活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

若松島のキリシタン像

2007-05-17 13:12:17 | 活版印刷のふるさと紀行
 五島2日目、海から若松島を訪ねました。
 島の西南に奥行き50メートルの洞窟があり、その入り口に土井ノ浦の信者さんたちが先祖を偲んで建てたキリスト像があるというのです。
 
 ありました。船の上からでもよく見えました。
  五島の場合、寺請制度反対に端を発していちだんと隠れキリシタン取締りが厳しくなったのです。といっても、すでに、長崎、大浦天主堂の献堂式があったころの話です。
 踏み込みを恐れて、洞窟に隠れていたキリシタンが飯炊きの煙を漏らしたばっかりに、捕らえられ犠牲になりました。

 五島を訪ねますと、どうしても、教会めぐりがしたくなります。
 ただ、このキリシタン像の話ではありませんが、建造時期は、明治、あるいは、明治近くが多くなってしまいます。隠れキリシタンが隠し持っていた血染めのオラショの紙切れなどを見せられますと、印刷された経文は、どこに消えたのかと、寂しくなります。
 

 日本最初の活版印刷が消滅したのは、キリシタンの迫害によるもので、1615年ごろでしたが、なんと、それから200年以上たってもそれは続いたわけです。実にシツコイ弾圧でした。これでは、「印刷」のあらゆる痕跡がかき消されていても当然かと思ってしまいました。

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