活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

ごちそうさま、口之津の歴史民族資料館

2006-10-26 13:25:43 | Weblog
 まず、最初のごちそうさまは、歴史民族資料館の立地です。
 口之津から天草へ向かうカーフェリーの甲板にたたずんでいますと、出港直後、
進路右側に雰囲気のある建物が目に飛び込んできます。落ち着いた風情は、さすが元、税関だったことだけはあります。早崎半島の先端の手作り資料館は、実に味わい深い印象をうけました。
 
 次のごちそうさまは、展示内容です。司馬さんに開館の経緯を熱っぽく語られた初代館長白石正英さんも司馬さん同様、故人になられてしまいましたが、ご両所を知るわたしとしては、おふたりの対談をナマで聞きたかったと思います。
 キリシタン時代の南蛮船の展示から始まる「海の資料館」、昔の暮らしを想像させる生活用品の実物展示の「歴史民族資料館」、いずれも興味深いのですが、個人的には「からゆきさん」がらみの展示で埋め尽くされた「別館」に、いちばん、惹きつけられました。

 いまでもそうですが、昔から口之津は外洋船の船員さんが多い町です。その人たちが海の向こうから持ち帰った珍しいおみやげのかずかずが展示されています。
 そうそう、羽振りがよくなって、帰国したからゆきさんの舶来品展示もありました。からゆきさんは、この口之津港から、石炭船の積荷にかくされて売られていったのだといいます。うまくいえませんが、こういった展示には隠された一人ひとりの人たちの「人生」や「生涯」が見え隠れして感動してしまいます。やっぱり、ごちそうさまでしょうか。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする