屋です。

 

 

 

存在感、抜群の粟生人形工房です。

 

 

この宿の見所の一つ「藤川の松並木」です。長さ1㎞に百本の黒松が並ぶ景観を今に留めている。偶々、車の姿は有りませんが、交通量は多く、スピードが出ているのでぶらぶら歩きはちょっ難しい。

 

 

端折った記事内容になりましたが、まち歩きマップを片手に時間を掛けて散策すると、規模は大きくないけれど、思いの外、一味違う歴史国道、宿場町を楽しめます。

 

追記(12/24)

朝、陽の光とは異なる明るさに目が覚めた。外を見ると一夜にして雪国になっていた。

積雪は10㎝を越しているなぁ、と思いながら、測ると7㎝と意外に少なかった。でも、この辺りでは数年ぶりの大雪です。30~40㎝、或いは1m近い積雪量の地方では・・・・・・

 

 

3、4日前、草津温泉~軽井沢方面に遊びに行っていた友人からのメールでは、ランクルにも拘らず、かなりハードな運転を強いられたようです。「お前には無理だね!」とまで言われちゃいました(笑)。彼はベテランのスキーヤーで雪には慣れているはずですが、すきを突かれた(準備不足)ようです。

 

 


街道を行く ・・・・・ 中山道 大湫宿

2022-12-19 | 街道

 

カフェー青漄荘を訪れた際、地理的に旧中山道 大湫宿が近くにあるのではないか、と思い、女神に尋ねると、目と鼻の先ではありませんか。車で2~3分でした。江戸から47番目です。

 

 

 

 

直ぐ駐車場が見つかり、ぶらぶらしていると、後ろから張りのある女性の声がする。振り向くと、また女神が二人、手招きで「こちらへおいで・・・・・」と呼んでいる。今日は妙に女性の受けがいいね。DIESELのおかげかな?(笑) 久しく女性から声を掛けられる事がなく、浮き浮きして言われるままにこの立派な建物に連れ込まれた。ここはかっての商家・森川家の屋敷で何のことは無く、現在は観光案内所を兼ねていた。

 

 

いゃ~、江戸時代後期の屋敷の内部は、もちろん、庭も手入れが行き届き、素晴らしいです。お二人に見所をいろいろ教えて頂いた。ひょっとして、この宿では昔から旅人に声掛けして疲れを癒すのが習慣で、今でも綿々と受け継がれているのではないか。

 

 

猫一匹いなく、昼寝状態の街並みですが、実際は観光の人達が3組10名ほど歩いており、つい先ほどまでツアー(中山道を歩く)客20数名で賑わっていたそうです

 

 

こちらは神明大杉(樹齢670年、高さ40m)として大湫宿のシンボルとして人々を見守ってきましたが、令和2年7月の豪雨のより倒木被災しました。

 

 

 

 

いずれにしても、旧宿場町のアナログ風情、明暗の中に今と昔が同居している。


天空カフェタイム ・・・・・カフェー 青漄荘(せいがいそう)

2022-12-16 | 森と緑のカフェ

 

カーテン越しの陽の光に12月とは思えぬ強さを感じ、開けてみると、空は真っ青で雲一つなく無風状態、部屋の温度もそれほど低くない、即、飛び起きた。

この機を逸しては、行けるのは多分、来春になるだろう。かみさんは東京の娘の所へ行っており、簡単に朝食を取り、洗濯も済ませ、車をスタートさせた。場所は瑞浪市(岐阜県)の国道19号線から少し山に入った所。19号線沿いはゴルフでよく通るので、いつも使うルート(東名~中央道)ではなく、今回は東海環状自動車道経由で下道を通った。思いの外、時間を要し、着いたのはお昼少し前でした。ベンツ、BMWの上位モデルが2台が駐車していた。ひょっとしてと思い、国民服ではなくDIESELを着てきてヤレヤレ。

通常、この時間帯はランチ・メニュー選択でしたが、奥から「大丈夫ですよ」と女神の声が。一人だったからでしょうか、柔軟な対応(ケーキ・セットでOK)をして頂きました。

