活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

上海博物館で4

2010-02-12 12:19:03 | 活版印刷のふるさと紀行
 贋札といえばおもしろい話があります。
中国のある地方では葬式のとき死者が冥土で使うように多額の紙幣を棺桶に
入れる風習があり、「紙銭」といって売られているそうです。

 そういえば、日本でも三途の川の渡し賃というので、死者の首に真っ白の
ズダ袋をかけ、硬貨を入れる地方があったようです。

 ところで、中国の昔の紙幣はサイズが大きく、たとえば、1375年に発行
された「大明通行宝抄」はたてが40センチ、横が22センチもあったといいます。
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上海博物館で3

2010-02-12 11:01:49 | 活版印刷のふるさと紀行
 中国が紙でも紙幣の印刷でも世界で尖端をきったことは
よく知られております。麻の布屑や樹皮を臼で粉砕して、
水に溶かして、すのこで漉く方法でつくった紙に銅凸版で
プレスして紙幣を作りました。

 時代的には北宋地代、997年に蜀の国、現在の四川省
成都で作られた紙幣が最初とされています。(鈴木拓也氏
『中国と紙幣の歴史』)

 ところで最近中国では贋札が横行しているらしいのです。
とくに百元や五十元札に多いようで、買い物のとき、鑑別器
で真偽を確かめる店もありました。
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上海博物館で2

2010-02-12 10:19:54 | 活版印刷のふるさと紀行
 2階で景徳鎮の逸品に目を奪われたり、3階で昔、書道で
ご厄介になった王義之や王献之の拓本に感心したりして、4
階に歩を進めると、「手をふれるな」という注意カードが
のっかった鉄製の小型のプレス機とみまがう器械が通路の片隅
に置いてありました。
 
 よくよく観ると出土された金属貨幣の鋳造器だと説明がある。
そういえば、4階の1ブースは中国歴代の貨幣の展示でうずま
っていて、その一画にこれが鎮座しているというわけです。

 写真の注意カードの下のハンドル上状になっている部分を回すと
心棒がおりて、銅の金属に刻印をほどこして金属貨幣を作り出す
仕組み荷っています。

 とにかく中国歴代、各地方の貨幣となれば膨大な数です。観て
回るのもいさいさかウンザリです。
「よし、これなら紙に印刷を施した「紙幣」もあるのではないだ
ろうか。それがあったのである。
中国ではマルコポーロの時代に紙幣が流通していて、「東方見聞録」
にその記述があったように記憶します。1200年代だったでしょうか。
 
 

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