活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

ルルドめぐり

2007-05-22 18:54:20 | 活版印刷のふるさと紀行
 五島の玉之浦町で思いがけない体験をしました。
 あなたは「ルルド」はご存知と思います。

 1858年といいますから、日本では安政5年、福沢諭吉が蘭学塾を発足させた明治チョイ前のことです。
 ピレーネー山脈のフランス寄りのルルドという洞窟で、14歳のフランス人少女ベルナデッダの前に、白衣にロザリオを携えた麗わしい貴婦人が現れて、「われこそ、聖母マリア、洞窟の前に井戸を掘るように」と告げたといいます。

 それも、つづけて、その貴婦人(ノートルダム)は18回も現れたといいます。それから半世紀ぐらいの間に、霊泉が湧く泉が掘られ、霊水が多くの病人を癒すようになり、ベルナデッダの陳述どおりの聖母像が安置され、巡礼が押しかけるので聖母マリア出現の場所には小聖堂や大聖堂が出来たことは申すまでもありません。これがルルドの由来です。

 1891年、教皇レオ13世が2月11日をルルドの祝日にさだめ、ヴァチカン宮殿の庭園のルルドを模して作って以来、世界各地にルルドが出来たのです。

 さて、井持浦にルルドがつくられたのは、1899年、明治32年のこと、五島全島から美しい石が小舟で運び込まれ、フランスから求めた聖母像をおき、本場の霊水を注いで泉を完成させたそうです。当時の神父さんはアルベルト・ペルーというフランス人でした。

 五島にはたくさんの教会にルルドがあります。福江、水ノ浦、三井楽、浜脇、奈留、慈恵院、鯛ノ浦などなど。
 実は、この井持浦のルルドでルルドめぐりをしているフランス人の老婦人に会いました。「日本で最初に出来たというルルド」を訪ねてきたらしいのです。
 思いがけないところで、本場の人と出会ったまではよかったのですが、不覚にもフランス語が錆びついていて、われながら、情けない体験でした。


コメント
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