活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

ひとりがたり「ふたたびドラードへ」

2009-06-24 13:25:23 | 活版印刷のふるさと紀行
 私は日本に初めて「活版印刷」をもたらした男、コンスタンチノ・ドラードのことを書き、しゃべって来ました。
ですから、もし『日本の活版印刷文化史』みたいな本が出るとしたら、「キリシタン版」と「コンスタンチノ・ドラード」の紹介から始まると考えておりました。

 それが、出たのです。先月、2009年5月、版元は勉精出版です。
 『活字印刷の文化史』サブタイトルは-きりしたん版・古活字版から新常用漢字表まで-と、あります。うれしかったです。

 そして、大内田貞郎先生の「きりしたん版」に「古活字版」のルーツを探るに
飛びつきました。

 このブログで私もかつて、「いつ、だれが国字活字をつくったか」だとか、「印刷修行の期間が短すぎるぞ」とかかいたことがありました。

 そういったことを大内田先生が別の視点から丁寧に論じておられます。
以前に『本と活字の歴史事典』を柏書房からお出しになっていますが、今度の著作であらたな研究成果を披露しておられるのです。

 書誌学の権威、天理図書館で「きりしたん版」を手にとって綿密に研究されている先生の論旨に反駁はできませんが、私自身、もう一度、ドラードの身辺に立ち戻って次回から「私は、こう思うのですが」と、ひとりがたりをさせていただこうと思います。

 コンスタンチノ・ドラードはどんな顔をしてくれることやら。

 
コメント (1)
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