どうですか、このすばらしい眺望は!正面は百名山の一峰、恵那山です。

 

このコーナーで先ほどまで、20代前半と思われるカップルが美味しそうなランチと最高の景色で話が弾んでいました。ここでデートとはいいセンスですね。「いちころ」でしょう(笑)

 

 

恵那山から左に目を移すと雪をかぶった中央アルプスです。コンデジをかなりズームしましたが、空気が澄んでいるのでしょう、結構、綺麗に映っています。

 

 

元々は、別荘だった建物をリノベーションしてカフェに生まれ変えたそうです。

 

 

ふと、気が付いたのですが、空気が都会と違う、美味しいですね。

帰り際、先ほどの女神から、「来春、お二人で ・・・・・」と声を掛けられた。何だか、もう春が待ち遠しい。

 

(なお、この記事内容は寒波が来る前の12/9で、珍しく勘が当たりました)

 


一年前に、知りませんでした ・・・・・ disk union 名古屋店

2022-12-14 | ジャズ・etc

 

以前からdisk unionが名古屋に出店するといいなぁ~、とずっと思っていましたが、実現せず諦めていたところ、いつの間にか(笑)出店していた。

もう一年も前、栄に。迂闊でした。中区役所を東へ行き、直ぐのビルの2Fです。

 

 

早速、行ってきました。あのunionの匂いが歩道まで零れ出している。

 

 

ALLジャンル?なので、中は結構広いです。

 

 

ジャズLPは一列+アルファで、まずまずの量でした。相変わらずBLUE NOTEは人気があり、最高値(オリジナル盤)は”1538で”諭吉がが40枚、”1583”が30枚、”1527”もその位?かな。国内盤でも物により5千、6千を越してくる。いつの間にか高騰してますね。反対に人気がない盤は三桁で転がっていて二極化が進んでいる。

気になる盤がありましたが、結局、見合わせました。ま、慌てることなくゆっくり楽しもうと思います。

なお、画像掲載は情報の一つとご理解ください。問題が有れば削除します。


世代を越え愛される ・・・・・「コンパル」(名古屋市)

2022-12-11 | 日記・エッセイ・コラム

 

久し振りに廃盤屋へ、と大須に出かけた。以前、栄にあったJAZZ専門の「ジャズ・シンジケート」がビルの再開発のため大須に移転し、行くのは初めてです。

ビルの2Fでジャズとクラシックに分かれていた。量的に以前よりやや少なめの感じでスッキリ見易くなっている。獲物は残念ながらありませんでした。最高値はM・ウォルドロンのMAL-2(オリジナル盤)でしたが、ひょっとして一桁、見間違いかもしれない。廃盤漁りも偶に出かけ、直ぐ美味しくGetできるほど甘くないので、ま、いいっか。

で、本当の狙いはココ、「コンパル」、カフェなんて洒落た冠は無用。

 

 

遠ざかる昭和の匂いがプンプンする喫茶店。だが侮るべからず、名古屋育ちで「コンパル」を知らない人はいない(笑)。

殆ど昔ながらの4人BOXシートで、今風の一人用席はないけれど、一人で来ても「どうぞ、どこでもご自由に」と。効率なんて言葉は、コンパルの辞書にはない。名古屋発祥の「コメダ」も同じですね。

ただ、違うのは、「コンパル」のコーヒーは小振りなカップで出てくる。それなのに八分目で充分、満足感が得られる。

一歩外の喧騒と別世界、楽しく語り合う学生の仲間達、スポーツ新聞を読みまわす老人、スマホを見つめる中年カップル、目を閉じ瞑想に耽る一人客等々、老いも若きもそれぞれのコーヒー・タイムが時の過ぎゆくままに。常に満席です。

忘れ難い味、コンパルが愛される理由です。


どうする家康 ・・・・・岡崎城

2022-12-09 | 日記・エッセイ・コラム

 

もう月が替わっていますが、先月の末、所用で豊田方面に出掛けた際、思いの外、早く時間が空いたので岡崎城まで足を伸ばした。ところが改修中で休館のため外回りの公園を散策してきました。どうやら来年の大河ドラマ「どうする家康」の準備のようです。全く知りませんでした。メインの駐車場も改修工事中で裏側の駐車場を探し当てるのに結構、時間を要しました。私同様、ウロウロしている車を何台も見かけました。城がある公園の真ん前は国道1号線が走り、交通量も多く、ドラマが始まり観光の車が増えたら、「どうする家康」、ま、いいっか、何とかなるでしょう(笑)。

 

 

まるでエル・ドラドですね。相次ぐシャッター・ボタンの音がここまで聞こえてきます(笑)。

 

 

この濠辺り、昔の雰囲気がそのまま残っていますね。

 

 

 

規模は決して大きくありませんが、なんせ「家康の生誕地」ですから。

 


秘められた底力 ・・・・・IMAGINATION / WOODY SHAW

2022-12-04 | Portrait of Woody Shaw

 

今から33年前の1989年5月10日に44歳の若さで亡くなったショーのリーダー・ラスト・アルバム。死後、ライブ音源がかなり発掘されていますが、少なくともスタジオではこれがファイナルに違いなさそうです。

一部のディープなファン(自分も含め)が「過小評価、不当評価」と訴えるショーですが、リーダー作は20枚を超え、内、5枚はメジャーのコロンビアとなれば、それほどでもないのでないか、と思う(ようになった)。ひょっとしたら、こうした現象はわが国特有のものなのか。そもそも、ファンの間で本作はちゃんと聴かれているのか、甚だ疑わしい。

この作品は、スタンダードを中心に心地良いフォー・ビート・ジャズに徹し、新機軸、チャレンジ等々、全体のイメージをポジティブに語れる要素は何一つなく、カヴァ同様、地味に映る。マイルスで知られる”If I Were A Bell”からキック・オフし、折り返しのB-1にはハバードで知られる”You And The Night And The Music”と、二人の大先輩を意識した曲構成が示唆しているように本作はショーのtpプレイにフォーカスを当てて聴くべきアルバムです。

以前のような力みが消え、スケール感を失わずメロディアスに歌うスタイルに進化している。中でもペッパーの名演でも知られる”Imagination”ではソロに入ると緩やかなボサ・リズムに乗り、まるでエイジもののウイスキーのようなマチュアなソロを展開している。2週間前に、ハバードとダブル・ネームで”THE ETERNAL TRIANGLE”を録音したばかりで、2年前にも”DOUBLE TAKE”を録音しており、単なるステージ上の共演より密度の濃い体験から何かしらツボでも会得したのかもしれない。いつの間にか表現力が多彩に、しかも無理なく打ち出されてくる。因みに、以前、N・ヘントフが書いたライナー・ノーツの中でショーは影響を受けたトランペッターとして、モーガンから‘so witty and tricky’、バードから‘warm and lyrical’、ブラウンから‘so much warmth’を挙げ、リトルを「真に個性的」と、そしてハバードを「トランペッターが求める全てを正に有している」と最大級の賛辞を送っている。

なお、本作はV・ゲルダーによりデジタル録音されている(1987.6.24)。リアルタイムで聴いた時、薄くて硬い音と敬遠した記憶が残っていますが、改めて聴くと、全盛時代のエグさは無く、キレイ系の音に変わっている。ショーのペットは高音が澄み、撓うように伸び、ターレのtbも結構、エネルギッシュに、”Dat Dere”ではロリンズのアルフィーのワン・フレーズをさりげなく織り込み、豪快に吹き切り、普通に聴く分には上等でALTECも機嫌よく鳴っている。

ショーのライブで一番の思い出は1986年に山中湖で開催された”Mt.Fuji JAZZ FESTIVAL ’86 with BLUE NOTE ”です。フロント・ラインがハバード、ショー、そしてK・ギャレット(as)の3管で”Desert Moonlight”(月の沙漠)が始まると聴衆、総立ちになった。

ショーの「底力」が秘められた絶作。これからだったのに ・・・・・