活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

手に取って見る美しい本1

2012-11-17 15:59:10 | 活版印刷のふるさと紀行

印刷博物館のP&Pギャラリーで始まった(2012年11月17日(土)~2013年2月24日日)のWorld Book Designを観て来ました。昨年までは毎年3月にドイツのライプツィヒ・ブックフェアの『世界で最も美しい本コンクール』の入賞作品が幅をきかせておりましたが、今年はドイツ、日本はもとより、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国、台湾と8ヵ国のコンクールの入賞作品で構成され、なかなか圧巻でした。

私がこの展覧会で気に入っているのは、1冊、1冊、手にとって見られることです。もっとも凝りに凝った製本で手に取るとばらけそうな本もあって怖かったのですが。

おもしろかったのは東京ドイツ文化センターのコンクール担当の女性の方の話で、「今年からコンクールの審査方法を変え、装幀と製本の技術を育成するためにかなり、造本にウェイトをおいた審査を行うようになった」という紹介で、電子ブック時代に60年美しい本を選び続けてきた国らしいと思いました。

彼女がいちばん推薦したドイツでのコンクール入賞作品は「キリンの首」というベルリンの壁崩壊前後のドイツを舞台にした小説Der Hals der Giraffeで、著者がグラフィックデザイナーで装丁はもちろん、本文レイアウトもイラスト処理も全部自分の手で処理していて作品内容と渾然一体すばらしい美しい本に仕上がっているという評価でした。私はトラディショナルというか比較的地味で落ち着いた雰囲気とは思いましたが、さほど感心はしませんでした。みなさんが会場で手に取られてどんな感想をいだかれるかうかがいたいものです。

 

 

 

 

 

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